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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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体育館裏のホーリー
  体育祭の練習とディオドラ・アスタロト

イリナ達が転校してきてから数日が経過したが、今はHRで体育祭で誰が何の競技に出るか決めている所だった。

「はいはい!私、借り物レースに出まーす!」

「私は玉入れをしたいわ!」

手を挙げるイリナとシーグヴァイラだったが、既にクラスメイトに溶け込んでいたのは流石俺やヴァーリでも驚きだ。イリナもシーグヴァイラも持ち前の明るさや男女問わず人気度も高いのか、すぐに友人が出来たようだけど俺がシーグヴァイラの婚約者だと言う事は知らない。高校生で結婚する年齢は、冥界ではリアスがいい例えとなったが人間界ではちゃんと制度があるので言ってない。

「兵藤とヴァーリは、最低でも二個か三個出てよね」

「それは俺達の体力が、他とは違うという事なのか?桐生」

「そう言う事なのよ。生徒会からも言われていてね、兵藤とヴァーリは他の男子と体力が違うとね。何だったら何個も掛け持ち許可が出たわよ」

「納得したよ。ではヴァーリよ、俺らはパワー系統やスピード系統のを選ぶとするか。それも2個ではなく、4個ぐらいにしないか?」

「その方が効率が良さそうだし、何より体育での俺らの身体能力は一般人と違うからな。それだと完全に俺らが有利となってしまうんじゃないのか?」

そう言う事になったので、俺は二人三脚と綱引きと短距離走で二人三脚の相手はアーシアとなった。短距離走は楽だが、二人三脚と綱引きはタイミングが重要だからなのかな。ヴァーリは綱引きと騎馬戦と短距離走になった。

何故か俺とヴァーリだけ三つやる事になったが、日頃の鍛錬を見せるべきだ。それに人間界本家に、住人が女子だらけとはなっていないので会話には困っていない。そう言えば前に前代創造神鋼から、この辺りになるとどうなるか聞いていた。

『学園祭シーズンになりますと、本来の主人公はハーレムを目指しているようでしたが家には両親以外全員女子だそうですよ』

『美少女で男子高校生にとっては理想の住まいなのかもしれんが、現実に考えると入り込む余地などないだろう。教会トリオが集まって女子トークを始めると、会話に入りづらいし小猫ちゃんまで入ると接触できるスペースが無くなるだろうな』

『主人公だけ男なので、何を話せばいいのか分からないそうですよ。織斑様は女心を理解していますから、その辺りの会話も自然と入れるでしょう』

『ゲーム・漫画だろうとエロい学生が女子会擬きに入り込むなど、とてもじゃないが会話が成立しないだろう。寂しくなって二大お姉様であるリアスや朱乃の所へ行っても、空しく感じるさ。ハーレム王何て百年早いわ小僧と言いたいぐらいだが、俺もかつてはそうだったのかもしれない。ま、今の俺は完全にハーレム状態ではある』

女子相手に複数相手が出来るようになったのは、前外史に行った時に身に着けたスキルだと思えばいい事だ。女が着る服のブランドやオシャレな店やらなど、俺にとっては朝飯前だと思っている。

次の日から学園全体で体育祭の練習が始まっていた。俺達のクラスも体操着に着替えて、男女合同でグラウンドにて競技練習をしている。イリナとゼノヴィアも練習してたが、遅いなと思ったのは俺だけか?皆は速いなとか言ってたが、俺とヴァーリは特別と考えた方がいいかもしれない。天使と悪魔だからなのか、普通の人間よりかは速いと思ったので俺も走ってみた。

「イリナにゼノヴィア、俺も混ぜてくれよ。皆速いと言ってるが俺も自信があるからな」

「いいだろう。勝負だイッセー」

「負けないわよ一誠君」

ルールはグラウンドを3周走る事、でスタートして2周目から独走状態となりそのままゴールをした。これなら優勝出来るかもしれないとクラス仲間がそう言っていたが、もう少し力を抑えないとな。

そんで女子から報告があって行ってみると、相変わらずエロ男子二人組が顔をにやけながら、女子のある部分を見てたので即処罰した。無論ハリセンでぶん殴ったが、あれで死ぬバカではない。すると後ろから、俺に話しかけた者がいたから振り向いたら匙だった。メジャーとか持って計測してた。

「兵藤、何やってんだ?凄い音が鳴ったが」

「よう匙。先程女子からの報告で来てみれば、コイツらが卑猥な目で見てたから俺が制裁しといた。ところでその右腕どうした?包帯巻いているから怪我でもしたのか?」

「ああこれな。この前兵藤と修業した時にラインをお前に繋いだろ?あの時血も一緒に吸ったのが俺の体と神器にも影響与えてるらしい、黒い蛇みたいなアザが幾重にも腕に出現したから隠している状態となった」

「アザゼルに聞いたがここまでとはな、微量だがヴリトラの気を感じる。ん?小さな宝玉もあるな。もし禁手化したら俺みたいに鎧を装着されるんじゃねえの」

「ヴリトラねぇ、そういえば兵藤はまだ六大龍王の時に会っていたんだろ?どんな奴だったんだ?」

匙はもしかしたら相棒になるかもしれないドラゴンの名前を言っていたが、俺は三大勢力戦争前に一度だけ会った事がある。それもドラゴンしか住んでいないという龍界と言う特殊な場所となっているが、今では龍界は存在しなくて絶滅する所をタンニーンが領地をもらって全てのドラゴン達を住ましたようだ。

「それで兵藤は競技、何出るんだ?三種目出る事は聞いているが」

「俺は短距離走と二人三脚と綱引きだ、お前は?」

「俺も悪魔だが、シトリーと黒神では次元が違うと言っていた。なので一種となり、パン食い競争となった。ヴァーリは?」

ヴァーリも三種目で綱引きと騎馬戦と短距離走になったと言うと、流石だな~と言っていたな。そんでソーナの気配を感じ取って、匙の後ろに目を光らせるとそこにソーナと副会長がいた。

「一誠さん。匙と会話している所なのですが、それはあとで構いませんか?テント設置箇所のチェックをしなければいけないので」

「我が生徒会はただでさえ、男手が足りないのですから働いて下さい。一誠さん達はこちらに来なくとも大丈夫ですから、今は競技の練習をしてやって下さい」

「悪いな兵藤。じゃ、俺は会長らに呼ばれているのでな」

そう言った匙は、二人の元へ戻って行くが生徒会で男は匙のみだったな。まあグレモリーも似たような環境ではあるが、下僕の躾に関しては一切こちらは干渉してない。あちらはあちらだからだ、こちらはこちらでやるとするか。

『ヴリトラか』

『懐かしい名が出てきたなドライグ』

『まあな、相棒との修業で急激に早めたようだな。幾重にも刻まれ魂が薄まろうとも、きっかけがあると話は別だ』

『俺は直に会った事はあるが、余りいい伝説は残ってないと聞く』

『すぐ近くにファーブニルとヴリトラ、次元の狭間本家にはティアマットがいるし冥界にはタンニーンがいる。最初から龍王に縁があるかもしれんな、一度だけ六大龍王と二天龍が揃った事なんてなかったからな』

さてとそろそろアーシアと練習しないかなと思いながら探してるとすぐ見つかった、桐生にセクハラされていたからだ。俺はアーシアを呼ぶとすぐに来てくれた、二人三脚用の紐を足首に結んでから軽く練習をした。

最初は掛け声で歩いて練習してから走り出したが、俺はアーシアに合わせる事で何とか本番までには出来そうだ。放課後、俺とヴァーリとアーシアとゼノヴィアとイリナとシーグヴァイラは部室に顔を出す。先に来ていた部長含めた他のメンバーは顔をしかめていた、何事?

「どうした?」

「若手悪魔のレーティングゲーム戦、私達の次の相手が決まったのよ」

へえーもう決まったのか。俺達は何も聞いてないが、黒神眷属は残った眷属と戦うようになった。次のレーティングゲーム、グレモリーの相手は対アスタロト戦。グレモリー&シトリー対黒神との一戦を皮切りに、例の六家でゲームが行われたがグレモリーもシトリー以外の家と戦う事となっていた。

それにアーシアと練習をしていると、ディオドラを救った事は後悔してないと言っていた。教会に居た頃、傷付いた悪魔を救った事で異端扱いをされて導かれるように駒王町に派遣された。まあそれはいいとして、俺らは練習を繰り返していた。

次の日の放課後、俺はアザゼルに呼ばれて部室に来ていた。イリナとシーグヴァイラとレイヴェルも一緒にいるが、単純に人間界本家の住人となった事で当主である俺と一緒に行く事となっている。イリナ達は当初他の部活に入ろうとしていたが、俺とヴァーリはオカルト研究部所属なので自動的に同じ部活所属とした。ちなみにソーナも何故かここにいる。

「全員集まったようね・・・・だけどソーナ達は何故ここにいるのかしら?」

「一誠さんと帰る為ですよ・・・・それに私達の帰る家が同じなのでね」

リアスはまあいいかと言いながら記録メディアを取り出した。

「若手悪魔の試合を記録したものよ。私達と黒神眷属のものもあるわ」

戦いの記録ね、俺は興味ないが一応見る事にした。俺達以外でも若手悪魔達はゲームをしたと、大王バアル家と魔王アスモデウスのグラシャラボラス家、大公アガレス家と魔王ベルゼブブのアスタロト家、それぞれが俺達と対決後にゲームをした。ライバルの試合なので、巨大モニターをじっくり見るリアス達。最初はバアル家対グラシャラボラス家の映像を見たが正直瞬殺だった。

ちなみに俺の膝上には常に小猫ちゃんがいるが、グレモリー達は同期の悪魔達となっている。俺らは最短記録が出るぐらいのゲームだったが、他のゲームは長期決戦のようだ。開始されてから数時間経過してたが、部員全員とはいえ他の悪魔らも視線が険しくなっていた。

眷属同士での戦いは、どちらも強力な眷属であったので戦いは白熱していた。問題は『王』同士の戦いだ。サイラオーグは体術で全て拳での勝負、一方ゼファードルは防御結界を何重にもしようが全て破壊されたようだった。

あのヤンキー野郎は、駒を全て無くしたらサシで勝負しろと挑発した。俺とサシでやった時だったがとても弱く感じたのは俺の気の所為か?と思ったが、ヴァーリも同様だと念話で伝わってきた。攻撃を全て弾き返されてから、拳一発で腹を打ち込まれていた。

あの一撃は映像越しの筈だが、辺り一帯の空気を震わせていた程の威力と見れた。腹部を押さえながら悶絶しているが、サイラオーグは拳と蹴りしか使ってない。

「いくら凶児ゼファードルと呼ばれ、忌み嫌われたグラシャラボラスの新しい次期当主候補とは思えない程弱いな。ま、サイラオーグ相手にサシで相手出来るのは俺らぐらいか?」

普通な感想であったが、俺ら黒神だけだったので他の者から見たらパワーやスピードはグレモリー眷属から見ると相当な技量なのだろう。俺とヴァーリは正直言って欠伸が出る程遅いと思ってたし、皆は速度を目で追っていたが徒手空拳する悪魔は少ないと聞く。

「リアスとサイラオーグは前に出すぎだと思うぞ、基本『王』は動かなくても駒を進軍させて敵を撃破するはず何だが」

「そうだな、一ちゃんの言う通りだ。お前らはタイマン張りすぎだと思うが、バアル家の血筋は血気盛んなのかね」

俺が言うとアザゼルも言ってきたので、リアスは恥ずかしそうに顔を赤くしていた。あのヤンキー野郎は、どれぐらい強いんだ?と質問したら決して弱くないと言っていたが、俺があの時殴ったが若手悪魔達の中で一番弱いと思った。まあ代理だからしょうがない。

「若手同士の対決前にゲーム運営委員会が出したランキングでは、1位がバアル、2位がアガレス、3位がグレモリー、4位がアスタロト、5位がシトリー、6位がグラシャラボラスでしたわ。黒神眷属は圏外と言ってましたから1位のバアルより強いかと。一度対戦しましたが、結果は一部覆ました」

「俺達は圏外なのは納得しているし、サイラオーグもこの先伸びると思うが若手悪魔の中だと怪物だろうな。俺らは元々異種戦として参加する予定だったから、公式戦に出れば俺らの名は更に上がるだろう。ライザーと比べても若手悪魔の中なら間違いなくサイラオーグが勝つ」

するとアザゼルが何かグラフを展開させた、これは各勢力に配られた物だったな。六名の若手悪魔の顔が出現し、その下に各パラメータが上へ伸びている。ご丁寧に日本語で書かれていたがグラフは、パワー・テクニック・サポート・ウィザード。あと『王』と表示されているが『王』の資質かと思った。

リアス、ソーナ、シーグヴァイラがそこそこ高めだったが俺はもっと上だった。リアスのパラメータはウィザードが一番伸びて、パワーもそこそこ伸び、テクニックとサポートはそこそこだった。サイラオーグはサポートとウィザードは若手の中で低かったがパワーは異常だった、部室の天井まで達した。

ちなみにアザゼルに俺は?と聞いてみたらエラーらしい。まだまだ未知の力を持ってるし、若手じゃなくて年長者の中でも1番か2番だとな。

「ゼファードルとタイマンしたサイラオーグは、一見すると本気を出していないな。まあ俺も本気出したら建物崩壊するからな」

「それは勘弁だな。一ちゃんは才能とかではなく、全て経験した事で力へと変えている。サイラオーグはバアル家始まって以来の才能が無い純血悪魔で、バアル家に伝わる特色として滅びの魔力を得ていない。滅びの魔力を強く手に入れたのは、従兄弟のグレモリー兄妹と最初から持っていた一ちゃんだろうがこの前の修業で得たルフェイもだったか」

「ウチの魔法使いであるルフェイは優秀でな、俺がやってみせてから修業させたらすぐに覚えたぞ。ヴェネラナがバアル家の出身というのは知っているし、俺で言う滅はリアスとサーゼクスに受け継いだ。家の才能よりも自分自身の力で引き継いだ純血悪魔は、今までいなかったからな」

俺らぐらいの修業をサイラオーグはやっていたが、尋常じゃない修練の果てに力を得た希有な純血悪魔と言う。己の体しかなかったから、愚直なまでに鍛え上げた結果徒手空拳だけで相手を倒すというスタイルだ。普通の純血悪魔は才能が溢れているが、サイラオーグは才能に恵まれなかったので生まれてから何度も何度も打倒され、敗北し続けた。

「華やかな上級悪魔、純血種の中で泥臭いまでに血まみれの世界を歩んでいると聞いたがそれは本当か?アザゼル」

「相変わらず情報収集は早いねぇー、その通りだが才能の無い者が次期当主に選出される事がどれ程の偉業なのか。敗北と屈辱と勝利の喜び、地の底と天上の差を知っている者は例外なく本物であるがサイラオーグはそれ以外の強さの秘密がありそうだ」

俺とアザゼルが話している間にバアル家とのゲームが終わったが、最終的にヤンキー野郎が物陰に隠れて怯えた様子で自らの敗北を宣言した事でゲーム終了となった。縮こまり怯え泣き崩れるヤンキー=雑魚を、何も感じないでその場をあとにして行く。

全く情けないぜと笑い飛ばせるが、場の空気ではなかったので俺らは無言となっていた。グレモリー眷属は気圧されていたし、映像が終わったので静まり返った室内でアザゼルは言う。

「先に言っておくが、グレモリーはアスタロトと戦ったら終わりだ。バアル家と戦うのは、一ちゃん率いる黒神眷属だ」

「あらま、俺はてっきりグレモリーの次がヤンキー野郎と思っていたが雑魚はもう再起不能となったのか?」

「一ちゃんで言う雑魚=ゼファードルは、先程の試合で潰れたと言うより再起不能となった。一ちゃんが若手悪魔会合の時に喧嘩仲裁時に、殴って仲裁したらしいと聞いたがあの時は心身ごと回復したからだ。だが今回再び心身に恐怖を刻み込まれた事で、戦えなくなったらしい。例えで言うなら、ライザーだな。負けた事がない奴が、たった一回で負けて塞ぎ込んでヒッキーになる程何だとよ」

「奴の心=精神を断ってしまったからか、まあ俺達と相手するなら瞬殺しないようなゲームをしたい」

「一番大御所である一ちゃん相手出来るのは、若手ならばサイラオーグしかいねえよ。対戦者の精神を断つ程の気迫で向かってくるが、一ちゃんは殺気と覇気を纏いながら向かって来るからな。現魔王であるサーゼクスの師でもあるから、グレモリー眷属だけだったら一ちゃん一人で崩壊させるぐらいだろうな」

次はバアル家と戦う訳か。てかもう決勝かよ、まあアイツの闘気はあの時に感じたがどうだろうか。それに俺一人だけでも充分戦えるが、俺はシーグヴァイラの試合がどうなったのか気になったので聞いてみた。

「そういえばシーグヴァイラもゲームしたと聞くがどうなった?勝ったのか?」

「いんや、アガレスは敗れたぞ。あのアスタロトに」

「大公が負けたとはな、黒神は最短記録を出したらしいがアガレス家を打ち破ったアスタロト家は大金星という事か」

「ええ、そうよ一誠。私はディオドラとのゲームに負けてしまったわ。なぜ負けたかはあとで話しましょうか、対決前のランキングはデータから算出した予想に過ぎないからね。ゲームが始まれば、何が起こるか分からないのがレーティングゲームよ。それにそこに魔法陣がでてきたわよ」

本当だと思い、魔法陣を見るとこの紋様はアスタロトのものだった。一瞬の閃光後、部屋の片隅に現れたのはあの時の優男だった。

「ごきげんよう、ディオドラ・アスタロトです。アーシアに会いに来ました」

部室のテーブルにはリアスとディオドラで対面していたが、アザゼルと俺は間に座っていた。他の者はリアスの後ろで待機していた。朱乃がディオドラにお茶を淹れて、リアスの傍らに待機。ライザーとは違い、用がある人物がアーシアだからだ。

そのアーシアはリアスの後ろで困惑した表情をしていたが、ヴァーリとシーグヴァイラとレイヴェルとイリナは俺らの後ろで待機していた。四人横に並んでいたので、狭くはないが余りディオドラに近付きたくないのかリアスの後ろへ行っていた。

「リアスさん。単刀直入に言いますが『僧侶』のトレードをお願いしたいのです」

『トレード』ね、確か『王』同士で駒となる眷属を交換出来るシステム。同じ駒ならトレード可能だと、アザゼルに聞いた事があるが『僧侶』って事はアーシア目当てか。

「僕が望むリアスさんの眷属は・・・・『僧侶』アーシア・アルジェント」

ディオドラも躊躇いなく言って、アーシアの方へ視線を向けていた。自分の下僕が載っているカタログのような物を出そうとしてきたが、リアスは間髪入れずに言った。

「そうだと思ったわ。けれど、ゴメンなさい。その下僕カタログを取り出して見たとしても、私はトレードする気はないわ。あなたの『僧侶』と釣り合わないのではなく、単純にアーシアを手放さなくないから。・・・・私の大事な眷属悪魔だもの」

「それは能力なのかな?それとも彼女自身が魅力だからなのかな?」

シーグヴァイラはディオドラを見ていたが、落ち着けという事で仙術を浴びせた。リアスは両方だと言ってから、朱乃は妹のように暮らしていると付け加えていた。まあ姫島家に住んでいるアーシアは、実の妹のように可愛がっている朱乃の気持ちも分からない訳ではない。それに求婚の意味を知っているのか?俺はアザゼルに念話混じりので会話をしていた。

『求婚した女性をトレードで手に入れるというのは、最低な事なのでは?』

『そうだな。それに一緒に生活をしている朱乃らの気持ちを無視しているようでは、このトレードは破棄だろうな。バラキエルから聞いたが、朱璃さんと朱乃は実の妹のように可愛がっていると聞いている』

『俺もそう聞いているぜ。にしてもよー、ディオドラの笑みがとても不気味なのは俺の気の所為か?』

「・・・・分かりました。今日はこれで帰ります。けれど、僕は諦めません」

俺らの念話が終わらせると同時に、立ち上がった奴は当惑しているアーシアの前に立つと跪き、手を取ろうとしていた。偽物の愛情を語っていたが、そう言えばヴァーリとアスモデウスからの情報だと、アイツの趣味は聖女やシスターを犯して自分の物にするとかだったか。

最低な野郎だぜと思いながら見ると、ディオドラがアーシアの手の甲にキスをしようとした時俺は間に入って腕を掴んでキスを制止させた。趣味の事を知っているなら尚の事だ、アーシアは俺が守る。

「放してくれないか、赤龍帝」

「放すつもりは毛頭ない。俺を動かす気があるなら、ゲームで勝負しようか?瞬殺してやるよ」

俺はエクスカリバーを出して聖なるオーラを放った、ディオドラ以外は俺が結界を張ってあるから心配ないがディオドラはどうかな?

「お前の趣味はもう知っているんだ、尚更どく訳にはいかないな」

「なら、今度のゲーム。君も参加したらどうだい?赤龍帝である君を倒せば分かってくれると思う」

「一ちゃん落ち着いてくれ、それとディオドラ。お前は一ちゃんを傷一つ付けられないだろう。それとゲームの日取りが決まったぞ。五日後だ」

アザゼルの言葉を聞いたディオドラは帰った。まだ秘密だがアスモデウスからの情報だと、あいつはアガレス戦の時に蛇を飲んだらしい。だから魔力が急激に上がりシーグヴァイラに勝ったし、『禍の団』に通じてる事も知っている。 
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