転生とらぶる
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Fate/stay night
1122話
『全く……本当なら今は学校に行くよりもアークエネミーのスキルについて検証とかしたいのに』
『そう言うなって、遠坂。アークの件に関しては学校が終わってからでも何とか出来るんだろ? それよりも、学校に物騒な結界があるってのは本当なのか?』
『本当よ。多分……確証はまだないけど、多分ライダーか……それともいるとすればキャスターの仕業でしょうね』
『俺がアークエネミーで召喚された結果、どのサーヴァントが外れたのか。まだ全部のサーヴァントを確認した訳じゃないから、何とも言えないけどな』
学校へと向かって歩きながら、俺、凛、綾子の3人は念話を使って話していた。
……そう、本来は俺と凛の間でしか出来ない筈の念話だったが、半サーヴァントとなって俺とパスを繋いだ綾子も自然と使えるようになっていた。
『けど、正直もしライダーがあの結界を仕掛けたんだとしても、出来れば今日は戦いたくないわね』
凛のその言葉に、思わず驚く。
普段であれば好戦的……というのはちょっと言い過ぎかもしれないが、今行われているのが聖杯戦争であると理解しているだけに、自分から戦いを避けるような真似は決してしないんだが。
あるいは俺がもっと弱いサーヴァントであれば話は別だったかもしれないが、俺のステータスはあのバーサーカーをも上回るし、対英雄というスキルもある。
そして何より、今朝……正確には昨夜寝る前に解放された念動力というスキル。
複数のスキルが組み込まれているそのスキルは、見た目的にはそれ程派手な訳ではないが、最上級の感知系スキルだと言ってもいい。
格闘と念動力を組み合わせた戦闘は、非常に強力だと言ってもいいだろう。
そんな状況なのに……
『凛が戦闘を避けるなんて言うのはちょっと意外だったな』
『あー……あたしも遠坂の気持ちは分かる。ちょっと今日激しく動くのは厳しいだろうな』
『綾子?』
2人揃って戦闘を避けるというのに、目を見開く。
まぁ、どのみち綾子は戦闘にはなるべく参加しない方向で話が進んでいたから、おかしくはないのかもしれないけど……
『……あんたのせいでしょ』
ボソッと呟く凛の声が聞こえてきたが、心当たりのない俺としては首を傾げざるを得ない。
『何を言ってるんだ?』
『だから! 私が戦えないのも、綾子がああいう風に言ってるのも、あんたのせいでしょうが!』
『いや、だから何で俺のせいになるんだ?』
『あ・ん・た・が! 昨日、私の処女を奪ったせいで! まだ異物感があって動きにくいのよ!』
がーっと念話で叫んでくる凛の言葉に、俺は思わず綾子の方へと視線を向ける。
するとそこでは、綾子が顔を赤く染めて視線を逸らしているのが見えた。
『その、うん。あたしも遠坂と同じで、まだちょっと異物感が……ね』
そう言えば、2人ともちょっと動きがぎこちないとは思ってたんだけど……まさか、それが理由とは。
さて、何と言えばいいのやら。
思わず言葉に詰まっていると、不意に周囲からの声が聞こえてくる。
「ほら、見てよ。きっと修羅場よ修羅場」
「うわ、遠坂と美綴の2人を相手にか? うちの学校でもトップクラスの美人を相手に修羅場とか……誰だよ、あいつ」
「うん? 知らないのか? あの男はアークって転校生だよ。しかも住んでいるのは遠坂の家だってよ」
「ちょっと、それって同棲?」
「ま、普通はそう考えるよな。ただ、本人は同居って言い張ってるけど」
「けど、それじゃ美綴に勝ち目はないんじゃないか?」
「どちらにしろ……妬ましい」
「爆発しろって言いたくなるのは俺だけじゃないよな?」
「私としては、遠坂さんが羨ましいけどな。アーク君みたいな人と一緒に暮らせるなんて羨ましい。外国人はこの冬木だと珍しくないけど、ああいう格好いい人ってそんなにいないから。垂れ目がちなところが素敵よね」
「お前もか……お前も外見に騙されるのか!? 男は外見じゃなくて、中身だろ!」
「……そういうあんたは、あっさりと女の外見に騙されているけどね」
「それはそうだろう! 美人は世界の宝! ……はっ!」
「ふーん、よくもまぁ。大事なのは中身? 数秒前の自分の言葉を考えてみる事ね」
何だか、微妙に俺達を見ながら言い争いをしているような奴等もいるけど……まぁ、とりあえずそれはスルーしていく。
『今日、体育とかがなくて本当に良かったわ。もしあったら、まともに動けたかどうかも分からないもの。とにかく、このまだ私の中に入っているような違和感が消えるまでは戦いは避ける方向で行くわよ。多分明日には大丈夫だと思うけど』
『あたしも遠坂の意見には賛成だけど、慎二の件はどうするんだ? 昨日の事もあるし、もし慎二が学校に来てれば、大人しくしているつもりはないんだけど』
『綾子、一応言っておくけど、あんたの筋力は普通の人よりもかなり強いの。下手に殴ったりしたら、慎二程度なら一撃で死ぬわよ?』
『半サーヴァントってのになったおかげか、力加減は自然と出来るんだけど……それはさすがにな』
『それに……』
意味あり気な視線を学校の校舎へと向ける凛。
『あの馬鹿の件は、衛宮君が責任を取るって言ってたのよ。なら、どうやってその責任を取るのか、ちょっと聞いてみたいわね』
『衛宮……か。正直、遠坂の言葉を聞いてもまだ納得出来ないな。……いや、信じたくないって言った方がいいか』
『既に決まっている事を自分の希望的観測で信じないなんてのは、心の贅肉よ』
初めて聞くその表現に、思わず口を開く。……念話だけど。
『贅肉? ……昨日見た限りだと、別に凛の腹は別に贅肉があったようは思えないけどな』
手で何度も撫でた凛の腹の感触を思い出していると、不意にゾクリとしたものを背中に感じる。
それこそ、念動力が危険を教えてくれているかのように。
その視線がどこから向けられているのかというのは、すぐに分かった。
ニッコリと……それはもう、満面の笑みと呼ぶべき表情を浮かべて俺の方へと視線を向けていてる凛の姿があった為だ。
ただし目は全く笑っておらず、殺気すら篭もっているかのような視線を俺の方へと向けている。
『アークエネミー……そう言えば、私って何だかんだと令呪を使った事がなかったんだけど、よければ使ってみてもいいかしら? 具体的にはアークエネミーが死ぬ程恥ずかしい思いをするような命令を』
「待て」
凛の言葉に本気を感じ、思わず念話ではなく口で待ったを掛ける。
間違いなく……そう、今俺が何かを言わなければ、間違いなく令呪を使っていた気配を感じ取ったからだ。
『アーク、女に贅肉の話とか、少しは女心を考えた方がいいぞ? それに、あたしが昨日触った感じだと、遠坂の身体は別に贅肉とかが殆どない鍛えられた身体をしてたし。……その分、胸の方もちょっ残念な感じはしたけど』
『おほほほほ。何か言ったかしら美綴さん?』
綾子から美綴になっているぞ。
とにかく、俺の発言は色々と致命的なようにも見えたけど、取りあえずはスルーされる事になったらしい。
まぁ、『今は』という言葉がつくが。
周囲からの色々な視線を向けられたまま、俺達3人は自分のクラスへと向かう。
その途中でも廊下で色々な視線を向けられていたが、それは既に気にしない事にした。
何せ、凛と一緒に暮らしているという話が広まっている以上。嫌でもその辺の注目は浴びるのだ。
そこに暫くの間だけではあっても、綾子も一緒に暮らしているという話が広まれば、間違いなく俺は嫉妬の視線を向けられる。
凛もだが、特に綾子の場合はその立ち居振る舞いから女にも人気があるって話だし。
「ほらほらほら! やっぱり遠坂と美綴とアークの3人が一緒に登校してきてる! あの噂は間違ってなかった!」
俺達が教室に入った瞬間、色黒の女子生徒の蒔寺が周囲に響けとばかりに叫ぶ。
本人としては、近くにいる2人の友人に対して言いたかったんだろうけど……
「蒔寺さん、私がどうかしましたか?」
「ふむ、私もその辺は聞かせて貰いたいな」
凛と綾子の2人が、それぞれ笑みを浮かべたまま蒔寺へと近寄っていく。
「あ、いやその……な、何でもないって。うん、ただちょっと気になった事があっただけだから! 遠坂とかは何もないから!」
「あら? だって今私の名前を口にしたでしょう? それなのに何もないってのは……」
「そうだな、私の名前も口にしていたな。うん? その辺り、どうなっているのかしっかりと聞かせて貰えないか?」
そんなやり取りをしている2人に呆れながらも、教室の時計を見るとまだ朝のHRにはそれなりに余裕がある。
『凛、綾子、ちょっと2-Cに行ってくる。ワカメも衛宮も同じクラスだったんだよな?』
『ええ、そうだけど……アークエネミーだけでいいの?』
『別に戦う訳じゃないしな。それにワカメがいた場合、綾子の姿を見せるのも色々と不味いだろうし。あいつが学校に来ているかどうかだけは確認しておきたい。この結界の件もあるしな』
『悪いな、アーク。あたしのせいで迷惑を掛けて』
『気にするな。どのみち昨日の時点でワカメがライダーのマスターだというのを知る事が出来た以上、衛宮と同様にその行動に関しては把握しておくに越した事はないからな』
短く念話で言葉を交わし、教室を出て行く。
その際に蒔寺が助けを求める視線を友人2人だけではなく、俺の方にも向けてきたが……当然それに関わる筈もなく、スルーする。
今のあの2人に絡まれるとか、自殺行為でしかない。
それに、何だかんだと昨日の件で色々と恥ずかしいものを感じているのも事実なんだろう。
俺と視線が合うと、すぐに逸らすというのが何回かあった。
そういう照れ隠しをしている中で、ああいう風にからかわれればどうなるかというのは、想像するも難しくはない。
えっと、2-Cは……ここだな。
クラスの中を覗くけど、衛宮の姿もワカメの姿もない。
うーん、ワカメはともかく衛宮の場合は昨日も普通にセイバーを連れずに学校に来てたんだから、今日も来ててもいいと思うんだが。
誰かに聞くか?
そんな風に考えていると、後ろから声を掛けられる。
「む、済まぬがそこにいられると教室に入る事が出来ん。少しどいて貰ってもいいだろうか?」
「っと、ああ、悪い悪い」
確かにこうしてクラスの中を覗いていれば邪魔でしかないか。
そんな風に思いながら場所を譲ると、そこにいたのは眼鏡を掛けた生真面目そうな男だった。
「済まぬな」
「いや、それよりもちょっと聞きたいんだが、衛宮とワカメは来てないのか?」
「む? 衛宮はともかく、ワカメ?」
「ああ、違った。えっと……何て言ったか。確か……そう、間桐だ。間桐慎二。その2人を探してるんだけど」
「衛宮は来ているが、間桐は知らぬな。……うん? お主、確か……」
俺の顔を見て首を傾げていた男は、何かに気が付いたかのように目を見開く。
「お主、確かアークとかいう転校生!? あの女怪の知り合いか!」
女怪? と首を傾げるが、誰の事を言っているのかはすぐに分かった。
そもそも、俺と親しい女なんて凛と綾子しかいない訳だし、更に綾子と親しくなったのは昨夜だしな。
「女怪ってのは……凛の事か?」
「む、すまぬ。不躾であったな。遠坂とは色々と相性が悪いのだ」
へぇ。ミスパーフェクトと言われているだけに、生徒全員に好かれているものかと思ってたんだけど、嫌っている奴もいるんだな。
まぁ、その辺は当然か。
万人に好かれるような奴なんて有り得ないしな。
「とにかく、衛宮はともかく間桐は来てないのか……参ったな」
「間桐に何か用事でも?」
「ああ。ちょっと話しておきたい事があったんだけど……まぁ、いい。衛宮が来たら俺が尋ねてきたって話しておいてくれないか? 出来れば俺のクラスまで来てくれると助かる」
「ふむ、承った」
そう言葉を交わし、その場を立ち去ろうとした……その時。
明確な何かとは言えないが、確実な何か。それを目の前にいる男から感じた。
それも悪意……とまではいかないが、間違いなく危険だろう何か。
何をもってそれを感じたのかは理解出来る。
多分……いや、間違いなく今朝使用出来るようになった念動力だろう。
その中の直感が働いていると見るべきか。
ともあれ、この男に何かがあるのは理解した。
けど、今この状況で俺が何か出来る筈もない。
もしもここで何か聖杯戦争に関わるだろう騒動が起きれば、それは間違いなくここにいる無関係の一般人を皆巻き込む事になるのだから。
となると……まずは、凛に報告した方がいいな。
「じゃあ、頼む。……ああ、そう言えば名前を言ってなかったな。俺はアークだ。そっちは?」
「む? これは無礼を。柳洞一成と申す。あの女怪には色々と思うところがあれど、アークとは仲良くしたいものだ」
「どういう関係かは分からないけど、あれでも俺の大家だ。あまり悪く言うのは止めて欲しいな」
「確かに。これは失礼をした」
ペコリと頭を下げる柳洞。
自分の非を認めれば素直に頭を下げるか。
いい奴ではあるけど……こいつの何に俺は違和感を抱いたんだ?
そんな風に考えながら、そろそろHRの時間が近い事もあって、俺は教室へと戻っていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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