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逆襲のアムロ

作者:norakuro2015
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8話 ガルマ大返し 11.10

 
前書き
仕事終わりにさらさらっと書いているのですが、ちょっとハイペースです(笑)
もう少しスピードを落としたいです。 

 
* グランドキャニオン 谷底 11.10 0:10


シャアとアムロは互いに近場の岩に座り込み話をしていた。


「アムロ君。君のその変わった雰囲気は自分でも自覚があるのかい?」

「そうですね。少なくとも他のひとよりは稀有な人生を送っていますから。貴方にもいろいろアドバイスができます」

「ほう、初対面の私にアドバイスとは・・・興味深いな」

シャアはヘルメットを外し、マスク姿になっていた。アムロも同じくヘルメットを外していた。

「はい。貴方は有名過ぎるほど、そしてオレたちには脅威なので。シャアさんは何か最近思い悩むこととかありますか?」

シャアはアムロからの質問に腕を組み考えた。

「そうだな。私的なことは抜きにしてこの戦争の在り方かな」

「戦争の在り方ですか・・・」

「そう。私の父は思想家だった。この年になって昔とはその色々見えてくるものが違ってきていてね。勿論意識も変わってきていると思っている」


シャアは崖下より微かに見える星空を眺めた。


「そして、更に年を重ねればまた違ったものを見るようになるだろう。徐々にだが、人生についても考えていきたいとは思う」

「そうですか。貴方には信頼できる仲間はいますか?」

「信頼か・・・そうだな。よく考えれば頼るということを軽視していると自覚はあるな」

アムロはここぞと思い畳みかけた。

「きっと何でも自分で済ますことがスタイルだとお思いでしょう。オレには信頼できる仲間がいます。彼らならきっと協力し合いこの戦争を潜り抜けられると思っています」

「そうか。君はいい友人をお持ちのようだ。私とは確かにスタイルが違う」

「シャアさんも人情味溢れた純粋な心を持っていると思います。自分一人で抱え込むことはひいては周りの負担を自分一人で背負い込むということです。全てをご自身の責務だと思わないことが大切です。きっと今もオレの仲間やシャアさんの仲間がオレたちを探しているはずです」


シャアは高らかに笑った。


「ハハ八ッ・・・そうだな。くれぐれも君たちの部隊が私の部下たちを全滅させてないことを祈るよ」


アムロは確かにと思った。アムロやシロッコが鍛えたパイロットたちである。並大抵の練度とは訳が違う。シャアは話続けた。


「確かにな。いささか頑張りすぎていたかもしれん。生きて帰ったら君の言う通り人に頼ることにしよう。人ひとりでは限界がある。自他問わず期待も求めすぎても良くはないな」

3時間は過ぎたであろう。シャアとアムロは互いの通信機器へ連絡が入った。

「アムロ!聞こえるなら返事をして」

セイラの声だった。アムロは今いる崖下の座標を通信で伝えた。

「中佐!どこにいらっしゃいますか!」

シャアはデニムの通信を拾うことに成功していた。
そして、互いに話を切り上げた。シャアはアムロに礼を述べた。

「アムロ君。有意義な時間を有難う。再び敵同士で相見えるだろう。それまで壮健でな」

そう言って、シャアはデニムとの合流ポイントへ走り去っていった。
アムロはシャアへの話が果たして上手くいったのかと自問自答していた。



* ウィスコンシン ジオン軍前線基地 11.11 10:10


ガルマを始めとするジオンの将校が揃い、ガウとドップ、マゼラアタックと大軍を擁していた。
ガルマは全軍に通達した。

「大軍に確固たる用兵は必要とせず、ただ敵の疲労のみを蓄積させ前線を再びノースダゴタまで押し戻してやれ!」

ジオン兵はその号令に高揚した。
作戦は至って単調だった。無数のマゼラアタックを平行に並べ、その上空をドップとガウが制していた。

連邦もジム改とコアブースターを主体に正面より迎撃した。
勝敗のカギは空戦にあった。コアブースターの総数を凌駕するドップの大部隊が制空権をガッチリ握ると、ジム改の射程では届かないガウがジム改に対して爆撃を行う。仕上げにマゼラアタックの追撃により、連邦のウィスコンシン東部からの後退余儀なくされた。


* ミネソタ西部 連邦軍駐屯地 18:30


連邦軍司令ダグラス中将は再び難題にぶつかった。
ガルマの圧倒的な物量による進撃が一時ミネソタ、ウィスコンシン全土の勢力圏を一気にノースダゴタ境まで軍の後退していた。

モビルスーツのアメリカでの量産体制がキャルフォルニアの工場の稼働により可能になっていたが、先のジオンの奇襲作戦とザクの壁とガウの雨により、一定の機体供給量が前線の需要に応えきれていなかった。

そこでのガルマの戦車や航空部隊という旧式戦力の圧倒的物量による正攻法はいかなる奇計も用いることがままならなかった。


「ガルマが出てきたか。討ち取る好機ではあるが、攻め方が古典的過ぎて隙が無い。さてどうするか・・・」


ダグラスはテネス、ウォルフ、キッシンガムがブリーフィングへ招集した。


「諸君らに集まっていただいたのはガルマを討ち取るためである」

3人はどよめいた。ダグラスは話を続けた。

「奴は非常に古典的なやり方で来ている。それで我が部隊もそれに倣う」

ダグラスは副官に3人へそれぞれ作戦内容の書面を渡した。

「お前たちにはこれより南下してもらい、サウスダゴタからアイオワ、ウィスコンシンへ進撃してもらいたい。ザクの壁とガウの雨を潜り抜けながらだ。そしてガルマがミネソタへ進軍するその後背で奴らの補給路を断つ。以上だ」

持久戦だということを3人は理解した。敵の総数が今回が多すぎる故に正面からは挑めない、後背からも困難。それなら燃料切れを狙うという戦法だった。しかし不安を思えテネスが代表で質問をした。

「将軍の部隊が我らが抜けて前線の維持が可能でしょうか?本隊が敗北してしまった場合小官らの動きが無為になってしまいます」

ダグラスは質問に回答した。

「やむなし。後方に下げているビック・トレーを使う。アレがそれなりに進軍の足止めになるだろう。事態は急を要する。グレイファントム隊にもアメリカ中央部の奇襲部隊の殲滅を命令してある。その隙に貴官らならば容易く回り込めるだろう。上手くいけばグレイファントム隊がこちらの本隊の支援に間に合う」

「そうですか。了解であります」

テネス達は敬礼をし各部隊へ戻っていった。
その途中テネスはウォルフとキッシンガムに声を掛けた。

「なあ。将軍自ら囮になるとは尋常ではない。どう思う、ウォルフ、キッシンガム」

色黒で青い髪と端麗な顔つきなウォルフが答えた。

「そうだな。将軍は常に死地に心を置いているようだ」

金色短髪の白人青年のキッシンガムもダグラスとの付き合いが長い分、代弁して答えた。

「将軍は前線に兵士をおいて自ら安全な場所にいるということを好まない気質でな。故に闘将と呼ばれその姿は兵士たちの心の拠り所になっている。まあ司令官としてはちょっと不向きかもな」

そうかとテネスが答えた。

「まあ、頼りになる大将というものはいいものだな。ああいうひとには生き残ってもらいたいものだ。オレたちが全力を尽くし期待に応えねば・・・」

テネスの言葉に2人とも頷いた。


* コロラド上空 グレイファントム 11.11 13:00


ダグラス司令の命を受け、ブライトたちは奇襲部隊の処理のためカンザスへ移動していた。
その航路思いもかけない戦果を挙げることができた。北上してきた奇襲部隊を撃退したことであった。
司令部にも報告し、その報告を聞いたダグラスは満足していた。

ブライトは艦橋の艦長席に座り各々の報告を聞いては指示を出していた。
すぐそばにアムロとシロッコを始めとしたパイロットたちが屯していた。

カイがセイラにコーヒーを差し入れていた。


「よう、セイラさん。コーヒーでもいかが」


「あら、ありがと。気が利かない男だと思っていたのに」


「ひどいなあ。こう見えても私は紳士です」


カイは紳士らしく手を前にしてお辞儀をした。
その姿にセイラは笑った。


「フフフ、面白いわ」


「ハハ、やっと笑ったか。セイラさんは結構堅物だと思っていたから」


「まあ、ハッキリ言っては女性にモテないわよ」


「フン、オレの良さを知る女性なんて星の数程いるさ。たまたまここにいなかっただけさ」


カイはふふんと鼻で笑った。そして顎である方向を指した。


「あっちみてみろよ、セイラさん」


セイラがカイが示す方向を見るとハヤトとフラウが管制中で互いに楽しそうに談話していた。


「あらいつの間に。仲睦まじいことね」


セイラは微笑んでそのカップルを見つめていた。カイもそうだなと笑った。


「こんな戦時下なんだ。こういうのもいいものだろう」


カイはコーヒーを飲み干した。
すると、敵接近の警報が鳴った。
フラウは慌ててソナーに見入った。ブライトが叫ぶ。


「管制!どこから来ている」


フラウは的確に位置と数を告げた。


「正面です。今までの戦闘よりガウ級の艦艇およそ5機、周りにドップが50機見受けられます。このままでいくと30分後戦闘に入ります」


ブライトは数の上でこの単艦での戦闘は無謀と判断し、進路を変え戦闘を避けるようにした。
グレイファントムのレーダー管制はガウの倍の能力保有していた。そのためガウの哨戒網に引っかかることはなく無事やり越すことができた。ブライトはほっと胸をなで下ろした。


「なるべく任務以外のことはしないように務めたいものだ」


ブライトはアムロらにそうぼやいた。アムロもそうだなと答え、シロッコも正しい判断だと言った。
シロッコはアムロに声を掛けた。


「アムロ君。私は君のことに期待している。唐突で理解してもらえないかもしれないが、君の示すその先に興味があるのだよ。そこでこの戦争について君はどう思う?」


アムロはシロッコを少し警戒し、その質問に答えた。


「人のできることには限りがあります。身の丈に合わない服を着て何を飾ろうとしても似合わないのです。下手な危険な思想を持ち合わすことなく、ゆっくりと自然に身を任せ、人は世は進化していくべきだと思います」


「ほう。しかし時代はプロパガンダによってジオンという思想が生まれ、このような戦争状態に陥っている。それを君はなんとも思わないのか」


「戦争はよくない。それは万人が思うところで、解決策に用いる場合は歴史的にもいくらでもある。今までもそれを乗り越え教訓に生かし平和を築いてきた歴史もある。荒療治をして破滅した者もたくさんいる。オレが事なかれ主義だと言いたいならばそれでも良いと思っている。」


アムロは一呼吸おいて話を続けた。


「オレはこの時代で変革者になろうとは思わない。軍人はあくまで戦うだけ。世直ししたければ政治家になるがいい、そう思う。それを両方コントロールすると身を滅ぼす。歴史上いい流れになった例がない」


「軍閥政治か。確かにそうだな。世直しをするのは政治家の役目だ」


シロッコは腕を組んで考えた。自分は人より多くの才能に恵まれていると自負をしていた。その才能がこのまま時代に埋もれていく自分を嫌ってアムロの傍にいることを決めた。

アムロはシロッコの勘から時代を変革する何かを持ち合わせている、あるいはきっかけになってくれると告げていた。が、アムロは自分で役目でないと言い切った。

では、アムロではない。しかし、何かが引っかかる。それがわかるまでは見守っていこうそうシロッコは考えた。

シロッコは自身の思想のかたちを未だ決めかねていた。いざとなれば自分は変革者になるかその支援をする覚悟でいた。それまで気長に待つことにした。


「君は大義というものには憧れを抱かないわけだ」


「大義など、危険な妄想だよ」


アムロはあくまで凡人であり、政治の腐敗にしろ大義にしろ特権意識がすべての騒動の元凶であるという考えであった。シロッコはアムロとは共感を得ることはないと認識した。それ以来シロッコは静観しアムロとは他愛のない話のみするようになった。


* カンザス地上 グレイファントム 11.11 22:00 


カンザスのカンザスシテイ傍に着陸し艦の照明をすべて落とし地面のソナー探知のみで敵機を探索していた。フラウは到着後2時間継続して耳を凝らしながらレーダーに見入っていた。


「・・・艦長!いました。編隊で10機。7時の方向距離20km。本艦に平行して通過中」


ブライトが着地に選んだところはザクの壁より30km離れたところだった。朝になればまたジオンの哨戒でガウの雨をまともに喰らうようなところにいた。

ブライトは幸運だと思った。奇襲部隊が正面から来る分には受けて立つがそれが叶わない場合はこうやって探査しなければならない。そしてリミットは夜明けまで。それ以降はまた隣の州の連邦前線基地まで後退しなければならなかった。


「1日でまさか成果が挙がるとはな」


ブライトは安堵した。アムロらパイロットも我慢せず済んだことにほっとしていた。
そしてアムロたちは各モビルスーツに乗り込み、その奇襲部隊を追撃した。アムロはガンダムが先の戦いで修理しているためジム改での出撃だった。

ランバ・ラル隊はドム10機の部隊でコロラドの連邦前線基地へ奇襲のため出撃していた。
斥候のアコーズがランバ・ラルにその先の状況を報告していた。


「大尉。この先も連邦の反応はありません。安全に進めます」


「わかった。いくぞ。今夜も無事に生きて帰るのだ」


ランバ・ラルは今まですべて上手くいっていた奇襲に関して一つも浮かれることなく、むしろ部下たちの引き締めに努めることにより更に奇襲の成功率を上げていた。

その部隊の警戒感は研ぎ澄まされてた。隊の最高峰のコズンが自分の後方に違和感を感じたのである。
そのことをランバ・ラルに報告した。

ランバ・ラルは部下を大いに信頼をしていた。ひとつひとつの他愛のない意見ですら、耳を傾け検討した。そして今回もその意見を取り入れ迎撃の対策をした。

戦場にいるものしかわからない経験上の直感。ランバ・ラルはそのことを重視していた。自身も戦場では自己の判断により生き抜いてきたクチであったからに他ならない。


「コズンの意見を是とする。迎撃する態勢を整える。もし空振りでもそれでよし。当たりなら尚良しだ」


ランバ・ラルは部下に命ずるとドムが散開し物陰に潜み、来襲を想定する敵を待った。
ガイア隊、シャア隊よりも戦果の低いランバ・ラル隊の低さの理由は危機管理の一言に尽きた。


アムロらモビルスーツ隊は想定した遭遇地点に近づきつつあった。しかしこちらも違和感を感じていた。


「静かすぎる。嫌な感じだ」


アムロがそう言うと、シロッコも通信で答えた。


「同感だアムロ君。どうする、敵は居るが・・・」


アムロは悩んだ末、カイとハヤト、ジョン、リュウを後方に置き、シロッコと共に遭遇予定地点に飛び込むことを決めた。


「危険だが、やるしかない」


「虎穴になんとやらだな。了解した」


アムロとシロッコはその地点に飛び込んでいった。
ランバ・ラルは肉眼でアムロたちを捉えると、部隊に命じ集中砲火を浴びせた。

アムロとシロッコはモビルスーツの機動力を最大限に活かし、正面のドムに接近した。
正面のドムのギーンはホバー走行で急速後退した。他のドムもアムロたちを追っていったがその後背からカイ、ハヤトたちが砲撃をしていた。


「アムロたちを全力で援護するぞ!」


リュウが吼え、カイたちも連携してドムに襲い掛かっていた。ランバ・ラル隊はそれでも慌てず対処していた。すると前方のアムロとシロッコの連携がドムを2機撃破していた。


「大尉。前方の2機はきっとエース級だ」


アコーズがランバ・ラルへ進言した。ランバ・ラルは即座に判断を下した。


「よし、撤収するぞ。殿は私が務める!」


「了解!」


ランバ・ラル隊の引き際は見事だった。ランバ・ラルとアコーズの連携による部隊の攪乱により、アムロもシロッコも翻弄され、気づけばドムが視界より、レーダーより消えていた。


「逃したか。已む得まい」


シロッコは悔しんだ。アムロも同じ思いだったが、今まで戦ってきた敵の中では一番手強かった。


「あの連携。あのまま戦っていたらオレらも無事では済まない」


アムロが皆にそう告げるとグレイファントムにいるセイラより通信が入った。


「アムロ少尉、シロッコ中尉、リュウ少尉、カイにハヤト、ジョン。みんな無事ですか」


「ああ無事だセイラさん」


アムロが答えた。セイラは良かったと言い、話を続けた。


「ミネソタにいる本隊より命令が下りました。至急帰還してください」


「了解した」


アムロたちはグレイファントムへ急ぎ帰投した。

グレイファントムはモビルスーツ隊の帰投と同時に緊急発進した。
艦橋へ急ぎ足で到着したアムロは命令についてブライトへ説明を求めた。


「艦長。命令とは」


「ああ。ミネソタでの本隊とガルマの大部隊が交戦した。かなりの激戦だそうだ。じりじりとダグラス司令の軍が押されている。敗色濃厚だそうだ」


ブライトは厳しい表情だった。そして話を続けた。


「しかし、ダグラス司令は別動隊でガルマの補給線を断とうとしているそうだ。あと3日前線が持てば勝てると見込んでいると本隊の見立てだ。それにはこの部隊の応援が必要だということで今ミネソタへ進路を取っている」


「戦闘開始したのはいつの話なんだ」


シロッコも艦橋に到着しており、ブライトに質問した。


「11日の13時からだ。我々の到着は翌12日の10時。戦場は広大な範囲で展開しているそうだ。参加したとしても本隊まで道のりが険しいだろう」


ダグラスの布陣している地図がガルマとの部隊想定配置と共にメインの大型モニターに映し出された。
それにはダグラスの本隊を鶴翼にて半包囲するように進軍するガルマの部隊とそれを守るためかつ交代補充の与力が10,20重と布陣していた。無理に突破を図るとグレイファントムの火力では包囲陣を突破する前に撃沈してしまうだろう。


「なんて分厚い布陣なんだ」


シロッコが呟いた。モニターを眺めた艦橋の皆が愕然とした。確かに敗色濃厚だった。

ガルマという司令官は近代兵器のモビルスーツがジオンの強みという考えよりコストパフォーマンスと合理性ある戦略戦術を考え、昔ながらの兵器をよく利用していた。その柔軟さがダグラスを苦しめていた。


「宇宙空間ならまだしも、重力ある地球ではモビルスーツの俊敏性は優位性にならず。戦車の火力でも10、20機で1機のモビルスーツを集中砲火で倒せる。空爆の方がさらに撃破容易い」


そうガルマは持論で部下たちに言っていた。

ある時、ギレンが地球侵略のためのモビルスーツを宇宙からの輸送するという話をガルマに持ち掛けたがガルマはそれをやんわり断った。

その理由を聞いたギレンは納得し、ガルマが求める必要なもの以外物資を輸送することはなかった。

ブライトは皆にとりあえずの作戦を告げた。


「一枚一枚・・・あの分厚い皮を薄く剥がしていく他ない。明日からはとても根気のいる戦いになりそうだ」


アムロを始めとするクルーが皆頷いた。


* インド ガンジス河畔 とある宿 11.12 20:00


ララァ・スンは本日最後の接客を終えると、部屋を掃除し日課となる星見を河の畔でしていた。
今晩の星はまた違う輝きをしていた。それは本人しかわからないことであった。


「・・・やっと、想いが叶う・・・」


でも、まだその時ではない。その会いたい、想うひとが誰だかは自分でもわからない。
しかし、めぐり会えばきっと理解できる。
その時は必ず訪れる。そうララァは確信していた。


「きっと、そのために私は生を再び受けたんだ・・・再び?」


ララァは自分でもよく理解を超えた何かを感じ、そしてそれについて常に不思議に思っていた。



 
 

 
後書き
アムロとシャアとの初対面はまあこんなもんでしょう。実際初対面の会話なんて何もできません。それにしては話した方だと勝手に思っております。文章中に書かなかったことも本人らは何か話をしているでしょう。 
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