転生とらぶる
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Fate/stay night
1159話
前書き
設定集のFate風ステータス、更新しています。
……え?
俺と凛、それと綾子は、間違いなく今この瞬間大きく口を開けた、ポカンとした表情を浮かべていた筈だ。
えーっと、待て。ちょっと待て。
ランサーの口から出た今の言葉には、色々と聞き捨てならない単語が入っていたぞ?
何から聞けばいい? ルールブレイカーを使ったら契約が切れた? つまり、これは魔術的な契約を無効化する能力を持っているのか?
規格外な宝具だが、あの時にキャスターが俺に向けて使おうとしていたのも、そう考えれば分からないではない。
俺と凛の契約を切って、その後自分と契約する。
色々と無理があると個人的には思うんだが、実際キャスターはアサシンと契約をしていたのは事実だ。それを考えれば、実はもう1人サーヴァントと契約してもどうにかなると思っていたのか?
まぁ、実際には俺の場合魔力生成がある以上、自分で魔力を生み出す事が出来る。
つまり、俺と契約する上で魔力的な消費は一切考えなくてもいい訳だ。
寧ろ俺が凛に対して魔力を流しているように、マスター側で魔力を受け取る事すらも可能だろう。
俺達の戦闘を見張っていたキャスターだ。その辺の事は知っていたとしてもおかしくはない。
そう考えると、キャスターの狙いは分からないでもなかった、か。
そして次に出て来た、ランサーの口から漏れた綺礼という名前。
この名前に俺は聞き覚えがあった。
それこそ、本来であれば聖杯戦争に参加していてはいけない人物。
「……ちょっとランサー。色々と……それはもう色々と聞きたい事があるんだけど」
凛の口調に潜んでいるのは、苛立ち? 同時に納得? そんな複雑な表情で尋ねる凛に、ランサーは一旦手を伸ばして言葉を止め、グラウンドに落ちている石を拾って素早く暗闇の方へと投げつける。
……何をしてるんだ?
俺はそんな疑問を感じただけだったが、凛は何かに気が付いたのだろう。忌々しげにランサーが石を投げた方を睨み付ける。
「なるほどね、使い魔を通してこっちを探っていた訳か」
「そうなるな。俺もいきなり令呪を使われるまでは気が付かなかったんだが……いつから探られていたことやら」
こちらも同様に、忌々しげな表情を浮かべつつ、手に持った槍の石突きで地面を突く。
ランサーがクー・フーリンで、真名解放の時の事を思い出せば、あの槍が有名なゲイ・ボルクなのは間違いない。
かなりメジャーな宝具に視線を向けていると、ランサーがそれに気が付いたのだろう。ニヤリとした笑みを浮かべて口を開く。
「どうだ? いい槍だろ?」
「そうだな。それは否定出来ない事実だ。……使い手の方はこんな奴なのにな」
「おい、待てやこら。こんなってのは何だよ、こんなのってのは」
心外だと言いたげに眉を顰めるランサーを、鼻で笑ってやる。
「相手を殺すまでの戦いはしないとか言っておきながら、あっさりと令呪でそれを破らされて、しかもその宝具の一撃を俺に回避された誰かさんにだが?」
「ああっ、アークエネミー、お前言ってはいけないことを言いやがったな!? 大体、さっきのは何なんだよ! 俺の刺し穿つ死棘の槍は、因果逆転の呪いが掛けられた宝具なんだぜ!? それを何だってあんなにあっさりと回避しやがった!」
「さてな。まさか、自分の能力をペラペラ喋る奴がいると思うのか? ……ああ、そう言えばたった今喋った奴がいたな」
俺の言葉に、ランサーが苛立たしげに口を開く。
「んだとコラ!? さっきは偶然お前に有利になっただけだろ!? 大体、結局俺はダメージを受けてねえんだから、別に俺が負けたて訳じゃねえ」
「ルールブレイカーを刺されておきながら、よくもまぁそんな事を言えるな。あの時はこれがどんな効果を持つ能力か分からなかったから試す意味で使っただけで、本来ならお前は今頃消えてたんだが?」
「んな訳あるか。回避するくらい訳ないって。大体、担い手でもないのに、何でお前は宝具の真名解放を出来るんだよ!」
「へぇー。それはすごいことでございますことねー。真名解放に関しては、俺も詳しい事は知らないな。多分アークエネミーってイレギュラークラスが関係してるんだろ」
「っ!? いいぜ、それだったらもう一回やり直して……」
ガンッ!
そんな音を立てながら、俺とランサーの間にガンドが撃ち込まれる。
反射的にそちらへと視線を向けると、そこにいたのは口元は笑っているけど目が笑っていない笑みを浮かべた凛の姿だった。
「あんた達の仲がいいのは理解したわ。けど、いい? 今はあんた達の喧嘩に付き合っている暇はないの。その辺を理解した上で、しっかりと私の話聞いて貰える?」
『はい』
揃って返事をする俺とランサー。
マスター云々とかは関係なく、今の凛に逆らうのは命に関わるんじゃないかと判断したのだろう。
間違いなく、今の俺とランサーは同じ気持ちだった筈だ。
「よろしい。じゃあ、話を戻すわよ? 綺礼があんたのマスターだったってのは間違いないのね?」
「そうだ。いや、正確には俺の元マスターがいたんだが、そいつが綺礼の野郎に不意打ちを受けて殺されてな。で、令呪を使って強引に主替えに同意させられた」
「……綺礼なら何をやっても不思議じゃないわね。それにしても、聖杯戦争の監督を務めるべき人物が参加者って、ルールがどうこうって問題じゃないわよ? 後でこの件はしっかりと教会に抗議して、たっぷりとふんだくってやる」
苛立たしげに呟く凛だったが、やがて気を取り直したのだろう。溜息を吐いてから、再びランサーへと視線を向ける。
「それで、あんたはこれからどうするの? 綺礼との契約が切れたんだから、誰か他のマスターでも探すの?」
「そうだな。それもいいかもしれないが、その前にバゼットの死体をきちんと弔ってやらねえと。マスター云々の話はそれからだ」
死体を弔う、か。そのバゼットってのがランサーのマスターだったんだろうが、この様子を見る限りだとなかなかにいいマスターだったんだろう。
その話を聞いていたランサーは、一瞬意表を突かれた表情を浮かべて俺の方を、そして綾子の方を見る。
「つっても、嬢ちゃん。あんたはこの化け物みたいなアークエネミーと契約して、そっちの嬢ちゃんにも魔力を供給してるんだろ? その上で俺と契約なんて、そんな真似……」
「ああ、それは大丈夫。詳しい事はまだ今のあんたには言えないけど、もう1人くらいのサーヴァントなら何とでもなるから」
その凛の言葉は事実だ。
俺自身に必要な魔力は魔力生成のスキルで賄っているし、綾子の方に必要な魔力はそれ程多くない為、こちらも俺の魔力でどうとでもなっている。
つまり、今の凛は魔力量的に考えた場合はサーヴァントと契約していない時と変わらない……いや、俺から魔力が流れ込んでいる分、寧ろ増えているのだ。
ただでさえ魔術師としては一流でもある凛なのだから、今この状況でランサーと契約するってのはそれ程おかしくもない話だろう。
そんな凛の言葉に、ランサーは少し考え、やがて笑みを浮かべる。
「はっ、そうだな。嬢ちゃんの事は初めて会った時から気に入ってたんだぜ? 美人で強情で肝が据わっているときている。女をマスターにするんなら、嬢ちゃんみたいなのがいい」
「……そう。じゃあ、早速契約を」
「いや、待ってくれ」
早速契約を結ぼうとする凛に、ランサーが待ったを掛ける。
「さっきも言ったけど、契約はバゼットの弔いを済ませてからにしてくれ。ケジメって奴だ」
余程バゼットとかいう元のマスターが気に入ってたんだろう。ランサーのその言葉に、凛は少し考えて頷く。
「そうね、それで構わないわ。後は桜の件をどうにかして、綺礼をぶちのめしてこの聖杯戦争も終わりね」
残っているサーヴァントを考えれば、俺とランサー組、セイバーとライダー組との戦いになる……ってところか?
だが、そんな凛の言葉にランサーが待ったを掛ける。
「……あー、ちょっと待った。悪いが、嬢ちゃんの言う通りにはならないと思うぜ。綺礼の野郎、俺以外にもう1人サーヴァントを従えているからな」
「え?」
素っ頓狂な声を漏らす凛。
俺も同じだったから、気持ちは分かる。
「ちょっと待って。サーヴァントはセイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー。このうちアーチャーはアークエネミーに変わってるけど、他のサーヴァントは全部確認済みよ?」
そう、凛の言葉は事実だ。その上で、既に俺とランサー、セイバー、ライダー以外のサーヴァントは脱落している。そこにサーヴァントがもう1人? 一体どこから来たってんだ?
だが、そんな俺達の疑問にランサーは首を横に振る。
「さてな、その辺の詳しい事情は俺も知らねえよ。けど、間違いなくあいつが連れているのはサーヴァントだ。それだけは俺自身もサーヴァントである身として、断言出来る」
「……8人目のサーヴァント? 綺礼、あいつ一体何をしたっていうの?」
首を傾げる凛が俺の方に視線を向けてくるが……そんな真似をされても、俺は別に聖杯戦争に詳しい訳じゃないしな。
ただ、考えられる可能性があるとすれば……
「聖杯戦争の監督役ってくらいなんだから、何らかの裏技とかを持ってるんじゃないか? それを利用して本来なら有り得ない筈の8人目のサーヴァントを召喚したとか」
「……うーん、聖杯戦争は元々アインツベルン、間桐、遠坂の3家が協力してようやく生み出されたシステムなのよ? 幾ら何でも、それをどうにか出来るかしら? まぁ、そうでもなきゃ考えられないのは事実なんだけど……」
「ま、ともあれ綺礼の野郎はもう1人サーヴァントを従えているって事だけは事実だ。俺が戻ってきて嬢ちゃんと契約を結んだら、すぐにでも殴り込みに行こうぜ。それより、俺も魔力が切れる前にさっさとバゼットを弔って来なきゃな。少し待っててくれや」
そう告げたランサーが、軽く手を振り……
ドクンッ、と。
その瞬間に俺の中の念動力が大きく危険を知らせてくる。
何だ? 何で今ここで危険を知らせてくる?
既にランサーに令呪を使った宝具の一撃の件はどうにかした。あれがこのグラウンドにやって来た時に念動力が教えていた危険じゃなかったのか?
何だ、何を見逃している? 何を、何を、何を……
慌てて周囲を見回すが、特に何がある訳でもない。
だが、こうして実際に念動力が危険を知らせている以上は絶対に何かがある筈だ。
「アークエネミー、お前、何をしてるんだ?」
そんな風に慌てたように周囲を見ている俺を見て、ランサーが不思議そうに口を開く。
先程から感じている俺の危険について口を開こうとした、その時。
ランサーのすぐ側に、奇妙な……まるで折りたたまれているような右手のような物が見えた。
そうして、その右手がランサーに触れると同時に、どこからともなく声が響く。
『妄想心音』
ちぃっ、何が起きてるのかは分からないが、不味い。絶対的に不味い!
俺は一気に地を蹴って右腕の方へと向かおうとし、ランサーは反射的な動きでゲイ・ボルクを振るおうとし……次の瞬間には、その右手が何か動いたかと思えば、ランサーの口から激しく血が吐き出され、地面に踞る。
ランサー!? いや、違う。今はとにかく奴を……
いつの間に……本当にいつの間に現れたのか、ランサーの後ろには髑髏の仮面を被り、ボロ布を纏い、包帯を巻いている怪しげな存在が姿を現していた。
「ギ……ワタシのメン、ラン、さー」
聞き取りにくい程の声で叫ぶその存在に向かい、一気に距離を詰めると拳を振るう。
その一撃を待っていたかのように後方へと跳躍した髑髏の仮面は、何かの動作を行おうとして……
「それ以上、好きにさせると思うか! くたばれ、スライム!」
叫んだ瞬間、俺の隣の空間に穴が空き、そこから銀色の触手が伸びる。
その速度は、まるで俺の怒りを表しているように素早く、真っ直ぐに髑髏仮面へと向かう。
それを迎え撃つべく黒い短剣を幾度となく投擲する髑髏仮面だが、スライムを相手にそんな事でどうにか出来る筈もない。
自分に当たる短剣を吸収しつつ、スライムは真っ直ぐに髑髏仮面へと向かって伸びていき、それを危険に思ったらしい髑髏仮面が後方へと大きく跳躍して逃げようとし……その瞬間、スライムは俺の意思通りに大きく、まるで投網のように空中で広がり、髑髏仮面の周囲を覆い尽くす。
髑髏の仮面は跳躍したものの、それは結局自分からスライムに突っ込んで行くという事になり……次の瞬間には、髑髏仮面は見事なまでにスライムによって覆い隠されていた。
「死ね!」
その短い一言と共に、スライムに髑髏仮面を吸収させ……
ドクンッ、と。
念動力の知らせる危険ではなく、俺の中で何かが蠢くのを感じる。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。
脈動する何かが、俺の身体を覆い尽くし、そうして同時に俺の中へと戻っていく。
そんな不思議な感触を感じながら、その場に踞る。
「アークエネミーッ!?」
凛の声が聞こえてくるが、今はそれに答える事が出来ず、ただひたすらに身体の中にある感覚を抑え込む事だけに意識を集中する。
そうして……そのまま数分が過ぎ、やがて俺の中で暴れ回っていた何かが完全に俺という存在に吸収され……
「思い出した……」
俺は、全てを思い出した。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:390
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1407
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1187
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