Monster Fusion
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The first season ~人と獣~
第一章 【獣の勇者】
第4狩 《プ●リンとかマカ●フとか、ギルドの偉い人ってとても偉い人には見えないよね。》
前書き
どうも、火蝶 烙です。オリジナルと並行してこちらも投稿やっぱしていくことにしました。私の気まぐれはこれが最後にしたいと思います(汗
それでは、見ていって下さい。
ハイダンの集会所は、木やレンガ、モンスターの骨等の素材で出来ている為かなり丈夫である。そして何より他の集会所に比べ、とてもでかい。上から見ると円に近い形状になっており、その直径は五十メートル程である。それが階層が上がるにつれ小さくなり、最上階である二十階はギルドマスターの部屋しかない。その他の階層は、宿屋だったり飯屋だったりいろいろな用途で使われている。ちなみに、クエストカウンターがあるのは一階の一番広い場所だ。
その縦に伸びる建物の階段を男女二人が上っていた。
「....なんで俺たちがギルドマスターにお呼ばれされてんだよ?何か悪い事したかね?」
「私は何もしてないよ?何かあるとしたら涼ちゃんだね。ここ来る前に何かしたんじゃないの?」
少し不安そうな顔の男、花煽と、いつも通りマイペースな雰囲気の小咲である。
小咲に秋炎の話をした翌日の今日、二人はこの集会所の"ギルドマスター"。簡単に言うと一番偉い人に呼ばれたわけである。
花煽は頭を掻きながら言う。
「いやぁ.....成績優秀のつもりだったんですがね......そういう小咲はどうなの?前のところで何かしたんじゃねぇの?」
花煽は小咲に聞く。すると小咲は笑顔で言った。
「だからなんもしてないって~。前の所はホント楽しかったよ~、受付のみんなとボール遊びしてギルドマスターのヅラとばしたり、鬼ごっこしててぶつかってヅラとばしたり、取り合えずヅラとばしたり.......」
「いや、ヅラとばすしかしてねぇけど!!!??っていうか最後は完全にヅラ外すの狙ってたの!?そのマスターにどんな恨みあったの!?」
何の悪意のないような顔をした小咲に花煽のツッコミがスパークした。しかし、小咲はいたって普通の顔で言う。
「いや?マスター自身に恨みはなくて、マスターのヅラに恨みがあったんだよ?」
「余計に何でだぁアアアアア!!!??どうやったらヅラ単体に恨みが湧くんだよ!!!」
「ウソウソ♪冗談だよ。ヅラとばしたのはわざとじゃないよ、全部謝ったら許してくれたし。」
「よく許してくれたな....」
「うん♪とっても優しいおじいさんだったから。」
小咲は笑顔で答えた。それに一つため息を吐き、疲れた様子で花煽が答えた。
「はぁ...ただでさえこの階段長いのに余計疲れたよ。」
そう、ギルドマスターの部屋は最上階のため、階段しかないこの集会所でギルドマスターに呼ばれることで部屋まで行くことがとても面倒くさいのである。
しかし、ギルドマスターの命令を断れるわけもなくしぶしぶ皆この階段を登ってギルドマスターに会いに行くわけである。
「お互いここに来たばかりだからな。何もやらかしてないと思うんだけどな。」
「まぁ、考えても分からないよ。直接聞いてみないと。」
「そうだな、そうこう言っている間にもう部屋の前だし。」
どの位の時間をかけて階段を上ったか分からないが、やっとの事でふたりはギルドマスターの部屋のドアの前に着いた。
「んじゃ、開けるぞ?」
「うん。」
‘コンッコンッ’
花煽が手の甲でドアをノックする。
「花煽と花澤です。マスターいらしゃいますか?」
「おるよ~入りなさ~い♪」
花煽が呼びかけると中から軽い声で返事が聞こえた。それを聞いて二人はドアを開ける。
「失礼しま~す。」
二人は部屋に足を踏み入れた。ここのマスターの部屋を見たのは初めてである。
特に感動とかいう物はなかったが、「まぁ、流石ギルドマスターの部屋だね。」というくらいの、簡単にいえば小学生が初めて校長室を覗いて、「あ、ソファーあるじゃん。スゲー。」レベルの感想は浮かんできた。
部屋の中央辺りにモンスターの素材で出来たと思われる上質なソファーが向かい合って二脚あり、その向こうの窓際にギルドマスターのデスクがあり、資料だかなんだか分からないが、小難しそうな本が並べられた本棚が壁際に並べられて.....本当に校長室みたいな家具の配置である。
そのデスクにはやはりギルドマスターがいた。
二人が部屋を見まわしていると、マスターは微笑み言った。
「二人ともお疲れさん。とりあえずかけりぃや。」
マスターが二人をソファーにかけるように促す。
花煽はそれに答える。
「ありがとうございます。」
「そんな堅苦しくせんでよかばい?そんな歳離れとるようにも見えんし、友達感覚で話してくれたらいいばい。あ、俺『瑞花 鈴』っちゅう名前やけ。覚えとってくれたら嬉しいね。」
そう、花煽は今回がこの瑞花というマスターと会うのは初めてであった。そして、花煽はマスターといえば髭の生えたような爺さんというイメージが根強かった。しかし、このマスター.....
(マジで若いな。この人。)
花煽にはどう見ても同い年かそれ以下にしか見えなかった。若干、幼さが残る顔のその男の茶髪は短く刈られ、全体的には新人ハンターによくいそうな風貌で今までのマスターの先入観を見事に打ち砕かれた感じである。
だが、一応マスター、一番偉い人なので、花煽は敬語を使う。
「いや、流石に同い年だったとしてもあなたは俺の上司なんで。」
「ありゃ、そんなん俺は気にせんのに~。」
瑞花は唇を尖らせ、冗談めかして落胆したようにみせる。その時花煽は、前のギルドマスターのヅラをとばす等の前科犯である小咲が一切喋ってないことに気づいた。
(あれ?そういえばなんで小咲は黙って......やっぱ緊張してんのかな.....)
花煽は隣に立っているはずの小咲の顔を横目で見ようとした。しかし、花煽が見やったそこには誰もおらず.....
「きゃ~~♪このソファーすっごいフカフカ~♡」
小咲はソファーで飛び跳ねていた。
「ちょ!!おまっ!!えぇぇぇぇええええええ!!!!????なにしてんの小咲さんんんん!!!!!!!」
花煽がメッチャ焦った様子で小咲にツッコむ。だがしかし、やはり小咲はいつもの通りに答える。
「何って....ソファー見たらやることは一つじゃない?」
「それガキの思考回路じゃねぇか!!!確かにこのマスターガキっぽいけど“見た目は子供!!頭脳は大人!!”みたいなあの某探偵みたいなあれなんだよ!!」
花煽がそこまで言った時。
「ホント、気持ちいいよね♪これで飛び跳ねるの♪」
その向かいのソファーで瑞花が同じように飛び跳ねてた。
「見た目も頭もガキだったぁぁあぁぁぁあ!!!!!お前ホントにマスターかよぉぉお!!!?」
「仕方なか。楽しいもんは。ねぇ~小咲?」
「ねぇ~鈴ちゃん?」
「お前らもう意気投合したの!?雷獣もビックリのスピードだよ!!!ってかいい加減にしろよてめぇら!!!こっちはただでさえあんなくそ長い階段上ってきてんのに、こうもボケてもらっちゃツッコミが追い付かねぇよ!!!!」
「お!?やっとため口使った!!」
「あっ!」
瑞花は少し悪い笑顔をみせ言った。しかし、花煽は冷静になっていった。
「.....今の無しで。」
「え~.....せこいな~....涼ちゃんが俺にため口使うようになるまでふざけ続けるばい?」
「いやっ何でですか!?ってか涼ちゃん!?」
「なんでって....チームパーティー組むんやけ、親しみやすいように。」
「はぁ!?パーティー!?まだふざけるんですか!!?こっちは油売ってる暇はないの!!事件は現場で起きてんだよ!!!」
花煽はマスターにツッコミまくる。
しかし、マスターは少し真面目な顔になり言った。
「いやぁ......パーティーを組むって...案外ふざけてないんだけどね。本件に非常に重要にかかわることばい?」
「は?」
花煽は、それを聞いて驚いた。そして確認する。
「...マジですか?」
マスターは、ソファーから立ち上がり、自分のデスクに向かいながら言った。
「ホントだよ?ついでに言えば、君たち二人が同時期にここに異動になった理由もこの件がからんでくるとよ。」
「「えっ!?」」
花煽とソファーから降りた(?)小咲は同時に驚きの声を上げる。
マスターはそれと同時にはしゃいで汚くなった身だしなみを整え、自分のデスクに座りそして言う。
「今ふざけてた俺が言うのもあれだけど、この話はマジでハンター協会の重要なお話だから、真面目に聞いてね?」
「あ、はい。」
二人は、ソファーに腰を掛け、マスターの話を聞く姿勢になる。それを確認して一つ頷き、マスターは話だす。
「それじゃあ、計画名、《ブレイブ》の話を始めようか。」
後書き
はい、とても軽いマスターさんでありますが、ホントはメッチャすごい人なんで楽しみにしていて下さい。
さて、次回は説明ばっかりのつまらない話になるかもしれませんが、重要な回になってくると思いますので、ぜひ見て頂きたいと思います。
それでは、受験のためタダでさえ遅い更新ペースがさらに遅くなる恐れがある火蝶 烙でした。(スイマセン....
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