IS〜もしもの世界
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
34話
夕食を食べ終えた俺たち(一夏は回収した)は今、自室へ戻ろうとする最中だった。最初は恨みの篭った目で見られたがなんとか宥めると許してくれた。
「にしても一夏の誕生日か。俺も行かせて貰っていいか?」
「あ、ああもちろんだ。というか、来てくれよ」
「おう。そうなるとプレゼント考えなきゃな〜」
「プレゼントって別に構わないぞ?てか泰人にはいろいろ貰ってばかりだしな?」
「俺が?なんかあげたっけ?」
「・・・いや。別にそんな考えなくていいぞ?プレゼントなくたって祝ってくれるだけでもありがたいしな」
「・・・そうか」
一夏は少し困った顔をしたがすぐに戻ったので俺も気にしないことにする。そう話している途中で寮に着いてしまったのでそれぞれ別れることにする。
「んじゃあまた明日な」
「ああ、また明日・・・・」
「ん?」
一夏が自室のドアを開けて見ると何やら困った顔をしているので見てみると、
「やっほー」
「・・・じゃあ、また明日な(スッ)」
「え⁉︎ちょ泰人ま(織斑くんおかえり〜(ガシッ)マジ助っ」
と離れる俺を止めようとする一夏だが楯無さんに捕まり部屋に入ってしまっていた。南無三。
「・・・ふう」
と一息つき洗濯物とかをやりつつ次のイベント「キャノンボール・ファスト、か」
正直、能力を使えばぶっちぎりで勝てる気がしするのだがそんなことすれば何を言われるかわからないので対抗策を考える。
と言うより、俺のISは福音事件以来困ったことになっていた。
「来い、雷神」
と呼ぶと、普通なら武装やら装甲やらが出て部屋の中に入りきらない大きさになるはずだが、
「うーん」
薄い鎧が着いているだけであとは何にもない。明らかスピード特化な重さ。まず重さを感じない。試しに高周波ブレードを呼び出す。
「・・・」
「・・・」
やはり剣は変わってない。だがその剣ですら重さを感じない。もちろん紙みたいに軽いわけではないが初めてワンオフ・アビリティで創った時はもっと重かったのだが、今はちょうど良い重さでしっくりくる。
そんなこんなでISを元に戻す。と、そこに
「やーすとくんっ」
「おわっ⁈」
一夏のとこにいたはずの楯無さんが俺の部屋にいつの間にいたのか、俺に飛びついてきた。
「おねーさん見ちゃった。無断でIS展開してるとこ」
「うっ」
「しかも刀を呼んで振り回してたとこも」
「うぐっ」
「いくら部分展開でもいけないよ?」
「い、いやあれで全開なんですが」
「・・・え?」
「あと離れてくれるとありがたいんですが、いろいろ困るんで」
一部を押し付けられてるからとは言えないが。
「あっごめん。でも本当なの?」
「ええ。どうやらそうなんですよ福音以来こんな感じでして」
と頬をかくが、
「・・・あれ?泰人くん指輪は?」
「・・・あ、あれ?」
と頬をかいた手を見るが確かに指輪が消えていた。慌てて制服を調べるがどこにもない。
楯無さんも周りを見ていたが俺をみると口を開けて驚いていた。
「あ・・・や、泰人くん?そんな刺青どこで掘ったの?」
「は?いや俺はそんなのしたこと・・・あ」
と俺も自分の体を見ると上半身が刺青になっていた。しかも一定で光っている。
「・・・どうしましょう?」
「いや、まずISが人間に同化なんて出来るわけがないのよ。でもあなたのISは誰が作ったかわからないんでしょう?」
「いやそうなんですが・・・困ったなぁ」
「ほんとどんな原理で融合してるのかしら」
と俺の身体をペタペタ触りこそばかったので、
「た、楯無さん。あんまり触られても困るんですが・・・」
「っ!そ、そうよねごめんなさい///」
と頬を赤くして離れる楯無さん。
「・・・怒ってる?」
「い、いえ少し恥ずかしかっただけで怒ってないですよ。」
と変な空気でお互い顔を背けるが、
「おーい泰人〜いるかー?」(ドンドン
「っ⁉︎あ、ああ入ってもいいぞ」
突然の一夏の来訪で幸か不幸か空気を壊してくれた。そして思い出したように口を開く楯無さん。
「そうそう。今日はあなたたちに大事な話があるのよ」
「そうなんですか?てっきりからかいに来たのかと勘違いしましたよ」
「それもまあない事は無いんだけど」
一夏・泰人「(´・ω・`)」
「真面目な話よ。例の組織についてね」
例の組織ー亡国機業について。蜘蛛女やら・・・織斑先生の顔をしたあの女・・・正直、得体が知れない、目的もわからない組織はどんな行動を起こすか全く掴めない為全て後手だったのでどんな些細な情報でもありがたい気分だった。
「非公式な情報なんだけど、先刻アメリカのIS保有基地が襲撃されたらしいわ。狙いはIS本体でしょうね。あなたたちも、自分のISを奪われないようにね」
「一夏は心配だなぁ」
「いやいや、さすがに同じ轍は踏まねぇよ。」
うーんうーんと唸る泰人に対し反論をしようとする一夏をみて楯無はクスクスと笑う
(この二人なら大丈夫かもね)
それに、泰人に対してはまた別の感情を持っていた。
(この子ーいやこの人なら何かあってもどうにかしてくれる。気がするのよね。)
普段の楯無としてじゃなく、個人の考えとして泰人を信頼していた。
しかし泰人が何か隠しているのも分かっていた楯無だが
(別の機会にしましょう)
と考えることを止め、泰人たちの輪へ入るのだった。
後書き
泰人のISの姿はメタギアリベンジェンスの雷電が籠手と肩に鎧を着たような感じと思ってもらえると想像出来ると思います(主は想像出来てない)
ページ上へ戻る