転生とらぶる
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Fate/stay night
1123話
柳洞との会話を終えて2-Aの教室に戻って来たけど、幸いにもまだ担任は来ていなかった。
代わりにって訳じゃないけど、蒔寺がとんでもなく消耗した様子で机に突っ伏していた。……うん、何が理由なのかというのは、考えるまでもないだろう。
凛と綾子の2人が、やりきったといった様子で機嫌良く笑顔で話しているのを見れば、色々な意味でクラスの中が固まっているように見えるのは俺の気のせいじゃない筈だ。
これ見よがしに溜息を吐き、自分の席へ。
こうして考えてみると、俺ってこのクラスに知り合いが殆どいないんだよな。
いや、学校全体でも同じか。
友好的なのは、凛に綾子の2人だけ。
蒔寺達3人組は……殆ど話した事がないしな。
衛宮とは良く言って敵対的中立。ワカメは完全に敵だし。
そう考えれば、柳洞と仲良くなるのもいいかもしれない。
まぁ、あいつから感じた何かがある限り難しいし、それ以前に柳洞が凛を敵対視している以上、それ以前の問題か。
『アークエネミー、どうだった? 衛宮君や慎二はクラスにいた?』
俺が戻ってきたのに気が付いたのだろう。凛が念話で話し掛けてくる。
『いや、ワカメの方は今日学校に来ていないらしい。衛宮は来ているけど、何やら用事があるとかでいなかったな。……それより、ちょっと聞きたいんだが、柳洞って奴がいるよな?』
『……いるわね』
『ああ』
凛と綾子それぞれが複雑な感情を抱きつつ返事をしてくる。
まぁ、柳洞が凛を嫌っている以上、凛が柳洞を好ましく思っている事はないと思っていたけど、綾子の方もか。
『で、彼がどうかしたの?』
『今朝解放された念動力……その中の直感だと思うが、柳洞から何か感じたんだよ。多分何らかの形で聖杯戦争に関わっていると思うけど……どうだ?』
『まぁ、関わっているのは間違いないでしょうね。名前で分かるだろうけど、冬木最大の霊地でもある柳洞寺の息子だから。恐らくアークエネミーが感じたのもその辺が理由なんだと思う』
『柳洞も一般人なのに巻き込まれるのか。……正直、あたしが言うのもなんだけど、聖杯戦争って冬木の人にしてみればいい迷惑でしかないよな』
『それは否定出来ない事実ね』
綾子のもっともな意見に、凛がこの地のセカンドオーナーとして頷きを返す。
すると、まるでそれが合図であったかのように、扉が開いてこのクラスの担任でもある葛木が姿を現したんだが……
『おい、なぁ。何だか葛木を見ていると、俺の直感がビンビンと何か違和感があるって反応してるんだけど』
『……え?』
一瞬凛が意表を突かれたように驚くが、すぐに納得したように呟く。
『それは、あれじゃない? 葛木先生も柳洞寺に住んでいるから』
『どうだろうな? 俺が感じている限りだと、柳洞よりも葛木の方がよっぽど上の違和感だぞ。完全に俺の予想だけど、多分こいつは聖杯戦争のかなり深いところまで関係していると思う』
『そんな……だって葛木先生は一般人なのよ!?』
『何らかのイレギュラーがあったとしたら? そもそも、アークエネミーとかいうイレギュラークラスの俺がいるんだぞ? 今更イレギュラーな事態が1つ2つあったとしても、そうおかしくはないと思わないか?』
『それは……』
言葉に詰まる凛だったが、綾子がそこに言葉を挟んでくる。
『それならさ、別にここで何があるかを考えてないで、柳洞寺に行ってみるってのは? もし何らかの異常があれば、多分向こうでも反応とかがあるんじゃないか?』
『うーん、確かにあそこが一級の霊地である以上は……そうね。今夜にでも行ってみましょうか。ああ、言っておくけど綾子は家で留守番よ』
『そりゃ当然だろ。あたしだって命は惜しいんだ。幾ら半サーヴァントになったし、身体能力が上がってそれを使いこなせるからって、戦闘とかが出来る訳じゃない。一応武芸の心得はあるけど、遠坂に聞いた話だと私がどうこう出来るようなレベルの話じゃないしな』
当然だと告げる綾子に、寧ろ俺は感心する。
普通であれば、人間以上の力を得た存在になったって舞い上がって暴走してもおかしくない。
実際、人間とは比べものにならない程の力を得たのだから。
だが綾子はそんな風になる事もなく、冷静に判断が出来ていた。
この違いは大きい。
元々の性格もあるんだろうが、やっぱり凛から話を聞いて魔術の存在を見せて貰ったのが大きいだろうな。
使い捨てに出来る程度の安い宝石を使った魔術を見せたって言ってたし。
『なら、今日の夜の予定は決まったな』
『……』
俺がそう言うと、何故か帰ってきたのは2人ともの沈黙。
『おい、どうした?』
『あのねぇ。何だってあんたは一々言い方が意味ありげなのよ。さっきの言い方だと、その……今夜も私と綾子があんたとそういう行為をするって風に聞こえるじゃない』
『そこまで深読みしなくてもいいだろ』
『えっと、ごめん。あたしも遠坂の意見に賛成』
どうやらそういう事らしい。
『言うまでもなく、俺が言ってるのは柳洞寺を調べるって話だからな。まぁ、凛と綾子がそれを希望するのなら、俺としては喜んで応じるけど』
『する訳ないでしょっ! 大体、昨日の今日でまだ異物感が私の中に残ってるってのに!』
『遠坂、遠坂。それだと身体が元に戻ったらアークに抱かれてもいいって言ってるから』
がーっと念話で叫んできた遠坂だったが、綾子のその突っ込みに顔を真っ赤に染めて下を向く。
魔術師として昨日俺とそういう行為をした時は、それこそ綾子と3人でやった時もここまで恥ずかしがってなかったのに……もしかして普段の凛と魔術師の凛は別人だったりしないだろうな?
凛の態度の違いに、思わずそう考えてしまった俺は間違ってはいない筈だ。
ともあれ、念話で話をしつつもHRは進み、そのまま1限目の授業も終わったところで……
「えっと、アークはいるか?」
そんな声が聞こえてくる。
声のした方へと視線を向けると、そこにいたのは衛宮。
どうやら柳洞から俺の伝言を聞いて顔を出したらしい。
……うん、いや。まぁ、分かってたけど、当然衛宮1人でセイバーの姿はない。
まさか、いざとなったら令呪を使って召喚すればいいと考えているのか?
確かにそれは可能かもしれないけど……いや、俺が心配する事じゃないか。
寧ろ、聖杯戦争の参加者としては衛宮には好きなだけ令呪を使って貰った方がいい。
ともあれこのまま放っておく訳にもいかず、チラリと蒔寺達3人と話をしていた凛と綾子の方へと視線を向ける。
『参ったわね。てっきり昼休みに来るとばかり思ってたんだけど。この短い時間だと最後まで話せないわよ? まさか、3人揃って次の授業を欠席って訳にもいかないし。……しょうがないわね、アークエネミー、悪いけど衛宮君に事情を簡単にでいいから話しておいてくれる? 詳しい話は昼休みに……そうね、屋上でって事で』
『正気か、遠坂。屋上ってこの寒い時期にか?』
『何よ、綾子は半分サーヴァントなんだから、寒さとかには強いでしょ。寧ろ、生身の人間の私の方が影響があるわよ。けど、万が一にも無関係の人に話を聞かれない場所となると、屋上しかないじゃない』
不服そうに告げる凛。
まぁ、確かに2月という寒い季節の中で、わざわざ寒風吹きすさぶ屋上に来るような奴がいるとは思えないけど。
春、夏、秋とかなら、まだ優雅に昼食をって気持ちも分からないでもないけどな。
そんな風に考え、凛に了解の意味も込めて頷きを返すと、席を立つ。
その際に、『うわっ、アークと遠坂が目と目で意思疎通してるよ』とかいう蒔寺の声が聞こえたけど……折角朝の状態から立ち直ったのに、また精神的にボコボコにされるぞ。
「ちょっと場所を移すか」
「分かった」
短く言葉を交わし、そのまま俺と衛宮は屋上へと抜ける扉のある踊り場へと移動する。
出来ればもっと近い所で話したかったんだけど、休み時間で結構人がいるからな。
そんな中で聖杯戦争云々って話をする訳にもいかないし。
「で、わざわざ一成に伝言してまで俺を呼び出したって事は、やっぱり聖杯戦争の件か?」
「ああ。ただ……詳しい話をするのに、この休み時間だと足りなくてな。悪いけど、昼休みに屋上に来てくれないか? 詳しい話はその時にする」
「……まぁ、いいけど。じゃあ、話がないなら戻るぞ?」
「待て」
教室へ戻ろうとする衛宮を呼び止める。
その顔が俺の方を振り向く前に、口を開く。
「お前が昨日言った事……当然きちんと覚えているよな?」
「昨日?」
一瞬何を言われているのか分からない様子の衛宮だったが、すぐに思い出したのか、納得したように口を開く。
「慎二の件か?」
「そうだ。あのワカメが何かをしたら、その責任はお前が取る。そう言ったよな」
「ああ」
「……そうか。なら、どうやってその責任を取るのか、精々昼休みまでしっかりと考えておけ」
そう告げ、何かに気が付いたのだろう。衛宮が目を大きく見開いて、何かを言おうとするのを無視し、俺は教室へと戻る。
「おい。アークエネミーッ、一体どういう事だよ! 慎二が何かやったのか!?」
「その件に関しては、悪いが今は話している時間がない。昼休みまで待ってろ」
そう告げ、俺を引き留めようと伸ばしてきた手を回避しながら、衛宮をその場に残して教室へと戻るのだった。
『どこまで話したの?』
授業中、凛からの念話が入る。
まぁ、俺が教室に戻ってくるのと教師が教室に入るのは殆ど同時だったからな。
その結果、俺が衛宮とどんな事を話したのかというのは、結局言えないままだ。
その辺を気にしても当然か。
『どの辺も何も、あのワカメが問題を起こしたってのを匂わせてきただけだよ。あのワカメの責任は衛宮が取るって言ってたからな。詳しい話は昼休みに屋上でするって言っておいたから、悪いけど凛の他に綾子も一緒に来てくれ』
『わかった。まぁ、今回の件の被害者でもあるあたしが顔を出さない訳にもいかないしね。けど、衛宮にあたしの事を言ってもいいのかな? 一応あたしの件って聖杯戦争的には色々と不味いんだろ?』
『そうね。けど、衛宮君の場合は馬鹿が着く程のお人好しだし、大丈夫でしょ』
『それに、ワカメの行動は衛宮が責任を取るって言ってたしな』
『……何よ、アークエネミー。あんた随分と衛宮君に対してキツイわね』
どこか呆れた……より正確には疑問を持ったといった様子の凛の言葉。
それは俺も自分自身できちんと理解している。
けど……
『昨日の放課後、衛宮が止めなければワカメを聖杯戦争からリタイアさせる事が出来ていた。そうすれば、綾子も半サーヴァントなんて人の道を踏み外すような事はしなくて済んだんだ。人一人の人生を目茶苦茶にした責任ってのは大きい』
『アーク……』
呆然と呟く綾子だったが、やがて小さく笑みを浮かべているような感覚が念話を通して伝わってくる。
『確かにあたしは色々と人の道を踏み外す事になったかもしれない。けど、そんなに悪い気分じゃないよ。おかげで遠坂と本当に心を割って話し合う事が出来たし……それに、アークと面白い関係を持つ事も出来たしね』
『面白い関係って……綾子、あんたね』
凛の言葉に混じっているのは呆れ。ただし、こちらも笑いの感情が入り混じっているのは間違いない。
何だかんだとあったけど、確かに悪い事だけじゃないってのは事実だろうな。
そんな風に考えている間にも時間は流れ……やがて昼休みとなる。
「ね、ねぇ。遠坂さん。良ければ食事を一緒に……」
昼休みになって、真っ先に凛に声を掛けてきたのはいつも蒔寺と一緒にいる、大人しい方の女。三枝由紀香とか言ったか?
凛に憧れているらしく、これまでも何度か凛を食事に誘ったりしている光景を見た事がある。
……もっとも、その全てが断られているのは哀れだけど。
ただ、聖杯戦争中という事もあって、色々とタイミングが悪いのも事実だ。
聖杯戦争終了後であれば……もしかしたら、一緒に食事が出来るかもしれないな。
「ごめんなさい、三枝さん。申し訳ないのだけれど、今日はちょっと美綴さんやアーク君と先約があるの。もし良ければ、また今度誘ってくれるかしら?」
なんという猫の被り方。
そう思ったんだけど……
「はっ、はい! その、頑張って下さいね! 私は遠坂さんが幸せになるように応援しています!」
どうやら、話せただけで満足らしい。
……それ以前に、何か勘違いしていないか?
話が微妙に噛み合っていないような気が……
ただ、凛自体はそうでもなかったのか、笑みを浮かべてその場で別れる。
あれが優雅って奴なのか。
『さ、行きましょ。衛宮君が待ってるでしょうし』
念話でそう告げられ、俺と綾子も凛の後に続くようにして屋上へと向かう。
「お、お、お、遅くないか!?」
ブルブル、と寒そうな衛宮。
まぁ、素直に屋上で待ってたんだから、気持ちは分からないでもない。
正直悪かったと思うけど、それを口には出さずに別の事を口に出す。
「さて、屋上に来て貰った理由だけど……綾子」
「ああ」
俺の言葉を聞き、綾子が前に出る。
まさか、ここで綾子が姿を現すとは思ってもいなかったのか、衛宮は混乱したように俺や凛へと視線を向けていた。
「おい、待て。何でここに美綴が……」
「残念ながら、話は後だ。お前もマスターならサーヴァントのステータスを見れるんだろう? それで見てみるといい。俺と……綾子をな」
「……え?」
何を言ってるんだ。そんな表情で俺の方へと視線を向けていた衛宮だったが……俺を見たのはともかく、綾子の方へと視線を向けた次の瞬間には顔が強張り、驚愕で絶句するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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