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緋弾のアリア 転生者はハートネット

作者:ren sagiri
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第1巻……動き出す緋色の運命
  4弾 自己紹介とロリコンと……「ロリコンじゃな(ry」

 
前書き
原作主人公のキンジ登場です……そして、メイドさんはいい! 

 
武偵高の教務科(マスターズ)にもどり、ルームキーを交換してもらって今度こそ帰路に着く……一応帰路だ……多分。

武偵高に戻ったついでに「遠山キンジ」についてを強襲科(アサルト)の生徒に聞いてみたところ……「あいつは凄いやつだった」「どこか普通じゃない奴だった」……などなどと皆が口を揃えて言うのはかなり「デキる」生徒だったと言う。

高校入試ではSランクの成績で入学してから高1の冬に探偵科(インケスタ)に転科してからは著しくランクを下げて今はEランクになっているらしい。
……話を聞いて思ったが、普通に裏があるだろ……遠山キンジには。
まぁ……あの「双剣双銃(カドラ)のアリア」から一度逃げ切ったとも聞いたので「それなりの実力」ではなく「それほどの実力」はあるはずだ。

オレは来た道を走りながらリサに『別の部屋に変わった〜』とメールを送っておく。

颶焔の器の「焔……強化」で身体を強化してさらに「颶……風壁」で向かい風を遮断して常にトップスピードで歩道を疾駆。
信号待ちが嫌なのでビルの壁を蹴って跳躍。
街路樹の頂上を蹴って電柱の上に登ると、電線を伝って空を蹴るように次の電柱に移動していく。

そうして、オレは指示された探偵科(インケスタ)の寮の部屋にやって来た。
ここに来るまでかかった時間は5分もかからなかったのでついた頃はまだ夕日が落ちる前だった。
そして、インターホンを鳴らす。

ピンポーン

間をあけて待つが誰も出てこない、のでもう一度鳴らすかと思っていると中から足音が聞こえてきた。

「誰だよ?」

………………

…………

……

「あのー?なんかようですか?」

「……あ、いや。すまない」

戸を開けて出てきたのは……遠山キンジその人だった。





オレは遠山に事情を説明して部屋に上げてもらった……同情の気遣いには感謝しようと思う。

「すまないな、いきなり押しかけてしまって」

「いや、あんたには同情しておくよ……死ね死ね団(アサルト)の……奴らの気の短さは相変わらずか」

「まさか充てられた部屋が煤だらけの爆破痕、弾痕でボロボロ……部屋として機能していない部屋に当たるとは思ってもみなかったよ」

オレは苦笑しつつ出されたインスタントのコーヒーをすする……が……

「……なんだこれ……?」

飲んだ事のないコーヒーの味に思わず首をかしげる。

「……どうした?」

「これはなんてコーヒーなんだ?」

「いや、ただのインスタントコーヒーだが……飲んだことないのか?」

……なんだかよくわからない味なんだがコーヒーを闇鍋みたいにしたカオスな味だ。

「いや、何分慣れてなくてな……これがインスタントコーヒーか」

オレは一人納得する。いい加減、平民の味にもなれないとな……

「しかし、君が今日の爆弾騒ぎの被害者だったとは……」

「まぁ、な……強襲科(アサルト)のドンパチ、撃ちあいに慣れっちまったからな……この程度の騒ぎはもう慣れっこだ」

遠山って……苦労人だな、ホントに。
それと、アリアのことも聞いてみるか……

「それに、アリアにも目をつけられて困ってるとか?」

「……まぁ、な……」

「災難だったな、ロリコン扱いもされて」

「俺はロリコンじゃねぇぞ!?」

遠い目するくらい憂鬱なのか、と思ったらツッコミが帰ってきた……いい反応だ。

「そう言えば、遠山って……兄弟いるのか?」

「……なんでそんなこと聞くんだ?」

……遠山の空気が変わったな……やっぱり何かあったか

「実はあの冬……オレは遠山金一武偵に助けられたからな……」

「兄さんを知ってるのか!?」

「……まぁな。アンリベール号に乗ってたんだよ……乗客として」

オレは遠山にあの日のことを……伊・Uのことは伝えないように気をつけながら一応、俺の知る情報を与えておく。

「だから、カナさん……いや、金一さんは生きてるよ」

「そうか……兄さんは生きてるのか……」

「会いに来れない事情でもあるのかもな……あの日以来、彼には会ってないから詳しいことはわからないがな」

オレはぼかすように話を切る。これ以上遠山をこっち側に引き込むわけにもいけない。
……この国で伊・Uを知ってるやつは「抹消される」からな……アリアのパートナー候補をうっかり消すわけにもいかん。

さて、そろそろリサが着くはずだが……買い出しを頼んだからやっぱり時間がかかるのか。

ピンポーン……

「遠山、誰か来たぞ?」

「……居留守使うわ……何か安心したらどっと疲れた」

ピンポンピンポーン

……しかし、遠山の自転車に爆弾を仕掛けたのは一体誰なんだろうな……

ピポピポピポピポピピピピピピンポーン!ピポピポピンポーン!

……インターホンの爆押しに耐えかねた遠山が

「あーもう、うっせぇな!」

重い足取りで立ち上がり、ドアに向かって歩いて行った。
そこで止まってドアの向こうの誰かとやりとりしているが……誰なんだ?

「まて、勝手に入るな!」

叫ぶ遠山……その手が掴もうとしたのはアリアだった。

「トランクを中に運んどきなさい!ねぇ、トイレどこ?」

「トイレはそこだ」

とオレが言うとアリアが「ありがと」と言ってトイレに入っていった。
そして、トイレから出てきたアリアは……

「って、ハヤト!?なんでここにいんのよ?」

「充てられるはずの部屋に問題があってな……」

俺が事情を説明するとアリアは同情にも似た視線でオレを一瞥する。

「なるほどね。あと、キンジ。あたしのことはアリアでいいわ」

アリアはリビングで寛ぐオレを尻目に部屋を見渡す。

遠山はトランプ柄のトランクを玄関に引きずり込んでいた……何が入ってんだよ、アレ。

「あんた、一人部屋なの?」

「……話聞いてたのか?」

俺のツッコミはスルーでアリアは「まぁいいわ」と言う……どこがまぁいいんだよ、アリアさん?
夕日の差し込むリビングを背にアリアがキンジに振り返る……長いツインテールがアリアを追うように動いて夕日を反射。
煌めくように輝き……そして、キンジにとんでもないことを言い出した。

「―――キンジ。あんた、あたしのドレイになりなさい!」

……

…………

………………

「本気で言ってんのか、アリア?」

思わず一言。

「当たり前でしょ!」

アリアの言葉を一言で言えば……ありえん。

そりゃ冗談で言っているのであればお笑い事で済ませることはできるぞ?
しかし「パートナー」ならまだしも、ドレイときましたか……

「ほら!さっさと飲み物くらい出しなさいよ!無礼なやつね!」

……いかん、アリアのご機嫌メーターが不機嫌に偏って行っている。

ピンポーン……

また誰か来た……

と言うのは冗談だ……いいタイミングに来てくれた。

「えっと、ちょっと待てアリア。うちのメイドに用意させるから……いつものエスプレッソ・ルンゴ・ドッピオだろ?」

「……砂糖はカンナよ!」

オレのメイドさんの出番だな。





キンジが意外とすんなりリサを入れてくれたのは嬉しい誤算だった。
つか、メイドって存在を生で見たことがないとか……
ちなみに、アリアご所望のコーヒーは……
オレの絶界内の在庫がもうなくなると思っていた高級豆を泣く泣く、全部持っていかれました……キビ糖も在庫切れだよちくしょう!
まぁ、俺も最後の一杯は飲めたからよしとするが。

で、やっぱりリサは恐ろしいほどに有能だった。

アリアのわがままにも笑顔で応えてるし……本当にメイドさんの鑑だよまったく。

で、オレは現在……リサと一緒に夕飯の支度をしている最中だ。
キンジ(名前で呼ばせてもらう許可をもらった)とアリアの会談を手助けするつもりなので、オレの手料理を振舞うことにした。
リサに買い出しを頼んだのはそれが理由だ。

今回振舞おうと思っているのは……アリアの好物の一つ。ハンバーグである。
主食は欧米式のパンにした……ガーリックフランスだ。
主菜は高品質の日本産の牛、豚、牛脂を混ぜ合わせて作ったハンバーグステーキ。
副菜はバター風味の甘露温野菜。
スープはコーンポタージュスープにした……ドリンクはミネラルウォーターのクリスタルガリバーだ。

なお、デザートはももまんかプリンである。

……なに?ナゼ料理ができるだって?

……伊・Uにいた頃は自分で身の回りのことをしたからな……自分で料理も出来ないと不自由だったんだよ!

……誰に俺は切れてんだろうな……虚しいからやめだ、やめ。
で、アリアとキンジは互いに探り合うように話し込んでいる……
アリアはキンジをパートナーにしようとしている。
キンジはアリアを遠ざけようとしている。

二人の話は平行線、堂々巡り。

なので、第三者の俺が二人に提案を出した。

「二人で任務(クエスト)を協力して達成するのはどうか……」と提案してみた。

結局、キンジが乗り気でなかったので無理強いはしないつもりだったの……で、問題はないはずだ……多分。

「ハヤト、リサ。ごちそうさま」

「ごちそうさん。意外とうまかったぞ」

「よかったです!リサも頑張った甲斐がありました!」

「あいよ、で……話はまとめれそうか?」

『…………』

……無理だったか。

「キンジ、アリア。無理に組めとは言わない。でも、相性は見ておいて損はないぞ?」

「……」

キンジは黙り込んだ、そしてアリアは台所に逃げ込んだ。

やれやれ、ほんとどうなるんだろうな……

「キンジとアリアを頑張ってくっつけてみましょう」作戦……第1弾は失敗だな。

で、アリアからチャリジャックの全容を聞いてオレは確信した。
なにを確信したって?

…………キンジがロリコンだってことだよ。

とまあ、冗談はこの辺にしとこうと思う。

……明日から作戦の練りなおしだなと、心機一転して台所での後片付けをリサとともに開始する俺たちだった。

(続く) 
 

 
後書き
さて、今回は日常編にしました……日常?

感想もらえたらモチベーション上がります。
批判もあってもいいのですが……

ではこの辺で失礼します!

次のお話でお会いしましょう! 
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