ロックマンX~5つの希望~
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Another7 鋼鉄のマッシモ
前書き
ティアナ島編
ジャンゴーを倒し、総督府を取り戻したエックスとゼロはアリアのメンテナンスを受け、モニタールームに集まっていた。
アリア「ふんふん、成る程ね~。シャドウの腐れ外道に裏切られてルインちゃんは行方不明。そしてエックス君とゼロ君は何とか逃げ出して今ここにって訳ね」
エックス「まあ…そうですね…」
今までの出来事をアリアとアイリスに聞かせていたエックスはアリアの言葉に苦笑していた。
アリア「よし、今すぐシャドウを探そう。私のルインちゃんを痛めつけた腐れ外道はバラバラに解体してメカニロイドのパーツにしてやる」
ゼロ「待て、行くな。」
本気でシャドウを探しに行きかねないアリアをゼロが止めた。
アイリス「ルイン…大丈夫かしら?」
ゼロ「大丈夫だ。あいつが今更あの程度で死ぬものか、あいつは何度死んでも確実に生き返るからな。俺達と同じで」
ソニア[そうだよ!!お母さんはお父さんやゼロやアクセルと同じで例え死んでも何度でも何度でもな・ん・ど・で・も確実に生き返る不死身のレプリロイドなんだからーーーっ!!!!]
スパイダー「なあ、アルさんよ。何度死んでも確実に生き返るってのはレプリロイドの範疇を確実に超えてると思うのは俺だけか?」
アル「う、うむ…」
スパイダーの問いに答えられないアル長官であった。
アル「さて、どうにか基地を取り戻しはしたが…」
ゼロ「基地か…確かに大した設備ではあるが…」
スパイダー「俺達6人だけじゃ、宝の持ち腐れ状態じゃねえの?」
身も蓋もないスパイダーの言葉だが、事実なだけに誰も言い返せない。
アル「そうだ。だからここから北西にあるティアナ島にリベリオンに捕らわれたレジスタンスがいる。」
ゼロ「捕虜収容所…と言ったところか?」
アリア「そこにいるレジスタンスを助け出して、仲間に加えようって考えだね。」
アル「そうだ。特に助け出して欲しいのは、システムオペレータのナナだ。彼女がいればこの基地の機能を復活させることが出来る」
その言葉に待ったをかけるのはスパイダーだ。
スパイダー「ちょっと待った。オペレータならそこのお嬢さんがいるじゃないか。この子じゃ駄目なのかい?」
それに答えたのはアル長官ではなくアイリスだ。
アイリス「ギガンティスの端末は政府の物とは勝手が違うので、補助ならともかく…機能復活までは…」
エックス「アリア博士は?」
アリア「残念だけど私にも無理なんだよエックス君。確かに私は人間として規格外という自覚はあるけど、所詮は人間だしね。やっぱりここは専門家だよ専門家。ナナちゃんを助けないとね」
ソニア[レジスタンスとナナ救出作戦開始だね!!]
エックス「よし、行こう」
エックス達は転送システムに乗り込み、ティアナ島に向かう。
ティアナ島に乗り込んだエックス達は慎重に通路を進んでいく。
スパイダー「それにしてもアルの奴、命令だけして俺達をこき使うつもりだぜ。それもタダで」
エックス「アルは戦略タイプのレプリロイドだからな」
アリア「うんうん、戦略タイプには戦略タイプの戦いがあり、戦闘タイプには戦闘タイプの戦いがあるってことだよ。」
アイリス「実戦はスパイダーさんの方が得意でしょう?」
ゼロ「大体、ただ働きが嫌ならハッキリと言えば…ん?」
本来この場にいていいはずのないアリアとアイリスの姿にゼロは思わず沈黙してしまった。
ゼロ「ちょっと待て…何でお前達が此処にいる!!?早くレジスタンスベースに帰れ!!」
アリア「え~?ちょっと待ってよゼロ君。今回は囚われたレジスタンスを救出しなきゃいけないんだから、人手は必要じゃない?」
エックス「ですがアリア博士にもしものことがあれば…」
アリア「大丈夫だよ。基本的にリベリオンは人間を攻撃しないらしいし。ほら、リベリオンが反乱起こした時、人間被害0じゃん」
ゼロ「運が良かっただけかもしれんだろ。」
アリア「どうかな?まあ、いざとなったらエックス君の力が私を守ってくれるよ」
ライブメタルを見せながら言うアリアに全員が閉口する。
ライブメタルは一部だけとは言え、エックスとゼロのデータが刻まれているだけあって強力なアイテムなのだ。
非戦闘員のアイリスでさえ相当な戦闘力を持つようになるのだから。
アイリス「大丈夫、自分の身は自分で守れるわ」
ゼロ「…分かった。ただし、危険と感じたら帰らせる。いいな?」
アリア「ゼロ君はアイリスちゃんだけ特別扱いして。まあ、仲良いのは良いことだよ。取り敢えずエックス君」
エックス「はい?」
アリア「ソニアちゃんが行方不明になっちゃってる件について」
エックス「え?」
その言葉にエックス達が辺りを見回すとソニアの姿が何処にもない。
スパイダー「もしかしてあのサイバーエルフ。迷子になっちまったんじゃねえの?」
ゼロ「よりにもよって敵地でか…」
頭痛を感じるゼロ。
こういうところは母親似かと呆れてしまう。
ソニア[わ、わ、わ~!!!!]
「侵入者発見!!侵入者発見!!」
先に進んで見つかってしまいプレオンチェイサーに追いかけられている。
ソニア[あ!!?か、壁…どうしよう…]
[侵入者排除!!]
ソニア[こ、来ないでよ!!]
頭を庇いながら縮こまった瞬間であった。
「でりゃああああ!!」
「!!?」
プレオンチェイサーが背後の緑のアーマーを纏った大柄の青年が手に持ったビームランサーで横一文字に両断した。
[あ…]
「ふう…ふう…良かった、間に合って。大丈夫か?」
ソニア[あ、ありがとう]
優しげな口調で言う青年に安心し、礼を言う。
「いや、俺が見つけたのは本当に偶然だったんだよ」
青年がソニアを見つけたのは本当に偶然だった。
ある人物を助けに来たのはいいのだが、慣れない場所で右も左も分からない状況で途方に暮れていたところを偶然プレオンチェイサーに追いかけられていたソニアを発見したのだ。
ソニア[私、ソニア!!あなたは?]
「俺?俺は…マッシモだ!!鋼鉄のマッシモと呼んでくれ!!いや、マッシモでいい…かな?」
ソニア[私に聞かれても…うん、マッシモね。ありがとうマッシモ。ねえ、マッシモは何しにここに来たの?]
マッシモ「ここに…俺の知り合いが囚われているんだ。だから助けに来たんだ。と言ってもどうやって先に進めばいいのか分からないから全く成果は出てないんだけど…」
ソニア[もしかして、リベリオンと敵対してる?]
マッシモ「勿論だ。俺の知り合いを捕らえたのはリベリオンだ。そんな奴らに従う理由はない(怖いのもあるけど)」
ソニア[そっか…ならお父さん達と一緒に戦ってよ!!]
マッシモ「お父さん?」
エックス「ソニア!!」
騒動を聞きつけたエックス達が駆け寄った。
マッシモ「あれが君の父親かい?」
ソニア[そうだよ!!]
ゼロ「何をしてるんだお前は?」
ソニア[ごめんなさい、プレオンに追い掛けられて、マッシモが助けてくれたの]
エックス「マッシモ?」
エックス達の視線がマッシモに集中する。
集中する視線に思わずたじろぐマッシモ。
スパイダー「マッシモって、ギガンティスの勇者マッシモか?」
ゼロ「(ただ者ではなさそうだが、何だこの臆病そうな態度は?)」
優れた戦士の勘でマッシモの実力を見抜くゼロ。
確かに実力は勇者と呼ばれるに相応しいかもしれないが、この臆病そうな態度はなんだろう。
アリア「マッシモ君は何でここにいるのかな~?」
マッシモ「え?あ、ああ、決まっているだろうここに囚われている知り合いと仲間を助けるためだ!!」
アリア「成る程ね~、目的は同じなわけだ。エックス君、彼にも協力してもらおうよ。プレオンを一撃で倒せるようなレプリロイドなんて滅多にいないし」
エックス「えっと…俺は構いませんが?」
娘を助けてくれたマッシモはエックスにとって好人物に見えたのか、普通に受け入れている。
アリア「んじゃ、決まり~!!」
スパイダー「おい、いいのかよゼロ?」
ゼロ「エックス達が決めたのなら決定事項だ。諦めろ、それに今は人手が欲しい時だろ」
こうなったら何度言っても聞かないからゼロは既に諦めの境地に達している。
そしてマッシモを仲間に加えた一行は先へと進む。
エックス「っ…みんな、敵だ!!」
プレオンチェイサーとガルプファーが出現する。
全員が武器を構えた。
マッシモ「俺に任せろ!!おりゃああああ!!」
プレオンチェイサーを容易く縦一文字に両断するマッシモ。
エックス「す、凄いパワーだ!!パワーならゼロに匹敵…ん?」
パワーが入りすぎたのか、床に亀裂が入り、浸水した。
アイリス「か、海水が!!」
アリア「エックス君、アイスショット!!早く!!」
エックス「は、はい!!」
エックスとアリアがアイスショットを放って海水を凍らせることで事なきを得た。
ゼロ「やはりここでは全力で戦えんな。」
スパイダー「だな、俺のカードボムはともかく、あんたらは光学兵器だからな。武器の出力落としとけよ」
エックス達は即座に武器の出力を落とす。
これで少なくとも穴が空くことはないはず。
マッシモ「………」
アリア「まあ、ここでの光学兵器の使用は禁物だと分かったんだし、結果オーライ。ね?」
マッシモ「フォローありがとう……」
時折現れるメカニロイドやプレオンを返り討ちにしながらデプス4海底プリズン・メインゲートに入った一行は、警備であるドーベルワンとビッグモンキーを発見した。
アリア「うん、ここなら出力を最大にしながらでも大丈夫そう。ビッグモンキーは重装甲タイプだから……マッシモ君、何か一気に殲滅出来そうなのある?」
マッシモ「あ、ああ…あるには…あるけど…」
アリア「なら決まりだね、ビッグモンキーにそれをぶちかましてやりなさい。行っくよ!!」
アイリス「アリア博士!!」
ゼロ「あの馬鹿神が…」
アリアと共に警備兵に突撃するゼロ達。
エックス「俺達も続くぞ!!」
スパイダー「へいへい」
エックス達も警備兵に突撃していく。
マッシモ「よし…エネルギーチャージ開始!!行くぞお!!」
背部の翼にエネルギーが収束されていく。
アリア「ゼロ君、ビッグモンキーの体勢を!!」
ゼロ「零式波動斬!!」
セイバーを地面に突き立て、それによって生じた衝撃波でビッグモンキーの体勢を崩した。
アリア「今だよマッシモ君!!」
マッシモ「ベルセルクチャージ!!発射!!」
高出力のレーザーがビッグモンキーの装甲を貫いて、粉砕した。
スパイダー「ヒュ~♪大した威力じゃないか」
ベルセルクチャージの破壊力に思わず口笛を吹くスパイダー。
マッシモ「ふっはははは!!どうだ、師匠直伝の技は!!」
ゼロ「師匠?」
マッシモ「あ、いや…何でもない…」
ゼロが疑問符を浮かべていたが、即座に誤魔化すマッシモ。
アリア「それじゃあ、エックス君とマッシモ君とゼロ君とソニアちゃんがイーストブロック。私とスパイダー君とアイリスちゃんがウエストブロック。それぞれのブロックにいるレジスタンスのメンバーを助けるよ」
エックス「了解しました」
エックス達が二手に分かれて、囚われたレジスタンスの捕虜達を解放していく。
そして解放したレジスタンスをソニアに任せて、エックス達はレジスタンスのメンバーを助けた際に得た情報を言う。
アリア「レジスタンスのメンバーに化けたドーベルワンの情報によると、ナナちゃんはもっと下のダークルームの方で強制労働させられてるらしいね。で、先に行くためのカードキーがこれ。エックス君、持ってて」
エックス「はい…」
アリアからカードキーを受け取り、エックス達はナナを救出するためにダークルームを目指す。
そしてリフトで下の階に行くと、どんどん暗くなっていく。
アリア「うっわあ、暗~」
エックス「アリア博士。足元に気をつけて下さい」
アリア「大丈夫、ライブメタルの光が電灯代わりになるから」
スパイダー「これくらいで行動に支障が出るから人間は不便だよな」
エックス「スパイダー。それはアリア博士に対する侮辱か?」
ゼロ「落ち着けエックス。今は仲間割れを起こしている場合じゃないだろう…エックス、セカンドアーマーのエネルギートレイサーでナナの位置が分からないか?」
エックス「無理だ。サードアーマーのフィールドレーダーじゃないと」
セカンドアーマーのエネルギートレイサーは戦闘向きの物であり、広範囲のエネルギーを探知するとなるとサードアーマーでないと不可能だ。
アリア「なら、私がサードアーマーを引き出してあげようか?」
アイリス「え?」
ゼロ「出来るのか?」
アリア「当たり前~。Xハートを精製したのは私なんだよ?セカンドアーマーを引き出せた今のエックス君なら、Xハートの出力を上げても大丈夫だね。流石に完全版であるハイパーサードアーマーは無理だけど」
エックスからXハートを受け取り、Xハートの出力を上げ、サードアーマーを解放した。
ゼロ「頼んだぞエックス」
エックス「じゃあ、やってみよう。ハイパーモード・サードアーマー!!」
サードアーマーを身に纏うと、すぐさまサードアーマーのフィールドレーダーでこの収容所を把握していく。
エックス「みんな、ついて来てくれ」
マッシモ「大丈夫なのか?」
ゼロ「ああ、サードアーマーのフィールドレーダーの性能は半端じゃないからな。サードアーマーを装着している今のあいつに把握出来ない場所はない」
アリア「ライト博士がエックス君のために造ったプレゼントだからね~。半端な性能じゃないよ」
サードアーマーのフィールドレーダーの恩恵により、迷うことなくダークルームに辿り着くことが出来た。
アリア「あ、モニターで見たのとそっくり!!」
アイリス「あれがナナさんね!!」
「ん…?侵入者か!!?お前はマッシモ!!?死に損ないめ、こいつは渡さんぞ!!」
エックス「戦いが長引けば彼女を危険に曝すかもしれない!!サードアーマーのクロスチャージショットで蹴散らす!!みんな、時間を稼いでくれ!!」
セカンドアーマーのギガクラッシュではナナまで巻き込んでしまう可能性があるため、スパイラルクラッシュバスター以上に攻撃範囲が広いクロスチャージショットで殲滅しようと考えたのだ。
ゼロ「任せておけ、零式突破!!」
凍結弾の発射準備に入っていたプレオンポッドに強烈な突きを喰らわせる。
プレオンの重装甲では倒すまでには到らないが、凍結弾発射は阻止出来た。
マッシモ「あのタイプは確か凍結弾を発射するタイプだったっけ…?なら」
スパイダー「発射前に転ばせるんだよ!!フォーチュンカード…フラッシュ!!」
マッシモとスパイダーもプレオンポッドに攻撃を喰らわせて転倒させる。
アリア「ダブルチャージショット!!」
アイリス「チャージセイバー!!」
ロックオンしたアリアとアイリスはプレオンスパークを相手にしていた。
エックス「みんな、下がるんだ!!クロスチャージショット!!」
サードアーマーは時間差により、ダブルチャージショットとクロスチャージショットに分けることが出来る。
セカンドアーマーの物より威力は劣るが、手数を重視するならダブルチャージショット。
一撃の攻撃力を重視するならクロスチャージショットだ。
クロスチャージショットはプレオン達を簡単に殲滅した。
アリア「流石♪」
エックス「ふう…」
もうサードアーマー無しでも大丈夫だと判断して、ハイパーモード・サードアーマーを解除した。
エックス達は拘束されているレプリロイド…ナナの元に向かうのだった。
後書き
セカンドアーマーとサードアーマーはRPG向きなアーマーな気がする。
特にサードアーマー。
サードアーマーはセカンドアーマーに比べれば弱い弱いと言われがちですけど、ダブルチャージとクロスチャージと使い分けられるし、ダブルチャージは少し間を置かないと効果ないけど、クロスチャージより削れる。
バスター縛りでは雑魚にはクロスチャージ。
ボスにはダブルチャージで挑んだ作者です。
サードアーマー…個人的にフォースアーマーの次に好きなアーマーです。
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