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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1158話

 穂群原学園へとやってきた俺達……具体的には戦う人物として俺とランサー、それと見届け人というか、ランサーの能力を測るという意味も含めて観客的な意味で凛、純粋な観客という意味で綾子の、合計4人。何だかんだで全員だった。
 穂群原学園は、確かに凛の言う通り夜の見張りもおらず、それどころか立ち入り禁止のテープとかも貼ってなかった。
 普通に中に入れるようになっている辺り、警察の上の方も教会とやらから色々と言われてるんだろう。
 実際、この学校には凛、衛宮、葛木、ワカメ――正確には桜とかいう女――と合計4人もマスターがいた訳で、聖杯戦争で召喚されるクラスが7つである以上、過半数のマスターが穂群原学園の関係者だった訳だし。
 つーか、こんな状態で学校には自分以外のマスターはいないわ! とか自信満々に言い切っていた凛って……
 校門を通り過ぎ、グラウンドへと向かいながらふとそんな風に思っていると、不意に足を思い切り踏まれる。
 その犯人は、2月の夜だというのに健康的な太股を見せつけるようなミニスカート姿の凛だ。

「痛っ、いきなり何をするんだよ?」
「あんたが馬鹿な事を考えてるようだったから、つい踏んじゃった。……けど、その様子を見る限りだと満更嘘って訳でもなかったらしいわね」

 どれだけ勘が鋭いんだ? いや、魔術師の勘か? それとも女の勘?

「全く、遠坂とアークは相変わらずだな」

 苦笑を浮かべる綾子だが、実はその手にはアサシンから貰った物干し竿が握られていたりする。
 勿論抜き身のまま持ってきた訳ではなく、布を巻いて長刀だとは分からないようにしてはいるんだが……正直、見る人が見ればすぐにそれが刃物の類だと理解するだろう。
 もし穂群原学園に警察がまだいたら、問答無用で銃刀法違反で捕まったんじゃないだろうか。
 俺が隠し持っているルールブレイカーなら、隠しようもあるんだろうが。
 まぁ、もし本当に警官がいた場合は、凛が魔術で何とかしてくれただろう、きっと。
 そんな風に考えながらも凛とあーだーこーだ言いながら進み続け、やがてグラウンドへ……うん?
 思わず周囲を見回す。

「どうしたのよ、アークエネミー。急に」

 俺の様子を不自然に思ったらしく、不思議そうに尋ねてくる凛。

「いや、何だか見られてるような……? それと、微妙に嫌な予感がする」
『ちょっと、それってもしかして念動力の直感?』

 ランサーに聞かれたくなかったのか、念話で尋ねてくる凛に頷きを返す。

『多分。ただ、そこまで俺の命に関わるような危険じゃない。……誰かが見ているような感覚にしても、視線を感じるって訳じゃなくて直感の方だし』
『けど、誰がそんな真似をするのよ? もう聖杯戦争で残っているのは、私達とランサー、衛宮君達だけよ? けど、衛宮君に使い魔の類を作れるとは思えないし……桜? それとも、実はランサーのマスターがここを見ているとか?』
『さて、どっちだろうな。ただ、念動力で感じる危険は俺の命に対するようなものじゃないのを考えると、多分そこまで重要な問題じゃないんだろうな』
『本当に? こっちの手札を他の相手に見せるのは面白くないわよ?』
『そうは言っても、何だかんだで俺達はこの聖杯戦争で最も多くの戦闘をこなしてきてるんだ。今更戦闘を見せても、大して変わらないと思うけどな』
『……それでも、切り札的なものはなるべく使わないで戦いなさい。で、ランサーからは出来るだけ切り札を引き出すのよ』

 無茶を言う。
 その上で俺にはルールブレイカーを試すという目的もあるんだから、何だかんだでかなり忙しい戦いになりそうだな。

「アーク、頑張ってくれ」
「アークエネミー、頑張りなさい」

 綾子と凛からの応援の言葉を受け、俺は2人をグラウンドの端に残して進む。
 そして、グラウンドの真ん中で赤い槍を構えたランサーと向かい合う。
 ランサーってくらいだから槍を武器とするのも当然だが、あの武器ってみるからに何らかの宝具なんだよな。
 あの宝具が何なのかを知れば、ランサーの正体も分かるんだろうが……

「さて、行くぜ?」
「ああ。こっちも相応に相手をさせて貰おうか。安心しろ。殺しはしないからな」
「へっ、言うな。確かにお前さんは強いかもしれないけど、決して無敵って訳じゃないだろ? 俺を相手にそう勝てるとは思うなよ」

 手にした槍を、まるでバトンのようにクルクルと回しながら告げるランサー。 
 確かにその手つきはランサーというクラス名を得るだけあって全く淀みがない。
 長さ2mを超えるだろうその槍を、自由自在操っている。
 ……グラウンドってのは、ランサーにとって有利な場所だったな。
 この広い場所でなら、槍は思う存分に使える。
 もし本気でランサーと戦うのであれば、どこか狭い場所で戦うのが一番だろうな。
 狭い場所なら、格闘をメインにする俺にとっては戦いやすいし。

「行くぜぇっ!」

 その鋭い叫びと共に、一気に地を蹴って俺の方へと向かって間合いを詰めてくるランサー。
 高い敏捷性を持っているだけあって、見る間にこちらとの距離を詰めてくる。
 そうして放たれる連続突き。
 1秒の間に十数回の突きが放たれ、しかもそのことごとくが俺の急所を狙って放たれていた。
 俺の対英雄で能力値は下がっている筈なんだけど、これもまたステータスに表示されない技量って奴か。
 回避されにくい胴体を主に攻撃してくるのを、その場に留まりながら回避する。
 身体を半身にし、槍の柄の部分を横から叩いて軌道を逸らし、といった具合に。
 それでも懲りずに連続して放たれる突き。
 おいおい……

「これが本気の戦いじゃないって、忘れてない……かっ!」

 ランサーが槍を引き戻すのに合わせ、魔力放出を使って一気に距離を詰める。
 元々の俊敏性や素の身体能力だけでかなりの速度を放っていた俺だったが、今はそれに魔力放出というのも加わっている。
 魔力EXであるだけに、その速度は格段の向上を示す。

「ちぃっ! その攻撃に全く当たらない奴が何を言うんだよ!」

 自分が一方的に攻撃していたというのに、次の瞬間には俺が間合いの内側に入っていることに気が付いたのだろう。さっきの突きのお返しにと胴体へと向かって放たれた拳を、ランサーは手元に戻した槍の柄で受け止める。

「ぐぉっ!」

 ギンッという、とてもではないが金属と拳がぶつかったのではない音を派手に鳴らしつつ、ランサーは後方へと大きく吹き飛ばされて……いや、違う。殴った手応えが軽かった。派手に吹き飛ばされたように見えるが、自分から飛んだな。

「俺の拳を受けて、全く被害を出さないとは……やるな」
「へっ、何がやるな、だよ。何だその馬鹿げた力の強さは。相変わらず狂った身体能力してやがる。痛っ、一撃で手が痺れやがった」

 そう告げながら、手の痺れを取る為なのだろう。再びランサーは持っていた槍を振り回す。

「はっ、良く言う」
「そうかい? まぁ、そうかもな」

 お互いに言葉を交わしながら、相手の隙を伺う。
 そんな中、こっちを挑発するようにランサーが口を開く。

「それにしても、素手ってのはどういう事だ? あのスライムだったか? あれも使ってないし、何よりさっき嬢ちゃんから受け取っていた、ルールブレイカーだったか? あれもまだ使ってないように思えるが?」
「そんなに急かすなよ。まだ戦いは始まったばかりだろ? それに、俺の手札だけを見ようってのはどうなんだ? お前も槍を使った普通の攻撃くらいしかしてないじゃないか」
「へっ、どうだかな。それを見たかったら、もう少し俺に付き合って貰おう……かっ!」

 完全に手の痺れが取れたのか、吹き飛ばされた結果俺から距離を取ったランサーが再びこっちとの間合いを詰めるべく近づいてくる。
 そして突き出される穂先。
 先程と全く同じ攻撃に少し呆れながら、それでもこの攻撃を食らえばこっちに大きなダメージが来るのは当然であり、その攻撃を回避する。
 胴体を狙って突き出された突きを左半身を後ろに引く事で回避し……だが、そこからが違っていた。
 本来であればすぐに手元に引き戻し、再び突きを放っただろう。
 だが、何故か突き出された槍の穂先は回避した俺の真横に存在したままであり……
 瞬間、念動力が危険だと教える。
 突き出されたままの槍の穂先が手元に引き戻されるのではなく、その場でピタリと止まり……次の瞬間にはその状態から一気に横薙ぎの一撃へと変わる。
 こちらの脇腹目掛けて振るわれる槍の柄の一撃に、俺が出来たのは咄嗟に左腕を胴体と槍の間に差し入れるだけだった。

「ぐおっ!」

 激しい衝撃を受け、そのまま真横へと吹き飛ばされる。
 空中で体勢を立て直し、足を地面に擦りながら体勢を整える。
 腕は……痛みはあるが、骨が折れたり筋がどうなったりしている訳ではない。
 あるのは純粋な痛みのみであり、これは魔力を使えば回復するのはそう難しくはない。
 左腕で庇った胴体は……あるのは左腕を突き抜けた衝撃による若干の痛みのみ。
 それを理解した時には、既にランサーはこっちに向かって追撃を繰り出すために地を蹴っていた。
 当然だろう。純粋な能力差では向こうに勝ち目はない。そうである以上、こっちの意表を突く必要がある訳で……
 けど、そう簡単にさせるか!

「ぐっ、なに!? ちぃっ! 避け! 刺し穿つ……」

 何やら戸惑いながらも、周辺の魔力を貪欲に吸い取りながら真名解放を……本気か!?

「愛!」
「死棘の槍!」

 俺が精神コマンドを使うのと、ランサーが宝具の真名解放を行うのは殆ど同時だった。
 そうして放たれた宝具による一撃だったが、俺の精神コマンドは魔術の常識すらも覆す。
 振るわれた槍の一撃が俺に命中するよりも前に、愛の効果の1つでもあるひらめきが発動。
 放たれた槍が不思議な何かにより強制的に攻撃を外すのを見ながら、愛の効果の1つでもある加速を使い真っ直ぐにランサーの懐へと入り込む。
 そっちが先に宝具を使ったんだ。なら、恨むなよ!
 懐の中から刀身が歪に曲がった短剣を取り出し、魔力を流しながら真名解放を行う。
 本来なら、担い手のみが可能とする真名解放。
 だが、何故かこの時の俺は、それが出来るという絶対的な確信を得ていた。

「破戒すべき全ての符!」

 同時に振り下ろされたその短剣の切っ先は、愛の中に含まれている必中と熱血の効果もあり、何の抵抗もなくランサーへと突き刺さる。
 同時にランサーの身体……正確にはルールブレイカーが突き刺さった場所を中心にして、赤い光が周囲を眩く照らす。
 そのまま数秒。
 お互いが特に身動きもせずに黙り込む。

「アークエネミーッ! 大丈夫!?」
「アーク!」

 沈黙を破ったのは、今のやり取りを見ていた凛と綾子。
 急いでこっちの方へと向かってくるのを手を出して制止し、ルールブレイカーの刀身を抜きながら、ランサーとゆっくりと距離を取る。

「……お前、今のは一体……宝具の真名解放を、担い手でもないのに使えるってのか……?」

 何故か呆然とした様子で、信じられないと呟くランサー。
 何に驚いているのかは理解出来るが、俺はそれに構わず、ランサーの様子を警戒しながら口を開く。

「命を懸けたやり取りをするとは聞いてなかったが? 俺のルールブレイカーはともかく、お前の刺し穿つ死棘の槍……ゲイ・ボルク……ゲイ・ボルク!? じゃあ、お前の真名は……」
「宝具が有名だってのも悩みどころだな。知名度補正があるとは言っても、ちょっとやり過ぎた。ああ、俺の真名はお前の予想通りクー・フーリンだよ」
「そうか。……まさかそんな有名人が来るとはな」

 まぁ、バーサーカーがヘラクレスだったし、アサシンは佐々木小次郎だったんだ。その辺を思えば、クー・フーリンがいても不思議じゃないか。
 ただ、それよりも問題は……

「それで? 俺の宝具とは違って明らかに殺傷能力の高い宝具を使った言い訳を聞かせて貰おうか」

 その言葉に、クー・フーリン……いや、ランサーは頭をガリガリと掻きながら溜息を吐く。

「今更俺が何を言っても無駄だけどよ、どうやら俺のマスターが何らかの手段でこっちの様子を窺っていたらしい。でもって、ちょうどさっきのタイミングで宝具を使ってお前を確実に仕留めろって令呪でな」
「……令呪、か」

 確かにそれなら可能性は十分にある。
 どうやってこっちの様子を窺っていたのかは分からないが、サーヴァントである以上は令呪を使われれば逆らう事は出来ないだろう。
 もしかして、このグラウンドに来た時から感じていた念動力が知らせてきた危険ってのは、この事か?
 なるほど、確かにどんな効果があるのかは知らないが、ランサーのマスターが俺を殺すつもりで放った一撃だ。
 混沌精霊としての能力である精神コマンドがなければ、恐らく今の俺は死んでいたんだろう。
 そう判断した瞬間、俺は近くで話を聞いていた凛と綾子を背中に庇う。
 令呪というのは全部で3画。今までにランサーが何度令呪を使われたのかは分からないが、凛みたいに今まで使っていなかったという事も考えられる。
 となれば、再びさっきの宝具を使われる可能性がある訳で……それを心配しての行動だったのだが、何故かてランサーはキョトンとした表情を浮かべて俺に視線を向ける。

「何してるんだ?」
「お前のマスターが再度令呪を使わないって保証はないだろ?」
「……何言ってるんだ? お前があのルールブレイカーとかいう宝具を使って、俺と綺礼の契約を切ったんじゃねえか」

 ……は? 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:385
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1186 
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