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詩集「棘」

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冬が来たなら春は近づく



心まで冷やすような風
冬の気配が忍び寄る
霧雨に霞む山並みは
秋の色を褪せさせて…

青い空は見えない…
想い…陰ることはないけど
愛しくて…会いたくて…
淋しさだけが舞い上がる…

冬が来たなら春は近づく
遠い君もいつかは近くに…
そっと目を閉じ流れる風に
耳を澄ませば…ほら…
君の声が聞こえてくるよ…


ささやかに注ぐ日溜まりは
暮れ行く秋を偲んでる
つのってく想い染み込ませ
君との刹那(トキ)を思い出す

葉を落とした枝先
じっと…冬を待っている
信じてる…春の夢…
今は眠って堪えてゆく…

冬が来たなら春は近づく
流れる雲 どこまでも気儘に…
そっと見上げた透った空に
目を細めたら…何故か…
君の笑顔が見えてきたよ…

どんなに遠くても「好き」は変わらず
この気持ち捨てて生きれたら
きっと…楽なんだろうけと…

冬が来たなら春は近づく
呟いた言葉は君への…
そっと手を伸ばし照らす光に
手のひらを翳したら…
君の温もり…感じるようで…

冬が来たなら春は近づく
遠い君もいつかは近くに…
そっと目を閉じ流れる風に
耳を澄ませば…ほら…
君の声が聞こえてくるよ…



 
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