ドリトル先生の水族館
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第九幕その二
「一体」
「まあそれはです」
「よく考えられて下さい」
「そうすればです」
「おわかりになられるかもです」
「何なのかな、とにかくここはデートスポットというのは」
あらためて周り、水族館の中を見回して言った先生でした、
「本当みたいだね」
「はい、そうなんです」
「こうしてです」
「僕達もデートしてますし」
「楽しんでいます」
また笑顔で言った学生さん達でした。
「素敵な場所ですよ」
「色々な生きものが観られますし」
「グッズやぬいぐるみも売ってますし」
「お料理も美味しい」
「本当にいい場所ですよ」
「他の場所でもそうですけれど」
動物園や植物園もというのです。
「デートに最適です」
「カップルでウミガメとかジンベエザメを観るのもいいんですよ」
「そうなんだね、じゃあそのことも宣伝すればね」
先生は学生さん達に言われてこうしたことも言いました。
「余計に人気が出るかな」
「もうかなり人気ですけれど」
「今以上にですね」
「人気が出る」
「そうなるっていうんですね」
「そうなるかもね、とにかくデートもいいことだよ」
先生はご自身のことに気付かないまま学生さん達に暖かい目でお話します。
「日本では昔から恋愛を和歌や物語にしているけれどね」
「源氏物語ですね」
「あのお話にしてもそうですよね」
「光源氏は須磨にいたことがあったけれど」
こうしたこともです、先生は言うのでした。
「今だったらこの水族館にも来たかな」
「問題は誰と、でしょうか」
「あの人もてますから」
「自分でもお声かけますし」
「そうしたことでも凄い人ですよね」
「いや、僕とは全然違うね」
こうも言った先生でした。
「そうしたところは」
「けれど先生も」
「実は、なんですよ」
「学園の女の人に人気ありますよ」
「独身の先生や職員さん達に」
学生さん達は先生が知らない真実をお話しました。
「優しくて礼儀正しい紳士だって」
「親切な人だってことで」
「しかも公平で」
「素敵な人だって言われていますよ」
「ははは、お世辞はいいよ」
笑って答えた先生でした。
「そうしたことを言われることは苦手だから」
「いや、本当にですよ」
「先生人気ありますよ」
「紳士ですから」
「立派な人ってことで」
学生さん達はまだ先生に言うのでした。
「お人柄から」
「凄い人気なんですよ」
「これ本当のことですよ」
「先生好かれてますよ」
「いい人ですから」
「女の人達からも」
「いやいや、いい人というのはね」
先生は温和な笑顔で、です。ここで哲学を出しました。
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