ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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体育館裏のホーリー
クルゼレイによる説得とサーゼクスの実力
グレモリー眷属が通信機から貰ってから、聞き覚えのある声が聞こえたがアザゼルから簡単に説明を受けた。レーティングゲームは『禍の団』旧魔王派の襲撃を受けたが、これに関しては俺達も予想していた事。
現魔王に関与している者の不審死が多発していたが、グラシャラボラス家の次期当主の不慮の事故死は手にかけた訳だ。首謀者として上がったのが、これから会いに行く人物は次元の狭間本家に住むベルゼブブとアスモデウスの子孫だ。
『やはり旧魔王派は現魔王政府への憎悪が大きい事なのか』
『そう言う事だドライグ。ベルゼブブとアスモデウス曰くバカモノか愚弟だとな、現魔王関係者を血祭にするつもりだろうが俺が捕縛して強制的に次元の狭間本家の地下牢屋に転移する手筈だ』
『なるほどな、現魔王や各勢力の幹部らもいるが俺達は旧魔王派の悪魔をブッ倒すと計画に支障が出ないのか?』
『本来なら倒さないでそのまま転移させるのが一番なのだが、現状は暴走状態となっているから一度倒した後に死者蘇生させるのさ』
『旧魔王派専用地球である「ナイトメア」を用意した意味が無くなるからな。世界の悪影響になる旧魔王派を潰す気である現魔王とアザゼルだが、俺達にとっては一網打尽されると困る訳か』
『そういう事さ。旧魔王派の悪魔達を一度消滅後、死者蘇生してから改心させたクルゼレイとシャルバを「禍の団」に一時的にいさせるつもりだ。現魔王・天界の熾天使達・北欧主神オーディン・帝釈天とこの仏共も出張っているようだぜ。全員暴れているが、ゲームはご破算となったがリアス達を危険地帯に転移させた事は作戦通りだろうな』
そんで念話をしているとアザゼルとタンニーンがいたので、俺は無事に合流を果たした。丁度アザゼルらが、リアスに通信している最中の所だった。アーシアに関してはアザゼルがやるが、リアスによって断られたようだ。
神殿は隠し地下室が設けられているからか、そこに隠れておけと言ってた。なるほど、シェルターみたいな感じか。ちなみにこの結界は入る事は出来たが、出るのは不可能に近いし神滅具の一つである『絶霧』だから俺でも破壊は困難となった。
「アザゼル、アーシアの事はリアス達グレモリー眷属に任した方がいいぞ。一応ヴァーリチームも一緒にいるからさ」
「お、一ちゃんか。なるほど了解したぜ、そう言う事だからアーシアについてはお前らに任せる。・・・・三大勢力で不審行為をする者に実力行使する権限を使ってくるガキ共だな。ゲームは停止しているから、リタイヤ転送はない」
「そう言う事ではあるが、大丈夫だろう。何せヴァーリチームをグレモリー眷属と一緒にいさせているから、それよりタンニーンもここにいるとはな」
『俺はゲームフィールドにいる旧魔王派一掃作戦に参加していたが、何やら俺ら以外の生物が倒していたぞ』
そりゃそうだろう、ポケモンを出してから一掃作戦に参加していたんだからな。本来ならここでオーフィスが登場する所であるが、オーフィスは既に『禍の団』から抜けている。腰まである黒髪の小柄な少女、黒いワンピースを身に着けて細い四肢を覗かせているが現在の格好は黒と銀のワンピースであるが肩車をする為に変更してある。以前は老人の姿だったが、今度は美少女となっている。
「で?一ちゃんは何故ここに来たんだ」
「ここに来るであろう旧アスモデウスが来ると言う情報を聞いてな、来たんだが少々早かったようだ」
『俺的には「禍の団」トップである無限の龍神オーフィスがいるとの情報だったんだが、どうやら来ていないようだな。ま、あれ程世界に興味を示さなかったのが、テロリストの親玉となった。暇潰しとはいえ、危険分子がいないのは俺的にはどうなのだろうか』
「タンニーンが持っていた情報は既に劣化した情報だぞ?オーフィスは故郷である次元の狭間に戻りたいだけだと、俺らは推測している」
「次元の狭間、か。人間界と冥界、人間界と天界の間にある次元の壁の事。世界と世界を分け隔てている境界だが、何もない無の世界とも言われている。何故一ちゃんらはそれについて詳しいんだ?」
「それについては答える訳にはいかんが、次元の狭間は真龍と龍神の故郷とも言える場所だ。それとやっと来たようだぞ、旧アスモデウスの子孫」
俺とアザゼルとタンニーンが雑談していると、何者かが転移してきたが貴族服を着た一人の男だった。そいつは一礼したが、俺がいる事で予想外な顔をしていた。
「お初にお目にかかる。兵藤様、俺は真のアスモデウスの血を引く者であるクルゼレイ・アスモデウス。『禍の団』真なる魔王派として、堕天使の総督である貴殿に決闘を申し込む」
アザゼルが持つ宝玉から懐かしい波動はファーブニルのようだが、俺にとってはまたもないチャンスだ。首謀者の一人が目の前に来ているのなら、丁度良いので次元の狭間本家地下牢屋に転移させようか。
「旧魔王派が出てくるとはな、お前何やってるのか分かってるのか?」
確認するように言ったら、全身から魔のオーラを感じる。色がドス黒いが、オーフィスが置き土産として使ったようだな。オーフィスの蛇による力を得たらしいな。
「旧ではない!真なるアスモデウスであります、兵藤様。本来なら貴方に攻撃をするなと言われてきたので貴方とは戦いません」
俺は前に出てクルゼレイに近づいた、アザゼルは戦おうとして人工神器の短剣を構えていたが俺は手で止めろと言い止めさせた。
「せっかくサシでの勝負らしいが、コイツの事は俺に任してもいいか?アザゼル」
「何故だと言いたい所だが、カテレアの一件もある。どこかへ連れて行ったらしいが、その言い方だと生きているようだな」
「ディオドラ・アスタロトにも置き土産である蛇を渡した。あれを飲めば力が増大する。倒すのは容易ではない」
「置き土産だと?どういう事だ、無限の龍神オーフィスはまるで『禍の団』本部にいないと聞こえるが」
「オーフィスは既に我らの元から消えた。だが幸いな事に蛇を残してくれたが、ストックがもう少しで切れるがまあいい」
オーフィスが既にいない事に、アザゼルとタンニーンは互いに考えていたが分からずにいた。確かに蛇を飲めば強大な力を得られるが、それは相手によっては強大な力を得ても敗北する事がある。
クルゼレイが俺らの相手をしようとすると、前方に魔法陣が出てきたが何故アイツが来るんだ?と思いながら俺らは待機となった。来たのは現魔王であるサーゼクス登場ってな訳。
「サーゼクス、どうしてお前が出て来たんだ?」
「今回結果的に妹を我々大人の政治に巻き込んでしまったのでね、ならば私も前へ出てこないといけないと思ったからだよ一誠君。無駄だと分かってもクルゼレイを説得したい、いいかな一誠君」
「全く現魔王はお人好しが多い、まあいいだろうが現悪魔として直接聞いてみな」
「一ちゃんの言う通りだが、それもそうだろうな。サーゼクス、俺らは見学しているからな」
そう言って俺とアザゼルは、構えていた拳と槍を引いた。ついでにタンニーンは、他の場所にいる悪魔を一掃して来いと言っといたのでもういない。サーゼクスを視認した途端、クルゼレイの表情が憤怒と化していた。
「・・・・サーゼクス!忌々しき偽りの存在ッ!直接現れてくれるとはッ!貴様が、貴様さえいなければ、我々は・・・・ッ」
そう言う事だが、これが現実であり奴らにとってはサーゼクスの存在は最大級に忌むべき存在である。ま、カテレアが生存していると聞いた直後に来たから、今は怒気のみである。
「クルゼレイ。矛を下げてはくれないだろうか?今なら話し合いの道も用意出来る。前魔王の血筋を表舞台から遠ざけ、冥界の辺境に追いやった事は未だに私は『他の道もあったのでは?』と思ってならない。前魔王子孫の幹部達と会談の席を設けたい。何より貴殿とは現魔王アスモデウスであるファルビウムとも話して欲しいと考えている」
サーゼクスの言葉は真摯であるが、そのお陰でクルゼレイの感情を逆撫でするようになっている。元々コイツらは現魔王の言葉を信用していないが、俺の言葉のみは信用している。何せ戦争前からの知り合いであるし、前四大魔王であるルシファー達と子孫であるがベルゼブブは愚弟と言っていた。子孫であるが、血縁関係ではなく、姉弟姉妹という関係である。
「ふざけないでもらおうか!堕天使所か、天使とも通じ汚れきった貴様に悪魔を語る資格などないのだ。唯一資格がある兵藤様なら兎も角、俺に偽物と話せと言うとは大概にしてもらおうか!」
「クルゼレイ、確かに俺は唯一繋がりを持っている者だ。手を取り合って利用しているだけの『禍の団』は、忌々しい天使と堕天使を悪魔が利用する存在ではないとお前らは思っているだろう。だがな、前四大魔王が生きている時から相互理解と和平やら共存する世界にする為、俺と三大勢力トップだけが仲良しとなっていた。思い出せ、お前の姉であったアスモデウスがどういう気持ちで天使と堕天使を見ていたかをな」
「確かに貴方の言う通りであるが、新たな悪魔世界を創り出す事が偽りの魔王共を消滅させる為に行動をしていたのだ!種として悪魔の存在自体に関してだけは感謝しているが、姉さんの血筋からではなく偽りの者がアスモデウスを名乗っているのは我慢できないのですよ」
「交渉決裂か、お前の姉を唯一知っている俺でさえ説得は失敗した。さてとどうする?俺らを倒すか、せっかくだから俺の弟子であるサーゼクスがお前の蛇だけを抹消してみせようか」
そう言う事でサーゼクスが前に出て来た事で、クルゼレイは戦闘態勢を取っていた。悪魔という種を守りたいし、民を守らなければ種は繁栄しない事も理解している。今の冥界に戦争は必要無いが、旧魔王派の考えは変わらない。悪魔の本懐は人間の魂を奪い、地獄へ誘って天使と神を滅ぼす存在としてな。話し合いは不要となった、偽りと偽善の王であるサーゼクスが相手をする。
『今そこに私の愚弟が居る様子ね』
『アスモデウスか、まあな。説得が失敗した事で戦闘開始するが、心配はいらん』
『任せるわ。冥界周囲に存在する次元の狭間の所有権も、アグニと私達の物だけどまだ公表しない方がよさそうね。愚弟を任せるわ』
サーゼクスが冷たい目を向けるとクルゼレイは、巨大な魔力を両手から掃射する。サーゼクスは動じず、右手の掌から魔力が圧縮して徐々に異様なオーラを放ち続ける。掌に生まれた魔力を無数の小さな球体に変化させてから、前方に撃ち出すとクルゼレイの攻撃を打ち消していく。
そんで口内へ滅びの球体を一つだけ入り込むと、クルゼレイの腹部が一度だけ膨れ上がるとオーフィスの蛇だけを消滅させたようだ。奴の魔力が一気に減少させていく。
「『減殺の魔弾(ルイン・ザ・エクスティンクト)』は、腹に入っていたオーフィスの蛇のみを消滅させてもらった。これで絶大な力を振るえないだろう」
「流石は俺の弟子だ、消滅の魔力を魔弾としてコントロールさせてから蛇だけ消滅させるとは。俺の指示通りになったので、これで余裕が無くなった様子と見る」
アザゼルはサーゼクスの攻撃を見ていたが圧倒されてた、何せサーゼクスの攻撃はあの時のドウター戦でも見たがこれが本物の攻撃である。サーゼクスが魔王に選ばれた理由の一つとして、圧倒的なまでの消滅魔力を持っているからだ。俺で言う滅だが、触れた物を全て消し飛ばす力であり絶対的な滅び。小さい魔弾だが、高濃度圧縮したから滅を最小サイズにしてコントロールさせる。
「何故だ!何故オーフィスの蛇を飲んだのにこの様なのだ!?」
「さてとサーゼクス。コイツは俺が任せていいか?コイツを殺してしまうと、コイツの親族が悲しむんでな」
「親族だと?一ちゃん、カテレアの時もそうだったが何故助けるんだ。コイツらはテロリストだぞ」
俺の気紛れだと言って、クルゼレイを転移魔法陣で次元の狭間本家地下牢屋に送った。それと無限の龍神オーフィスが居ない事を言っていたので、気になったアザゼルだがその事に関してはまだ喋らないでおこうと思った。次はシャルバかと思いながら神殿に向かった。
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