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外れない占い

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第二章

「そうした趣味はないです」
「そうだろ、だからな」
「悪い結果が出てその通りになるのなら」
「外れた方がいいってな」
「そう思われるんですね」
「いい結果なら当たっていいんだよ」
 こちらの場合はというのだ。
「幾らでもな、けれどな」
「本当に悪い結果は」
「出ないに限るよ」
 こう言うのだった、またしても。
「それで出てもな」
「外れたらですね」
「最高だよ、本当にそう思うよ」
「そういうことなんですね」
「ああ、占いをしてるとな」
「どっちも出ますからね」
 いい結果も悪い結果もだ。
「それこそ」
「どんな占いをしてもな」
 それこそタロットでもトランプでもコインでもだ。自由はそれはその都度インスピレーションに従って何で占いか決めています。
「悪い結果は出るからな」
「どうしても」
「どんな占い方をしても」
 タロットやトランプでだ、タロットだとケルト十字やカードを円に置いて占うやり方等があるが自由はそれもインスピレーションに従ってその都度決めている。
「出るんだよ」
「それが外れてくれたら」
「いいんだけれどな」 
 ぼやいての言葉だった。
「どうにかならないかな」
「先生がそんなことを考えておられるなんて」
「意外だったか?」
「思いも寄りませんでした」
 これが雄馬の返事だった。
「とても」
「そうか、それでもなんだよ」
「今は、ですね」
「ああ、悪い結果限定でな」
「外れてくれたら」
「いい結果はどれだけ当たってもいいんだよ」
 この結果についてもまた言うのだった。
「そっちはな、商売にとっても」
「そっちはですね」
「そうだよ、しかしな」
「それでもですね」
「俺の占いはどっちも当たるからな」
 いい結果でも悪い結果でもだ。
「外れて欲しいな、そっちだけは」
「切実ですね」
「ああ、本当にそうだよ」
 切実だとだ、自由は言ってだった。
 手羽先でビールを飲んでからだ、雄馬に今度はこんなことを言った。
「例えばドラゴンズもな」
「僕達の愛する」
 二人共名古屋生まれの名古屋育ちで今も名古屋に住んでいるので贔屓のチームは決まっている。尊敬する人は二人共織田信長と星野仙一だ。
「そのチームについて」
「優勝するかどうか占うだろ」
「優勝しないって出たら」
「するって出てもだけれどな」
「絶対ですね」
「ああ、当たるんだよ」 
 中日ドラゴンズを占ってもというのだ。
「こっちもな」
「そうなんですね」
「落合さん辞めてからずっと優勝するって出てないよ」
「それは難儀ですね」
「わかるよな、これは」
「嫌なことですね」
「何で巨人なんかが優勝するんだよ」
 二人にとっては憎むべき敵である、もっとも巨人は名古屋人はおろか全宇宙の野球を愛する者共通の憎むべき敵である。 
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