英雄は誰がために立つ
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Life19 運命 他自分の記憶、第二の転生者
前書き
フハハハハ、最後まで悩んだ結果やっちまった!けど後悔はない!!
人も近寄らない森の中、ある少年が鶏の血を使って大きな魔法陣を描いた。
その少年が魔法陣に向かって片腕を翳してから呪文を紡いでいくと、魔法陣が徐々に光り輝いていく。
呪文の完成が間近になるにつれて世界が鳴り響いて行く。
そして呪文が完成すると、閃光の中から現れたのは赤く立派なマントをはためかせる赤毛の巨躯をした英霊――――ライダーが顕現した。
これは極東のある地域である周期で秘密裏に行われている魔術師たちの大儀式、聖杯戦争で戦い抜くための協力者――――サーヴァントを召喚する工程だった。
ヴィジョンは変わり、赤毛の巨躯と少年魔術師は港の交易場にて他のサーヴァント、セイバーとランサーの一騎打ちにライダーは自慢の戦車で乱入した上に、普通ならば隠す自身の真名をさらりと暴露した後にあろう事か、敵であるサーヴァントたちを勧誘すると言うトチ狂った行動を発揮した。勿論、断られた。
またもヴィジョンが変わる。
それはある民家にて、サーヴァントである筈のライダーが、とあるゲームの絵柄が刻まれている白いTシャツを通信販売を使って購入したことによる騒ぎの一幕であった。
またもヴィジョンが変わる。
ライダー達は、キャスターのねぐらを強襲した。
されどそのねぐらには、凄惨と言う言葉が生易しく聞こえる程の残酷さが敷き詰められていた。
その光景に涙する少年魔術師。最初に脱落したはずのアサシンが複数で少年魔術師を襲う。
それを守るライダー。その場を離れると同時に戦車の雷で残酷な空間を焼き尽くした。
またもヴィジョンが変わる。
セイバー達の下に強襲するライダー。
目的は腹の探り合い。酒を酌み交わしながらの王の宴。
直にアーチャーも現れて問答をする。
セイバーの呪いじみた祈りを、王の形では無いと断ずるライダー。
ライダーを殺す為に無理矢理集められたアサシン達。
自分とは相容れぬ王達に自身の王道を見せるため、敢えて最強宝具を曝した。
魔術師では無いにも拘らず固有結界を使う。
その正体は、生前に何所までも自分に忠義を誓ってくれた朋友であり部下達――――王の軍勢だった。
結果は言うまでも無く圧殺。
そしてライダーは、セイバーに呪いから醒めろと告げてから少年魔術師と共に去る。
またもヴィジョンが変わる。
キャスターの暴挙を止めるため、セイバー、ランサーと共闘する。
最後にセイバーの英霊としての輝きを見るが、痛ましいと嘆くライダー―――――征服王。
またもヴィジョンが変わる。
セイバーとのカーチェイス。
壮絶極まったが僅かな差でセイバーに勝算が上がる。
戦車は失う羽目になったが、何故か見逃された。
その後、決戦前夜と言うべきか、民家の老人と話す少年魔術師。
ライダーの愛馬に跨り決戦の場に向かった先には、アーチャー――――英雄王が降臨して来た。
かの英雄王との決戦故、最初から最強宝具を開放するが、英雄王の最強宝具によって破られてしまった。
最早凱歌は無いと諦めた少年魔術師にライダーは言う。
坊主とは呼ばずに少年魔術師の名で問う。
『臣として余に仕える気はあるか?』
少年は答える。
『あなたこそ僕の王だ。あなたと同じ夢を見させてほしい』
それを認めるライダーは笑いながら最初で最後の命を下す。
死ぬ覚悟を持って聖杯戦争に参加した魔術師に生きろと、小さな顕示欲しか無かった少年に自分の理想の王の姿を語り継げと。
そうして見事であり無謀な最後の疾走をするライダー。
眼前にそびえるは数多の原典。それらの雨を受けてもなお進み続けて往くが、英雄王のもう一つの信頼に値する宝具に阻まれて遂に堕ちる。
しかし英雄王が贈る言葉は敗者への侮蔑では無く、好敵手への称賛であった。
その言葉を耳に入れたと同時に征服王は、口元に笑みを浮かべながら去った。
最後の少年魔術師はアーチャーと対峙するも、王の命令を全うすると弱弱しくだが誇らしく言った彼の言葉を受けた英雄王は、彼の忠道を称賛した後に殺さずにその場を去る。
後に残るは、泣き崩れる少年だけだった。
-Interlude-
「またか・・・」
黒髪長髪の青年は、呟きながら身を起こす。
その青年と今の夢に出てきた少年は非常に似ていた。
あの少年が成長して行けば、この青年の様になるだろう。
その青年は、今日の夢を時折見ていた。
“青年とは全く関係ない夢”を。
この青年がこの夢を見るようになって、何時頃位からか。
そう、アレは今の名を継ぐことになった騒動を切っ掛けにしてからだった。
その騒動を契機にこの夢を見てから、感情移入をしてしまい“彼”に憧れた。
自分であって自分では無い存在なのに、曖昧過ぎて実在するかもわかっていない異世界の自分の話(の可能性)なのに。
自分も同じように彼と同じ夢を見たいと思う様になった。
それと同時に、この騒動は自分にも責任があるんじゃないかと考えう様になった少年は、追放されたわが師の家の立て直しを図る様になり、その当時の末席であった少女にある称号を送られて今はそのようになっていた。
そんな昔の事を思い出している処に、部屋の外からドアを叩くノック音が聞こえて来た。
『拙です。師匠、起きてますか?そろそろ朝食を取って欲しいのですが・・・』
「ん、ああ。今、向かう」
彼を師匠と呼ぶからには弟子なのだろうと思われる人物の返事に応える青年――――ウェイバー・ベルベットは、服装を整えて朝食をとるために部屋を退室した。
-Interlude-
17年前――――。
少年はある異世界のある空間にて、生き残りを掛けたトーナメント制の殺し合いに巻き込まれてたが、頼もしいパートナーたちのお陰で、何とか無事に生き残ることが出来たが、最後に彼が願ったのはこの殺し合いの完全消滅だった。
苦楽を共にしたパートナーたちとも別れて、自身も消滅した――――はずだった。
しかし何故か彼は転生と言う形で別の世界に訪れる結果となった。
その少年は今、ロンドンの町の一角のアパートメントで暮らしていた。
この世界の少年の家系――――岸波家は日本在住の魔法使いの一族であり、魔法の基礎理論を学ぶのであれば早い事に越したことはないとロンドンにある魔術協会の派閥の1つの灰色の魔術師が有する学術塔に入門させられたのだ。
一応寮生塔はあるのだが、何かの手違いで魔術協会からそれなりに近いアパートメントで暮らす事を余儀なくされたのだった。
だが今となっては都合が良くなった。
何故かと言えば少年――――岸波白野の目の前に居る存在の秘匿が、かなり軽減されるからである。
「――――ご馳走様でした」
「お粗末様でしたマスター♡」
目の前の存在は英霊――――キャスターのクラスで何故か自分の下に召喚された、あの日あの世界で別れたはずの玉藻の前――――通称タマモだった。
ロンドンに留学して来てからアパートメントで荷物を降ろしていた所に、何故か勝手に召喚されたのであった。
聖杯戦争にまた巻き込まれてしまったのか、自分が何故転生している事も含めて謎だらけではあるし、いつかは探らなければならないだろうが成ってしまったものは仕方がない。
それに何より、こうしてタマモと再会できたことは心の底から嬉しい事に変わりはなかった。
そんなタマモは今、割烹着姿で自分の食べた朝食の後片付けをしている。
正直言って彼女の割烹着姿は可愛すぎるが、後ろ姿は常軌を逸していた。
何故なら裸エプロンならぬ裸割烹着なのだ。
勿論、白野が強要したわけでは無くタマモ自身の意思でしている。
と言うか、朝起きてから他の服を用意せずにそのまま割烹着を着たためにこうなっているのだった。
此処まで言えば解るだろうがこの2人、既に肌を重ね合った仲なのだった。
大義名ぶ・・・・・・ゲフンゲフン、理由はちゃんと存在する。
突発的な召喚だったため、パスはほとんど碌に繋がっていないし、このままでは即霧散するキャスターとのパスを繋げるだけでは無く強固にするための緊急措置として、やったのだ。
それにしては随分と長い時間の行為に成っていたが・・・。
兎に角2人とも若い・・・・・・・・・・・・?――――――若い2人が一度肌を重ねれば、暫くの間は毎日のように行為に耽るのは何ら不思議では無かった。
まぁ、最近は落ち着いて来たが昨夜は丁度お楽しみだったので、そんな風だったのだ。
これで魔力の循環の心配はなくなったが、彼女を現世に留めるための大量の魔力量の心配が出て来るが、それも無用。
岸波家は、日本どころか世界中から見てもかなりの年月を重ねた魔法使いの一族であるため、多くの代を重ねているので魔力量の心配も無かった。
しかも彼女の限界維持をしながら魔法も使える位の魔力量も有していた。
それと魔力とは別に、白野の体には別の何か――――神器が存在していた。
非生物である何かと何かをかき混ぜて自身の力、或いは誰かに付与する事などが出来る能力。
それに自身の力とする時、身体強化でなければ武器としての形をとるのだが、その形が槍と決められていた。
それ故にこの名前は事象混在の槍と言う呼称らしい。
今までの歴史中に何度か出てきた事はあるが、持ち主は誰も禁手化に至った形跡はないとの事だ。
兎に角、この力と魔法をより高められるように日々、鍛錬と勉強を頑張っていた。
いざという時のために。
この世界は魔法に関係する者達の中で化け物じみた強者が多すぎるのだ。
神も悪魔も肉体を有しているし、元のいた世界ではあまりに常識が違い過ぎた。
来るかもしれないが来ないかもしれない理不尽な力に立ち向かえるように、タマモと共に頑張っていた。
そんな風に考えていると、何時の間にか家事をすべて終えて着替えもばっちり行ったタマモが話しかけて来る。
「御主人様、そろそろお時間なのでは?」
「そうだった。そろそろ出発しよう」
タマモに促されて白野は借り部屋を後にした。
-Interlude-
「如何して黙っていたのかな?」
「・・・・・・・・・・・・」
ロード・エルメロイⅡ世が自身の仕事場にて書類仕事に勤しんでいると、アーチボルド家の真の当主にしてウェイバーにアーチボルド家の代行当主に任じた元凶であり、「ロード・エルメロイⅡ世」の名を贈りつけた当人たるライネス・エルメロイ・アーチゾルデがいつもと同じように優雅な姿勢を崩さずに、何時もの様に不躾にこの部屋の主の了解も得ずに扉を全開にして立っていた。
「レディ。どんな用件だろうと、まずはノックをしてから入室して来てほしいと頼んでいたはずだ――――」
「その様な些事は如何でも良い。何故藤村士郎が訪ねて来るのを黙っていたのかな!?我が敬愛成る兄上殿?」
「敬愛しているのなら、せめてノックを――――」
「それで?もう来たのか、まだ来ていないのか、ちゃっちゃと吐き給えよ。からかい甲斐のある玩具殿?」
「今明らかに、何かおかしい言葉と重なって聞こえたような気がし――――」
「私は只聞いているだけなのだから、答えてくれればよいのだよ?我が敬愛成る『プロフェッサー・カリスマ』こと『マスター・V』こと『グレートビックベン☆ロンドンスター』こと『女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男』こと『絶対領域マジシャン先生』兄上殿?」
「そうか、そうか!君は私の事を馬鹿にしに来たのだな?よく解ったよ・・・!その前に最後のは誰から聞い――――」
「知ってるのか知らないのか、答えればよいのだよ。我が敬愛成る兄上殿?あー最後のであれば天才の忌み子から聞いたのだよ『ライネスちゃん!我らが偉大なる『プロフェッサー・カリスマ』こと『マスター・V』こと『グレートビックベン☆ロンドンスター』こと『女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男』先生の新しい称号を考えたんだよ!それが『絶対領域マジシャン先生』!ね?すごいでしょ?』だそうだ」
「最早隠す気も無く本音を言いやがったな!?それとあの馬鹿は、永遠に卒業させん!!」
その後も暫く不毛な言い争い?が続いた。
-お互いの頭に血が昇っているので冷却中-
「――――そうか。シロウは突然来て何処かに行き、冥界に行くためにまたここに戻ってくるのだな?」
「ああ、そうだ。と言ってもまだ日が昇っていない時に来た様だから、私が直接対応したわけでは無いがね?」
互いにやっと冷静になったので、紅茶などを啜っての話になっていた。
因みに、2人の紅茶を淹れたのはアーチボルド家前代当主の考案した魔術礼装・月霊髄液をロード・エルメロイⅡ世のアドバイスも加えた上でライネスが擬似的な人格付与と機能限定を施しメイドゴーレムとした使用人兼ボディーガードの、トリムマウである。
今も何時もの様に、彼女の影を踏まない位置で待機している。
「時間的にはそろそろ戻ってくると思うが・・・・・・戻ってきたら私の方に一度顔を見せてもらえるように頼んでおいたからな」
「ほう?まさかそれは私のためかな?流石は我が敬愛成る兄上、なかなか嬉しい計らいをしてくれるじゃないか」
ライネスは、何時もの様に邪悪な笑みのまま義理の兄の行動を褒める。
(そうしておかないと、次はどんな無理無茶ぶりが来るか解ったモノじゃないからに決まっているだろう・・・)
対してロード・エルメロイⅡ世は冷や冷やとしていた。
(それにしてもシロウも難儀な奴だな。女難の相があるのは知っているが、まさかエルメロイの姫に目を付けられるとは・・・・・・同情を禁じ得ないな)
「何か言ったかな?兄上殿?」
「いや、何も無い。顔を見せろとは頼んだが、そろそろ出迎えの一つでもしに行こうか。いつも魔術協会の方が世話になっているし、苦労を掛けている身だしな」
女の勘でも働いたのか、ライネスの質問に何でもないふりをしながら誤魔化す意味もあっての提案をした。
しかしその程度の誤魔化しが効くような相手では無い。常の時であればだが。
「そう・・・・・・だな。シロウを出迎えると言うのも、たまには悪くないかな」
ロード・エルメロイⅡ世の提案にシロウにもうすぐ会えるという期待が大きくなったのか、ライネスはその提案に賛成する。頬を僅かに朱に染めながら。
つまるところ、ライネスもまたシロウに誑かされた被害者の1人であった。
シロウが相手でなければ拘わらなければ、ライネスは基本的に魔術師の顔のままである。
シロウと直接会えば、一瞬にして2桁以上の猫の皮を被り、恋をする1人の少女に変貌するのだ。
因みに、ライネスがシロウにゾッコンなのはアーチボルド家では周知の事なのだが、当然最初は反対意見もあったが、ライネスがどのような手を使ったのか、直に消え去り反対していた人間達はライネスに近寄らなくなった。偶然出くわしても何かと理由を付けて、まるで逃げるように直に立ち去って行くようになっていた。
兎も角、ロード・エルメロイⅡ世の提案を採用してシロウを出迎えに行くために、2人と1体は部屋を後にした。
-Interlude-
「――――って事でロード・エルメロイⅡ世のあだ――――称号に、『絶対領域マジシャン先生』が加わったんだよ。凄いだろ?ハクノン!」
白野は今、友人と思われる少年魔術師と共に灰色の魔術師の管理する学術塔に、楽しく話しながら向かっていた。
「凄いかどうかは判らないけど、怒られたろ?」
少年とは違い、白野は半ば呆れ気味に答えた。
因みに、タマモは霊体化でついて来ている。
「む。確かに怒られたけど、先生はツンデレだから怒った言うよりも照れ隠しだと思う。だって俺が一晩中考えに考えた傑作モノの二つ名なんだよ!?それで喜ばれない筈がないだろ!!」
確かにロード・エルメロイⅡ世はツンデレな所もあるが、少なくとも今回は本気の応えだったに違いなかったと白野は思った。
(その前にしょっちゅう怒られてるのに、その自信は何所から来るんだ?)
そんな風に少年――――フラット・エスカルドスに向けて、呆れ気味にも思った。
ところで話が少し変わるが『天才と馬鹿は紙一重』と言う言葉に意味についてもご存じだとは思う。
ならばその2つのカテゴリーを、完全に融合させたらどうなるかの究極形についてはまだまだだが、その現在進行形がフラット・エスカルドスと言う少年魔術師なのだ。
類稀なる魔術回路にそれを制御できるだけの才能と、此処までくれば相当なものだと思えるがフラットの本領は此処からだった。
ハードもソフトもチートにも拘らず、コンピューターには存在しない中心核である“心”が魔術師、魔法使いとしては非常に残念なくらいに小学生並みだった。
それ故、ロード・エルメロイⅡ世以前の講師たちを悉くに胃痛を訴えさせたので、最後の要として今現在に落ち着いていた――――というか、最早どこも引き取ってくれる講師が居なかった。
簡単に言い現わすと『アホの子』で、もう少し言葉を付けだすと『才能だけが異様に有り余っている位に性質が悪いアホの子』である。
一般人としてみれば精神年齢が低いだけの楽しい若者で済むのだが、兎に角残念であった。
そんな調子故、何故か興奮気味に圧倒しながら話を止めないフラットに対して、白野は半分ほど別の事を考えていた。
それを霊体化とはいえ、影を踏まぬ位置で後ろからついて来ていたタマモが白野にだけ伝わる念話で聞く。
『御主人様・・・他の事ですか?』
『え、ん、ああ・・・。タマモとこうして再会できたのだから、この悩みは我儘だと言うのは自覚してるんだが・・・どうにもな』
白野の悩みは、月の聖杯戦争時で自分を支え続けてくれたタマモ以外の残りの3体のサーヴァント。
セイバー――――薔薇の皇帝ネロ・クラディウス。
アーチャー――――刀匠の英霊にして守護者の無銘。
そしてメソポタミア文明のウルクの王。幼き頃は賢王であったが、青年時期から傲慢の王に生きたまま生まれ変わった――――万夫不当の英雄王ギルガメッシュ。
この3体は今如何しているか、タマモの様に再会する機会は二度とないのか、と言うモノだった。
ないもの強請りと言う自覚は有る様だが、タマモと再会できたことでその欲望がい一気に増大してしまったようだった。
『まぁ、居ないモノはいないのだから、こんな風にいつまでもウジウジシテられない。そうじゃないと自分がこうして生きていられるこの現実も踏みにじる様なモノだ』
それに月の聖杯戦争時の全ての関係者への侮辱に繋がるしな、とも自分を叱咤する。
そんな白野の背中を、タマモは黙って見つめ続けた。
そんな時――――。
「あれ?絶対領域マジシャン先生!!?」
少し距離が離れている所に、フラットはロード・エルメロイⅡ世とライネスを視界に入れた瞬間に大きく叫んだ。
勿論聞こえていたようで、ロード・エルメロイⅡ世は冷たい視線と共に憤怒の形相でフラットを睨み付ける。
その光景に、白野はヤレヤレと本日何度目に成るか解らない位に呆れる・・・・・・・・・が、ロード・エルメロイⅡ世達がいる地点を見た瞬間、呆然としながら眼を剥いた。
そこにはロード・エルメロイⅡ世以外には、『エルメロイの姫』ことライネス・エルメロイ・アーチゾルデに使用人兼ボディーガードのトリムマウともう1人がいた。
その人物は標準的なスーツを着た青年と間違われそうな少年だった。
黒縁眼鏡を掛けた銀髪の少年だった。
その後ろ姿に白野は、残りの3体のうちの1体に重ねていた。
それ故に、次の言葉が口から漏れ出ても仕方なかったと言えるだろう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・アー・・・・・・チャー・・・・・・?」
少年たちは、異世界で運命の邂逅をした。
後書き
士郎、一誠に続く第3の主人公みたいなものですね。直には出番を多く出せませんが。
グレートビックベン☆ロンドンスターはUBWの最終回に出てきた頃よりも、確実に若いです。無理矢理若くしました。
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