ドリトル先生の水族館
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第七幕その三
「ここの皆もね」
「ストレスは感じていないわよ」
「僕達大きいけれどね」
「この水槽は私達でも充分な広さだから」
「そう、ストレスがね」
そのことがと言う先生でした。
「一番問題なんだよね」
「心のことが?」
「そうなの」
「そうなんだ、水族館でも動物園でもね」
どちらもというのです。
「狭い場所にずっといて外に出られないからね」
「それがなんだ」
「私達にも問題なの」
「縄張り位の広さがあればいいんだ」
それぞれの生きものの、です。
「それならいいけれど」
「ううん、狭いところにずっといたら」
「それだけでよくないのね」
「そうだよ、どんな生きものもね」
ジンベエザメさん達に限らずというのです。
「狭い場所にずっといてあまり運動出来ないとよくないよ」
「だからこの水槽もなんだ」
「凄く広いのね」
「僕達に他の皆がいても充分過ぎる位に」
「そこまで広いの」
「そうだよ、この学園の水族館と動物園は考えて建てられていて」
どう考えられているかといいますと。
「皆がストレスを感じないようになっているんだ」
「広くなってて快適に運動も出来て」
「そうした風になってるのね」
「だから皆病気になっていないんだよ」
ストレスを感じていないからです。
「もっとも何処か悪い子もいたけれど」
「そうした子はどうなったの?」
「大丈夫だったの?」
「うん、皆重い病でなかったから」
だからだというのです。
「寿命までは安心していいよ」
「じゃあ僕達もだね」
「ここに長くいられるのね」
「そうだよ、快適にね」
ストレスを感じることなく、というのです。
「そうしていけるよ」
「それは何よりだよ」
「今も健康でこれからもならね」
「僕達にとってもね」
「悪いことじゃないわ」
「うん、だからね」
それでとです、また言った先生でした。
「君達も悪い病気はないし」
「安心していいんだね」
「そうなのね」
「うん、身体の外に寄生虫もいないし」
その心配もないというのです。
「君達も大丈夫だよ」
「それは何よりだよ」
「本当にね」
ジンベエザメさん達も先生とお話をして笑顔になりました、こうしてガラス越しの診察も無事に終わりました。
そしてその後で、でした。先生は皆を連れて次に行く場所に向かいながらです。その皆にこうしたことを言いました。
「八条学園は皆にストレスをかけないことと」
「その他にもなんだ」
「考えてあるのね」
「そう、どの場所も清潔にしていて」
生きものが暮らしているそこをです。
「そして虫にも気をつけてるね」
「ああ、寄生虫だね」
「身体の外や中にいる」
「ああした虫達にも」
「そう、食べものにも気をつけて」
寄生虫のいない餌を出しているというのです。
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