ガールズ&パンツァー もう一人の転校生 【リメイク】
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原作編
抽選会です!潜入ではありません!
日本戦車道協会には大きく分けて二つに別れている。一つは高校戦車道協会。この協会の会長は西日本支部を西住流家元が、東日本支部を大狩流が代々受け継いでいる。そして大学戦車道協会。まあ、これに関してはあまり規模がでかくないかもしれない。そもそも大学戦車道協会の名前を聞くことすら滅多にないのだ。そしてこの協会は島田流が会長を務めているためか、少しめんどくさい。
大切なのはここから。日本戦車道協会は国際戦車道連盟東京事務所から離れている。そして交流も少ないらしいのだ。ではなぜ国際大会が誘致できたかと言うと、東京事務所の所長兼高校戦車道協会東日本支部会長の大狩里美後からが少なからずあったのだ。
大狩里美は高校時代及び大学時代に全国制覇をなしている人物であり、戦車道では知らないものはいないほどの有名人なのだが、私にとっては口のうるさいお母さんでしかありません。
「相変わらず長い話だよね。」
「梨華、里美さまにバレたら怒られよ」
責任者の責務かも知れないけど、もっと短くてもいいと思うよ。その方が早くて助かるし。
いつ終わるかわからない長話を聞き続けて梨華の集中力は当に尽きていた。
「最後に。戦車道は先に集中力を切らせた方が敗けだ。最後まで頑張るように」
梨華のことを見据えてるかのように話す言い方。相変わらず凄いよ。尊敬してしまう。
「それでは抽選に入ります。昨年度優勝校プラウダ高校お願いします」
へぇ、今年の隊長はカチューシャさんか。少しめんどくさそうな相手だけど、勝てなくはないかも。だって私たちには梨華がいるんだもん。
当の本人は何を期待されているのか理解に苦しむ状態だった。
その後も抽選は順調に進み、ついに私たち大洗女子学園の番が来ました。もちろん壇上に上がったのはみほさんです。さて、どこに駒を入れるのか楽しみです。
どこに当たっても正直面倒だと思いますけど。
「絵里、トーナメント表を見てみなよ」
梨華の言われた通りトーナメント表を見てみると、私たちの相手は一回戦から強豪らしいですね。その仲でも厄介のに当たってるようで。まあ、勝てない相手ではないですね。
「サンダース大付属なんて、私だったらぼこぼこにしてあげるのに」
「梨華。目線が痛いから落ち着こ」
私たちの方をなぜか睨み付けてくるのは初戦の相手であるサンダース大付属。確かに、去年の大会でも私たちは彼女たちをぼこぼこにしましたが、梨華の言い方も悪いと思います。
「へぇ、私たちに対抗心をもつなんて。うれしい限りだね」
「お願いします!少しだ待っててぇ!」
相手を挑発させる目的かもしれないけど、梨華はやりすぎだよ。もうちょっと穏便にしようよ。じゃないと他からの視線も怖いからさ。
「用が済んだから帰ろうか」
「とっとと帰りましょう。今すぐに!」
「そんなに帰りたいの?ホームシック?」
「何でもいいからとっとと帰りましょう!」
絵里がそんなに帰りたかったなんて知らなかったよ。それともこういう雰囲気が苦手なのかな?私は好きだけど。
周りから視線をすべて無視している梨華はある意味凄い人間である。
「さぁ、行こうか」
絵里と別れてから私は、はやと約束していたカフェに来ていました。店の中は戦車の模型や、部品が多くあり、人によってはまさに天国であろう。
「ここに食べに来るのも久しぶりだね」
「中学の全国制覇以来ですし。」
まあ、私たちに縁のあるお店だから、たまには顔を出さないと行けないかなとは思うけど、私たちは常に船の上だから来るのが大変なんだよね。
「久しぶりにここのモンブラン食べたけど、変わってなくて安心したよ」
「それはようございました」
はやは本当にモンブラン好きなんだから。どこ行ってもモンブラン食べてるよね。でもその気持ちもわかるけどね。私もチーズケーキ好きだから。
「珍しいわね。こんなところに顔を出すなんて」
私たちが食べているところに話しかけてくるなんて、珍しいと思い、私は横を向いたところ、そこにいたのはカチューシャさん。
「Иметь хороший день. Катюша, Нонна」
「Иметь хороший день. Рика」
「梨華!ノンナ!日本語で話なさいよ!」
相変わらずロシア語は話せないんですか。それでもプラウダ高校ですか?ロシア戦車使ってるのにね。まあ、得意、非得意があるもんね!
「ごきげんよう、カチューシャ」
「えっ、……ごきげんよう」
珍しく私から挨拶したせいか、少し戸惑っている。全国常連校の隊長がこんなんでいいの?
「今年こそ私たちがボコボコにしてやるんだから!覚悟してなさい」
ボコボコにねぇ、私たちを出来たら、それは是非ともやって貰いたいね
「はいはい。楽しみにしてますよ」
練習試合で一度も勝ったことないのに。それに、今ははやといることだし、手段はたくさんあるんだよね。はやには無理してもらうことになるけど。
「首を洗って待ってなさい!行くわよ!」
「気を付けてー」
プラウダ相手にするなら改造ユニット用意して改造しようかな。
「…………精々、西住流の名を汚さないように」
この声はどこかで聞いたことあるような?いや、絶対聞いたことあった気がするよ。たしか去年の大会で敵意剥き出しだった、誰だっけ?
「黒森峰。いったいこんなところで何をしてるのかな?」
「はや、それよりも今は、侮辱したあの人に」
「わかってるよ」
私とはやの意見が合致したところで、
「黒森峰も品のない学校だと思いませんか?」
「そうですね、他校にあんな態度。ありえませんね」
技と聞こえるように声を出す私とはやに、注目が集まっていた。それに、私たちがなにか言われる確率は低い。なぜかと言うと、私たちが今来ている制服は白河女子高の制服だからである。格上相手に変な態度とるほどの愚かな人はあまりいないしね。
「誰かと思ったら、去年私たちに負けた白河の隊長さんですか、私たちの問題に口を挟まないでもらえます?」
わざと負けたことを強調しているが、私たちにそんな挑発は通用しない。そんなの通用するのはもっと格下の学校だけだよ。
「全く、どこの名家の次女は、お馬鹿さんばっかりなのね」
お馬鹿ねぇ。それなら今のあなたはなんなのかしら?そのお馬鹿よりも愚かな大馬鹿にしか見えないですよ。
「ちょっとこっち来いよ」
そしてはやを怒らせるなんて、めんどくさいったらありゃしないね。でもさすがに不味くなったときに止めればいいかな。
「梨華を罵倒するなんて許せない」
はぁ、本当にめんどくさい。どうしてこうなるんだか。理由を教えてほしいよ。
「二人ともやめなさい」
「隊長」
「まほさん」
ここであなたが止めますか。まあ、いいでしょう。私も喧嘩なんて見たくなかったわけだし。それに、こんなところで問題を起こされて迷惑かれたくもないし。
頭に血が上っているはやを見ながら梨華は考えていた。
「梨華。少し話がしたい」
「いやです」
「そう言うな」
梨華はまほに首もとを捕まれて、奥に連れていかれてしまった。その様子を黙ってみているしかない二人はお互いに見つめあい、短くため息をするのだった。
そして奥につれてこられた梨華は、
「まほさん、何のようだか説明していただけるんですよね?」
「もちろん」
めんどくさくなってきてしまった。そもそもこんな日に来なくても良かったのではないだろうか。私は公開していました。
「みほのもとで戦車を動かすのはたのしい?」
えっ?いまなんて?私はこの人になんにもいってないはずなのになぜ?そもそもこの事を知っているのは白河のみんなと大洗、お母様方だけのはず。どこで情報を仕入れたの?
「やっぱり。今の梨華からは去年の覇気が感じられない」
「おっしゃる通りで、私は今、大洗にいます。」
騙しきるのは無理なので私は白状しました。でもこのままで終わらせる気もありませんので、
「まほさん。この事は他言無用でお願いしますよ」
私たちのことが他校に公になれば、戦略的に生まれる隙が減り、大洗が不利になる。それだけは避けなければならない。
「後悔は?」
そんなの決まってる!
「ありません!」
「ならいい。楽しみにしてるさ」
それだけ言い残し、先に戻るまほさん。なんだろう、絶対に負けたくない。勝手見返してやりたい。
そして梨華ももといたところに戻ると、そこには互いに愚痴りあっているはやとエリカがいた。
この短時間で意気投合とか凄いね。
「帰るぞ」
「はや、私たちも」
そして帰ろうとしたのだが、
「楽しみしてるぞ。白河の副隊長」
私に向かっていったのは大洗ではなく、白河の名前が出てきたのだ。守ってくれそうと考え、私たちはこのカフェをあとにしたのでした。
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