| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

moon light fantasy

作者:ケンケン4
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

自己紹介

「さて今日ですよね。」
「楽しみ!」

そう言って歓迎ムードのルスティグとクローバー。
今日はフォルツとアリスが来る日。少しだけ期待が高まっていた。
ちなみに部屋は何時も通りゴチャゴチャ。

「うーん。ライトさんの手紙によるとどうやら性格は多少難ありという話ですけどね。」
「そうなのかー。」

クローバーが某妖怪の真似をするとトントンとドアをノックする音が聞こえた。
丁寧なノックだ。

「あ?ひょっとしてもう来たかも!」
「クローバーさん。開けてください。」

そう言ってドアをクローバーは開けようと玄関に行こうするとドゴン‼︎という音と共にドアが吹っ飛んだ。そうして入ってきたのは噂のその人。黒と青を基調としたコートを羽織るフォルツ・レープリカと真っ白な綺麗な髪の美少女アリス・スタライズだった。
フォルツはドアをどん、と踏みつけると。

「トリニティの面々からの紹介だ。魔法科学に詳しいそうだな。ルスティグ教授。」
「トリニティの面々の言う通りですね…。大変な人だ…。」
「そんな事はどうでもいい。」

ルスティグがはあ、とため息を吐く中。フォルツがいつも通りに硬い口調でボソボソとしゃべるとふいにアリスがフォローに入る。

「すみません。フォルツは少し緊張してる様なので…。」
「ごめんね〜!フォルツがコミショーで!」

するとフォルツの傍からぴょこんと黒い影…。いや、白猫の使い魔、ニナがニヤニヤしながら出てきていた。
それを見てルスティグはお、と声を漏らす。

「これは使い魔ですね。しかも自らの意思があり、しかも喋る。これは面白いですね。」
「面白い?」

フォルツが聞き返すとルスティグは笑って自分の引き出しにある資料を見せる。

「4つの大枠の魔法の内、召喚魔法のことについて調べた資料です。この魔法は御存知の通りまだ分かってないことが多いのですが…
ここには普通、召喚された生物は死体か意思喪失状態らしいのです。」
「…。」
「ですからかならこの猫さんの召喚は珍しい。
…失礼ですがどの様な召喚魔法を?」
「それでホイホイと魔法を教えるバカがいると思うか…?」

フォルツはそう言ってルスティグを睨む。するとルスティグはふっと笑って。

「まあ、それもそうですね。」
「ところでさ!」

クローバーがにこやかにアリスに近寄るとアリスの手を引いて。

「ところでアリスとフォルツって付き合ってるの?」
「あー…。付き合ってるというか…。」
「アリスは俺の花嫁だ。」

アリスが言いにくそうにしている中、フォルツは当たり前の様にそう言ってきたのでルスティグとクローバーは目を丸くする。そうしてフォルツは無表情で。

「ああ、初めての (血を吸った)夜は凄かった。
…アリスも (血を吸われて)悶えていたしな。」
「ちょっとフォルツ!」
「「…⁉︎そこまで行ってるんですか⁉︎」」
「ああ、 (吸血鬼だから)当然だ。」

ルスティグとクローバーが真っ赤になってそれを聞いてニナは面白いオモチャを見つけた様にニヤニヤして。

「(あー勘違いって面白い♪面白いから黙っておこう♪)」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「それでは、自己紹介をしましょう。俺はルスティグ。ここの大学の教授です。専攻は魔法科学と薬学。よろしくお願いします。」
「私は助手のクローバー!クラブと呼んでもいいよ!」

そうやって研究室の主達は礼儀正しくお辞儀してきた。
それは礼儀作法が整っていた美しい礼だった。

「フォルツ・レープリカだ。」
「アリス・スタライズです。」
「ニナだよ〜!」

こっちはアリス以外礼義もへったくれもない三者三様の礼をする。
アリスは礼儀作法通りに、フォルツはただそのままつっ立ちながら、ニナは前足を振りながら。

「この研究室は自由に使ってもらっても構いません。ただ道具を使うときは、俺の許可を取って下さい。
それとこれから貴方達の宿舎を紹介します。
その後に施設も案内しましょう。
…いや、やっぱり施設からの案内にしましょうか。」

そう言ってルスティグはさっと外に出ていこうとするので慌ててアリスは質問をする。

「ちょっと質問していいですか?」
「はい?なんでしょう?」
「この部屋の中にある物で危険な物はなんですか?」
「そうですね…。」

ルスティグはそう言ってとある瓶を取り出す。その瓶の中には綺麗な蒼い色の液体が入っていた。 それを見てアリスはボソっと。

「…綺麗。」
「綺麗ですがこれは毒です。」

ルスティグはまるで魔術師の様に瓶をみせつける。その毒はまるで聖水の様に清く美しい色使いだった。

「これが?」
「ええ、『飲んだ者を封印する』毒です。これを飲むとどんな人もたちまち封印されます。」
「…!」
「私の自信作です。」

アリスが驚く中、そう言ってルスティグは瓶を懐にしまう。そう言ってニコリと微笑む。
どうやらかなり危険らしく取り扱いに細心の注意を払っていた。

「さて、話もそろそろに…。少し大学を案内しましょうか?」

 
 

 
後書き
感想と評価ボタン待ってます! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧