ソードアート・オンライン死を喰らう者と絶対なる剣士
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4二人のビーター
ビーターそのⅢ
ボスがポリゴンとなって消滅した後、俺とユウキは背中合わせで床に座り込む
「ユウキ……お疲れ」
「ソウも…お疲れ」
ユウキと言葉を交わしてから周りを見ると第一層のボス攻略が終わってみんな、喜んでいた。キリトとアスナは俺らと同じで座り込んでいた。
俺が周りを見よ終えると俺達のところに攻略会議でキバオウに発言したエギルだった。
「お前らすげぇ剣技だったぜ!コングラチュレーション。」
「なんでや!」
皆が歓声を上げてる中で一人だけ納得してない奴がいた。キバオウだ。キバオウの一声で、辺りは静かになった。
「なんでディアベルはんを見殺しにしたんや…!」
「見殺し……?」
「そうや、あんたら知ってたんやろ!あのボスが使った武器のことを!」
キバオウが俺とキリトに向かい、そう言い放った。
キバオウが言い放つと周はりが騒がしくなる
「あいつら多分、元βテスターだ!ボスが使ってた武器を知ってて何も言わなかったんだ!ラストアタックボーナスがほしいがために!汚いぞβテスター!他にもいるんだろう、出てこい!」
キバオウの隊の奴がとどめと言わんばかりに俺とキリトを元ベータテスターと決めつけると周りが他にもいないかとプレイヤー同士で牽制しあう。
後ろでずっと我慢していたアスナとユウキとエギルが口を開いた。
「あなたね……」
「ソウを……」
「おいっお前……」
「「……ククク……ハハハハハハハハハッ!」」
だが三人が話す前に俺とキリトが笑い出す
「「ソウ(君)?」」
ユウキとアスナが少し不安そうに見てくる
「元βテスターだって。 俺達をそんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな。 いいか、良く思い出せよ。 SAOのベータテストはとんでもない倍率の抽選だったんだぜ。 受かった千人の内、本物のMMOゲーマーは何人いたと思う。 ほとんどは、レべリングのやり方も知らないニューピーだったよ。 今のあんたらのほうがまだマシさ」
「でも、俺達はあんな奴らとは違う」
「俺達はベータテスト中に、他の誰も到達できない層まで登った。 ボスの刀スキルを知っていたのは、ずっと上の層で刀を使うモンスターと散々戦ったからだ。 情報屋なんか問題にならないくらいにな」
俺とキリトは黒い笑みを浮かべながら話す
「……なんだよ、それ……。そんなのもう……、ベータテスターどころじゃねえ……。 もうチートだろう、チータだろうそんなもん!」
キバオウが怒鳴ると他のプレイヤー達もそうだ、そうだと言ってくる
「そうだそうだチーターだ。 ベータにチーターで《ビーター》だ」
「「……《ビーター》いい呼び方だな。」」
俺とキリトはメニューのアイテムウィンドウからボスのLAでゲットした真っ黒いコート《コート・オブ・ミットナイト》と真っ黒いフード付きのコート《ローブ・オブ・デスナイト》を装備し、
「「そうだ俺達は《ビーター》だ。これからは元テスター如きと一緒にしないでくれ」」
これで新規プレイヤーの敵意、怒りは俺達《ビーター》に向くはずだ。
俺とキリトはパーティー、ギルドに入る手段を失った。
だが、これで良かったんだ……
「第2層は俺達が有効化しておいてやる。この上の出口から主街区まで少しフィールドを歩くから、もし付いて来るなら。所見のモンスターに殺される覚悟をしとけよ」
とコートを翻して階段を上がり、二層に続く扉を開け、進んだ
◇
「あんたら、アレが……」
「うん、あれが演技だってわかってるよ」
「この先ソウ君達は、茨の道を進む気なの……?」
三人は、ソウとキリトが演技をして、元βテスターへの恨み妬みを引き受けようとしている事に気付いていた。
「アスナ……ボク行くね」
「私も行くわ。ここで行かなくて後悔するもの」
「なら、伝言を頼む」
ユウキ、アスナはエギルから伝言を聞いてから振り向き、人垣を抜けるようにして第二層へ続く扉へ向かって行ったが、その途中野次が飛んだ。
「ど、どこいくんや!?」
「あいつらを追う気か?」
「卑怯なビーターなんか放っておけ!」
ユウキとアスナは振り向き、叫んだ。
「「あなた達の方が卑怯だよ(わ)!二人は助けようとしたのに!なにもできなかったあなた達の方こそ《見殺し》にしてるじゃない!」」
扉の方に振り向き、二人は二層に続く階段を走る
◇
第二層に着いた俺たちは草原となっているフィールドを歩いていく
「ソウまで来ることはなかったのに…」
「それは、お互い様だろ?それに、俺は馴れ合いは嫌いだ」
「よく言う、何時もコンビ組んで居ただろう」
「そう言うのはいいんだよ。嫌いなのは俺の指示についてこれない馴れ合いだ……ベータの時のあのパーティーは楽しかったよ」
ベータのボス戦で俺とキリトは何時も同じパーティーを組んでいた。
俺の師匠の鎌使いの男女コンビ、曲刀を使っていた男、俺とコンビを組んでいた少女と俺達の六人で組んでいた。
「そうだな」
話していると俺達二人が上ってきた階段のドアがギィーと音しながら開く。俺達はなんとなく誰が来ているかわかった
「…………来るな、って言ったのに」
俺がそう呟くと、後ろの二人……ユウキとアスナが答える
「言ってないよ。 死ぬ覚悟があるなら来い、っていったんだよ。それに、ボク言ったよね、なにがあってもソウの隣にいるって」
「私も行くよ。拒否権は無いからね」
俺はため息を吐くしかなかった。
キリトは俺を見ながら苦笑いしていた
「お前らにはデメリットしか無いんだぞ?俺達といればギルドに入れなくなるしパーティーにだって入れなくなる」
「ギルドなら、ソウ君が作ったギルドに入ればいいし、パーティーだってソウ君のパーティーに入ればいいわ」
「メリットしか無いよ、ボク達はもっと強くなれるし、ソウの指示で動けるからね!」
アスナは俺が言ったデメリットをあるようで無いと、ユウキはメリットしか無いと言い出してきた。
それを見たキリトは苦笑いしている
「ソウ、二人の決意は堅いようだし、連れて行ってやれよ」
「そうだな……付いて来るならついてきな」
「「うん(えぇ)!!」」
俺達四人はのんびりフィールドを歩いていった
続く
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