ポケットモンスター 急がば回れ
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17 ロケットゲームコーナー 2
イエロー「レッド君を見つけたんだ!」
ブルー「レッドが?
あいつもジム戦サボってゲームやってたのね!」
イエロー「違うよ、あそこに入っていったんだ」
立入禁止の看板があり、その向こうに地下へ降りる階段がある。
そこへイエローとピカチュウは入っていく。
イエロー「ブルーは待ってて」
ピカチュウ「ピカ」
ブルー「ちょっとー! あたしも行く!」
そこはゲームコーナーより広く、内線電話やランプの光った機械があり、ただならぬ雰囲気を漂わしている。
壁に新しい爪痕があったり床の焦げ跡から煙が出ていたり、さっきまでポケモンがバトルをしていた様子をうかがわせる。
イエロー「やっぱりレッド君が……」
やがてエレベーターを見つける。
鍵が壊されていてボタンを押して動かすことができる。
イエロー「いちばん下の階が怪しい」
地下4階に黒い服の男がいた。
見覚えのある服だが少し様子が違う。
ブルー「あれは、ロケット団?」
幹部「ようこそ。
私はロケット団の幹部の……まあ、名前などどうでもいい」
イエロー「やっぱりロケット団か」
幹部「君たちの狙いはわかってる。
シルフスコープだろう?」
ブルー「何よそれ」
幹部「とぼけなくてもいい、ポケモンタワーに囚われているフジ老人を助けるためにはシルフスコープが必要だ。
だが残念だったな。
既に赤い帽子の少年が持っていってしまってここには無いのだよ」
ブルー「何言ってんのよこいつ」
イエロー「よくわからないけど2人がかりで倒してしまおう」
幹部「そいつは無理は話だな」
イエロー「なにっ、それはどういう意味だ!?」
幹部「なぜなら私の手持ちは全て瀕死状態だからな。
さっき話した、赤い帽子の少年にやられてしまったのだよ」
イエロー「偉そうに話してる場合じゃないんじゃないですか?」
幹部「ああ……見ず知らずの少年に同情されている。
幹部を任されている身でこんな失態がボスに知れたらクビどころじゃ済まないだろう」
頭を抱えていたが突然立ち上がる。
幹部「怒られるのは怖いから私はロケット団をやめることにした。
だいたい金のためとはいえ悪事を働くのは嫌だったんだ。
というわけで私は愛する家族の待っている家庭に帰らせてもらうよ。さらばだ!」
幹部は穴抜けの紐を使って脱出した。
ブルー「何だったのよ今の」
ピカチュウ「ピカ」
イエロー「レッド君がここにいたのは間違いなさそうだね。
あいつの話によると、ポケモンタワーに行ったのかな。
たしか、誰かを助けるためには汁と酢昆布が必要とか言ってたような……」
ブルー「ポケモンタワーってどこにあるのよ?」
イエロー「シオンタウンだよ。
死んだポケモンの魂を鎮めるために建てられた塔なんだ」
ブルー「もしかしてイエロー……行くの?」
イエロー「うん、レッド君がいるかもしれない」
ブルー「あたしは行かないわよ。そんな怖そうなとこ」
イエロー「そっか、それもそうだね
」
2人とピカチュウはゲームコーナーから出る。
イエロー「じゃあここでお別れだね」
ピカチュウ「ピカ」
イエローとピカチュウは背を向ける。
ブルー「どうしてそんなにレッドにこだわるのよ!」
イエローは少し考えてから答える。
イエロー「何でかな、自分でもよくわからないや」
ブルー「じゃあ、ここまであたしに付き合ってくれたのはどうして?」
イエローは黙っている。
ブルー「トキワでも助けてくれたし、空を飛ぶ秘伝技を使えばわざわざ歩いて旅をする必要も無いし、あんたバッジ全部持ってるんだからさっさとポケモンリーグ行っちゃえばいいじゃない!」
イエロー「ごめんね」
そう言い残してイエローとピカチュウはシオンタウンへ向かった。
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