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『AND』

作者:零那
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『Road』



走っては転けていた畦道。

探検していた歌舞伎舞台裏。

冷たい水の中ではしゃいでいた川。

其の川の傍に数本並ぶ桜の下でクローバーの冠作り。

足場が悪い処ばかり向かう。

夕日が沈んで人が居なくなっても僕は帰りたい処なんて無かった。

地べた這いつくばって生きてく。

何の意味も無い日常を生かされる。

惨め過ぎて卑屈になる日々が流れるだけ。

いっそ棄てられた方が楽。

誰にも解り得ない、こんな汚い感情が渦巻いてるなんて。

もっともっと大事にしたかった。
何かを守りたいなんて想ったのは初めてだった。

深い闇に覆われ、鼓動が早まり、殺意と理性が交わる。

僅かな光さえ無い世界を壊してしまいたい。

泥濘の足場だらけなら、もう道なんて要らない。
歩きたくも無いから。

呪われた運命を憎む日々が流れる。

そう、もうきっと誰にも何も届かない。

きっとそんな絶望に満ちた運命...
泥濘だらけの、まともに歩けない道ばかり...


 
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