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ドリトル先生の水族館

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第九幕その一

                 第九幕  悪い子達
 先生が動物の皆を連れての水族館での診察は続いていました、この日は休日で先生が診察をしている中で、です。
 先生は水族館の中を歩いているとです、学生さん達に挨拶されました。
「先生おはようございます」
「今日はこちらですか」
「水族館にいらしてるんですね」
「うん、診察でね」
 先生は挨拶を返してから学生さん達に答えました。
「来ているんだ」
「遊びじゃなくて、ですか」
「お仕事ですか」
「それで来られたんですか」
「そうなんだ、それとね」
 先生はさらにお話するのでした。
「その中でダイオウグソクムシ君を観るけれど」
「ああ、あの」
「何も食べないっていう」
「あの生きものですね」
「深海にいるっていう」
「今日も食べていないそうだしね」
 先生は少し残念そうに言いました。
「何時食べるのか」
「そのことはですね」
「話題になってますよね」
「何時食べるのか」
「お腹空いていないのか」
「そうなんだ、ただ深海生物の診察は最後だから」
 水族館の生きもの達を診察して回ってです。
「それからだね」
「じゃあその最後の最後に」
「ダイオウグソクムシへの診察ですね」
「そちらですね」
「そのつもりなんだ。それにしても君達は」
 今お話している学生さん達を見てです、また言った先生でした。
「二人連れが多いけれど」
「はい、僕達デートなんです」
「水族館で」
「ここって学園内のデートスポットの一つなんですよ」
「動物園や植物園もそうですけれど」
「あと博物館、美術館、大学のキャンバス」
「そうしたとこと一緒なんです」
 学園内のデートスポットだというのです。
「だから休日になりますと」
「私達の他にもです」
「デートしてるカップルいますよ」
「他の学校からも来てますよ」
「そうなんだね、じゃあ今度妹にも勧めてみるよ」
 学生さん達の言葉を聞いてです、穏やかな笑みで応えた先生でした。
「ご主人と一緒に。来日した時にどうかってね」
「あの、それはいいですけれど」
「妹さんご夫婦にお勧めするのことは」
「ただ、ですね」
「そこで他に思われません?」
 学生さん達はここで先生に言いました。
「こう、ですね」
「一番大事な人がですよ」
「ここでデートすべきとか」
「そうした風には」
「一番大事な?そういえばトミーも王子も」
 そう言われてです、先生が思い付いたのはこの人達でした。
「そろそろそうしたお年頃かな」
「あの、そうじゃなくて」
「本当に思いませんか?」
「一番大事な人がです」
「先生にとっても」
「ここでデートもすべきだって」
「そう」
 学生さん達はかなり真剣に先生にお話します。
「どうですか?そういう風に」
「考えてみません?」
「そうすればです」
「いいことがあるかも知れないですよ」
「いいこと。何かな」
 先生は学生さん達のお話に腕を組んで首を傾げさせました。 
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