IS〜もしもの世界
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32話
「・・・・・」
ジリジリ、
「・・・・・」
俺と楯無さんは部屋で向かい合って対立していた。
ー数時間前ー
「っと、ただいま」
「・・・戻りましたわ」
「戻った」
と謎の襲撃者を取り逃がしたが、このまま追いかけても危険なので帰ってきた俺たち3人だったが、そこには楯無さんがいた。
「はい、セシリアちゃんとラウラちゃんは念のため検査を受けて、枢木くんはこっちに来て!」
「あれ?俺は、っととちょっ!」
ー学園長室ー
「失礼します」
「失礼します・・・」
「ああ、更識くん。ちょうどよかった・・・あれ?君は・・枢木泰人くんだったかね?」
「あ・・・用務員さんじゃないですか・・あ、そうゆうことか。だけどここに呼ばれる理由が分からないですね」
「もちろん理由はあるわ。[あなた]は何者なの?」
「カッ!単刀直入ですね会長。」
学園長室、普通なら学園長の妻である女性がいるはずなのだが、そこには用務員さんーもとい轡木十蔵学園長がいた。つまり表向きは用務員で働く老人、実は、と言う事だろう。
「に、しても不用心じゃないですかね。[ここ]に怪しいやつが、もし俺が敵だったら殺されてますよ?」
「っ⁉︎」
取り敢えず主導権を握るために脅しておく。と少し威圧をする。
「・・・その可能性は低いわ」
「甘いなぁ、ま、理由は?」
「あなたはいつでも織斑くんや周りの候補生を襲えるのにそれをしていない、そして襲撃者事件、福音事件で貴方は死にかけている、それも仲間のために。これでも理由にならないかしら?」
「いや、まあそうなんですけどね、いや冗談ですよ」
とハハ。とおどけたように気を解く。
「すいませんね。でも本当になんでこんなタイミングで呼ばれたのか分からないんですよ」
「もう、やめてよ。貴方の[それ]は冗談に聞こえないわ」
「・・・わたしが置いてけぼりなんですがね?」
「あっ!すいませんでは、報告を」
と後ろにいる俺に背を向け学園長に報告をする。一夏のこと、今回のこと、その他に学園の事などを話す。
「以上、と言いたいところですが枢木くんの事をここではっきりしておきたくて」
「あ、話終わりました?」
「・・・貴方さっきの話聞いてなかったの?」
「すいません、少し眠くて」
「ははは。で枢木くんの事とは?」
「ええ、はぐらかされかけましたが唯一なんのつながりも分からない生徒が枢木くんだけで」
「俺のことなんてどうでもいいと思うんですがね」
「だめよ。ここではっきりと示さないと、敵か味方かも分からないもの」
と壁に寄り添っている俺に向かって顔を近づけてくる楯無さん。
「わかりましたから。顔近づけすぎです」
「むっ」
と何か言いたげだったが無視する。
「で、俺に聞きたいことは?」
「取り敢えず、出生を教えて」
「ちゃんとそこに書いたので合ってますよ」
と広がっている資料の中に俺のことが書かれている。これは転生時に俺が不自由ないようになっているので特に何もない。
「じゃあなんでISに乗れるの?」
「それは俺に聞いてもしかたないですよ」
「誰が貴方のISを作ったの?」
「・・・知らない人からです」
「嘘ね」
「本当に知らないんですよ。いきなり宅配便で送られてきたんですよ」
と手の指輪を見せる。しばらく睨んでいたがはぁ、と息を吐き、ある意味めんどくさい質問を投げかけてきた。
「なら最後に一つ、貴方のあの目はなに?」
「目?ですと。初耳ですな」
「はい。彼自身に止められていたんですが気になってましたので、これがいい機会だと」
「ええ〜秘密なのに」
「仕方ないのよ」
と言ってくる。しかも学園長なんか楽しそうに聞いてくるし。
「こればっかりは勘弁出来ない・・・出来ないんですね分かります」
と少し集中し、写輪眼を開放。そのすがたを
見せる。
「前と違うのね」
「少し疲れてるので」
学園長には見えにくいと思い、向かいの席に座る。そして俺の目をまじまじと見て、
「綺麗な模様ですな、最早一つの芸術品と言っても相違ないくらいに」
と、細い目を開き見てくる。だが俺が下に向いたので楯無さんが心配そうに声をかけたからか、もう見てはこなかった。
「っ!」
「大丈夫⁉︎泰人くん!」
「あ、あはは少し頭痛がするだけですよ」
と近寄ってくる楯無さんを手で制し、大丈夫なそぶりを見せる。
「・・・どうやらその目にはリスクがあるようですな?」
「ええ、鋭いですね学園長」
「これには流石に教えることは出来ないんですよ。あ、別にこれは俺しか使えないんで目とか抉って調べても意味ないようになってるんで」
俺の言い訳を信じてくれたのか、学園長はすぐにもとのにこにこ顔になり「そうですか」とだけ言って俺を開放してくれた。回想終わり。
で、なんで俺が楯無さんとにらみ合っているかというと、学園長室での態度が悪いからお仕置きでこそばそうとしてくるが俺がことごとく弾くので楯無さんもマジモードになり、なんか、修羅場ってる感じになってる。いかん今日の俺は疲れてるのか何を言ってるんだ。
「・・・っ!」
と俺が体勢を少し崩すとその隙を狙って押し倒してきた。
「つ・か・ま・え・た・わ・よ?」
「ぐっしまった・・・!」
「む〜どうしようかしら。流石に疲れているしこのままアレをするのはかわいそうよね。けどま、いっか!」
「すいませんもう二度とあのような態度はとりません!本当に!」
「じゃあ何でも言うこと聞いてくれる?」
「・・・分かりましたよ」
と疲れていたからか抵抗せずに答えると、
「・・・そうね」
と何かもごもご言っていたがそんなことはもうどうでもいい。
「すいません、ほんと眠いんで寝させて貰って良いですかね?明日また聞くんで。あとこの状態恥ずかしいです」
と、言うと
「あっごめんなさい」
と退いてくれたので寝ることにする。・・・楯無さんの頬がすこし赤かったのは気のせいか?
「では、おやすみなさい」
と言ってすぐにふとんに入ったがそっと耳元で「おやすみ、泰人くん。これからが大変だよ」と、意識が薄れゆく中でぼんやりと聞いた。
後書き
10/30 文的におかしかったので内容少し変えました。
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