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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。

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後から追跡中

 洞窟の中は、石自体が黄色い燐光を放っているので遠くの方まで見渡せる。
 薄く黄色い光がその出っ張った石の部分から均一に出ている物もあれば、透明な水晶の中に球状の光がある物までと色々とある。
 そしてその洞窟の大きさも結構広い。

 僕達が三人で余裕で横に並んで歩けるくらいだ。
 ちなみに、僕を中心として左右にレイアとリリアがいる。
 両手に花という状況である。

 しかも二人共美少女達なわけで……僕はその全ての煩悩を振り払うべく、魔道書を取り出す。
 まだのこの次の問題部分まで僕は読んでいなかったのだ。
 とりあえず色々な物を知っておかないとと思って言うとそこでリリアが、

「“魔法結晶石”の元って、まだあるの? さっきから作っていないようだけれど」
「実は使っていた物は全部作っちゃって」

 途中の露店でも少し購入したが先ほど使ってしまったのだ。
 なので文字通り練習できるわけでもなくただその魔道書を僕は現在読んでいるだけだったりするのだが、そこでレイアが小さく声を上げた。

「あ、そうですね。そういえば話していませんでした」
「? 何が?」

 僕がそう問いかけると、レイアが珍しく気まずそうな顔をしている。
 珍しい表情だけれど、そんな顔も可愛いななんて僕が思っているとレイアが、

「実は、ここの洞窟の石は、“魔法結晶石”の元となる石ころなのです」
「……つまりその分、ここで集めていくと購入費用が安くすむと」
「はい」

 頷くレイアに、僕も真剣に頷く。
 それを見ていたリリアが、

「うーん、何だか会話が予想と違っていたけれど、いいか。というわけで適当にちょっと拾っといた方が良いかもね」

 そんな気楽そうなリリアに僕は、

「そんなゆっくりしていていいのかな? エイダさん……あっ、爆音が」

 大きなは快音が少し離れた場所? 反響のせいもあるからだろうけれど聞こえる。
 やはり彼女は先に進んでいるようだ。
 そこでリリアがにやぁ~と笑った。

「こうやって先に行かせれば敵を倒してくれるから」
「えっと、リリア、それって……」
「いいの、何時もいさんでいって途中で倒れているのを回収しているのが私の仕事の様なものだしね」
「そうなのですか」

 リリアとエイダは、随分と仲が良いらしい。
 そういえばまだ聞いていなかったと僕は思いつつ、

「そういえば魔族って何?」

 それに答えたのはレイアだった。

「異界から来たその世界でも個体数の少ないちょっと変わった種族の総称です」
「そうなんだ。あの人達も異世界人なんだ」
「はい、颯太の世界から来たものですから」
「……え?」
「ですのでもしかしたら、吸血鬼という種族を颯太はご存じかも知れませんね」
「え、えっと、血を吸うんですよね?」
「そのとおりです。唯あれは嗜好品としての意味合いが強く、また少量で満足してしまうので……虫に刺されたのと同じような物でしょうか」

 吸血鬼が虫と同じにされてしまった。
 もう少し強くて、エロ目な生物のようなイメージが合ったのだけれど何かが違う。
 そう思いつつ石を拾っているとそこでリリアが、

「そういえば試験な感じの戦闘についてもう少し詳しく教えてもらえないかしら」
「いいですが、そんなに聞いてどうするんですか?」
「実はあの遺跡自体が古い時代のものでね……ちょっと知りたいことがあるの」

 珍しく真面目な顔になりリリアが僕にそう告げたのだった。









 
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