ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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月光校庭のエクスカリバー
会合×聖剣対魔剣
次の日、いつもの送迎ではなく自分の車で学校まで行き、近くの駐車場に置いてから学校に行った。授業はいつも通り終わってから、車に行き彼女らを迎えに行った。待ち合わせ場所に向かうと丁度いたので、車から降りてイリナの所に行った。
「ようイリナ。時間ピッタシだな」
「一誠君こんにちは。早速行きましょうか・・・・ゼノヴィア行くよ」
「ああ、よろしく頼む兵藤」
ドアを開けて席に座らせてから、俺は運転席に座って発進。そして十分後に学校に到着となり、車は旧校舎前に停めた。
「ここが悪魔のいる所ね・・・・緊張するわ。魔王の妹だしね」
「緊張しなくていいぞ、一応レヴィアタンの妹にも言っておいたから心配するな」
俺が先頭となり案内したが、二階奥の部屋である部室のドア前まで到着。イリナとゼノヴィアは、緊張した顔だったが、落ち着くような仙術と心配するなと言ってからドアを開けた。奥のソファには部長が座っていて、隣に朱乃が立っていた。木場、アーシア、小猫ちゃんは部屋の隅っこにいたが、俺はソファまで案内して自己紹介させた。
「リアス、茶色の髪をしてるのは紫藤イリナで俺の幼馴染だ。隣にいるのはゼノヴィアだ」
「初めまして教会の人よ。私の名はリアス・グレモリー。上級悪魔で爵位は公爵。一応よろしくと言っておくわ」
「一誠君から自己紹介してもらいましたが、私の名は紫藤イリナです。聖剣使いでもありますが、彼女はゼノヴィア。彼女も聖剣持ちです。早速ですが、私達はこの町を管轄しているリアス・グレモリーに交渉して来ました」
「交渉、ねぇ・・・・交渉内容によっては、私が判断するけどいいかしら?」
冷たい空気感でリアスがそう言ってきたから、俺が訂正として発言した。リアスは判断を俺に任せるわ、と言って説明を始めたのだった。
「先週カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側、正教会側に保管と管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われた。今は二本だけあるが、一本はまだ行方不明だ。聖剣エクスカリバーは大昔の戦争で折れてしまったが、七つに分かれたのが今のエクスカリバーと呼ばれている。イリナとゼノヴィア、一応リアス達に聖剣を見せてもらえないか?」
カトリックとプロテスタントは、それぞれ派閥があると聞いた。ゼノヴィアが、布に巻かれた長い物体を解き放つと現れたのは一本の聖剣。あれは『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』だな。
現れた瞬間リアス達の体中を冷たいものが走る恐怖や戦慄に畏怖、特に木場は突然斬りかかってくると思うから一応結界を張っておいた。俺みたいに聖なるオーラを最小にする技術など、俺しか出来ないからな。
「これが今の聖剣の姿さ。大昔の戦争で四散した聖剣エクスカリバーは、折れた刃の破片を拾い集めて錬金術によって新たな姿となった。その時七本作られたが、これがその一つだ。私が持っている聖剣エクスカリバーは『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』となるが、七つに分かれた聖剣の一つだよ。カトリックが管理している」
ゼノヴィアは、自分の得物を紹介したら再び布でエクスカリバーを覆った。聖なるオーラが出ているからなのかもしれんが、よく見れば布には呪術の文字らしきものが記されていた。日本では、銃刀法違反で逮捕されるかもしれないからだ。今度はイリナが、懐から長い紐を取り出して説明を始めた。
「私の方は『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』で、こんな風にカタチを自由自在に出来るから持ち運びに凄く便利です。このようにエクスカリバーはそれぞれ特殊な力を有している。こちらはプロテスタント側で管理してます」
確かに便利だもんな。俺もほとんど刀や短剣で持っているし、軍人でもあるから普段から持ち運べるようにしてある。恐怖を抱えてないが、リアス達悪魔は恐怖を抱えていたのでイリナはしまった。
「イリナ・・・・兵藤に言うならまだしも、悪魔にわざわざエクスカリバーの能力を喋る必要も無いだろう?」
「あらゼノヴィア。いくら悪魔だからと言っても、信頼関係を築かなければこの場ではしょうがないでしょ?私の剣は、能力を知られたからとしても悪魔の皆さんに後れを取る何て事ないわ。一誠君は、仲介役であるから知っておくべきよ」
「コホン・・・・俺は七本の聖剣に関しては知っているが説明ありがとうイリナ。それとゼノヴィア、イリナの言う通り、信頼関係を築かないとこの会合は成立しない。代わりに説明するが、ゼノヴィアの持ってる聖剣、破壊の聖剣はエクスカリバーから生み出された聖剣の一つで、七本の中で一番の破壊力を誇ると言う」
俺は脱線した話を元に戻そうと聖剣の話をしたが、正直イリナ達は気づいてないが木場は今こちらを見ている。まるで鬼の形相のような目で聖剣を見ていたので、俺は木場に念話で『冷静になれ!』と言ったらいつもの顔に戻った。
「・・・・それで?奪われたエクスカリバーが、どうしてこんな極東の国にある地方都市と関係があるのかしら」
リアスは変わらずの態度で話を進めるが、目は笑ってはいなかったので俺が説明を続ける。まあしょうがないか、敵対組織と相手をしているようなんだからな。
「カトリック教会の本部に残っているのは、ゼノヴィアとイリナが持っている二本だけだった。プロテスタントの元に二本と正教会にも二本で、残る一本は神・悪魔・堕天使の三つ巴戦争の折に行方不明。各陣営から一本ずつ奪われたらしいが、奪った連中は何故かここ日本に逃れてこの地に持ち運んだ。奪った奴らは、神の子を見張る者と言うが堕天使曰くグリゴリとも言う」
「私の縄張りは出来事が豊富なようね。しかも堕天使の組織に奪われたのは、失態所ではないわね。でも確かに奪うとしたら、堕天使ぐらいなものかしら。上の悪魔にとって、聖剣は興味薄いもの」
「話を続けるぞ。盗んだ連中は既に把握済みであり、グリゴリ幹部のコカビエルだそうだ」
「コカビエル・・・・古の戦いから生き残る堕天使の幹部・・・・聖書にも記された者の名前が出されるとはね」
俺も一瞬疑ったが、奴は戦闘狂で戦争狂だ。面倒な奴が盗み出したが、アザゼルはこの事を知っているかについては、後々聞いてみよう。
「先日この町に神父、エクソシストを秘密裏に潜り込ませていたんだが、ことごとく始末されている」
あの時の神父か、なるほどな。しかも相手はフリード・セルゼンだから、面倒事に巻き込まれたとも言うかもしれん。俺が依頼を受けてもいいが、三大勢力に関わるから仲介役だけにしてある。いつ戦闘になるかもしれないし、俺が基本こう言う事は不干渉としている。人間だけど神でもある俺の場合はな。ふとゼノヴィアが口を開いた。
「私達の依頼・・・・いや注文とは私達と堕天使のエクスカリバー争奪の戦いに、この町に巣食う悪魔が一切介入して来ない事。つまりそちらは今回の事件に関わるなと言いに来たが、兵藤だけは例外だ。ミカエル様とは盟友と聞いたのであれば、私達と協力してくれるのでな」
ゼノヴィアの物言いに、リアスの眉が吊り上る。確かに俺はどこの勢力のでは無いから今回の事件も協力可能だ。
「随分な言い方よね。それは牽制かしら?もしかして私達が、その堕天使と関わりを持つかもしれないと思ってるの?手を組んで聖剣をどうにかすると」
「本部は可能性が無い訳ではない、と思っているのでね」
リアスの瞳に冷たいものが宿ったが、相当怒っている。自分の領土に足を運んだ敵を、自分達のやる事に手を出すなと言っているようなもの。教会の上層部は、悪魔と堕天使を信用してない。
「上は、悪魔と堕天使を信用してない。聖剣を神側から取り払う事が出来れば、悪魔も万々歳だろう?堕天使共と同様に利益がある。それ故、手を組んでも可笑しくないから、先に牽制球を放つ・・・・堕天使コカビエルと手を組めば、我々は貴女達を完全に消滅させる。例えそちらが魔王の妹でもだよと私の上司からだ」
ゼノヴィアは、リアスの睨みに臆する事なく淡々とした口調だ。
「・・・・私が魔王の妹だと知っているという事は、貴女達も相当上に通じている者達のようね。ならば言わせてもらうわ。私は堕天使など手を組まない事に関しては、絶対によ!グレモリーの名にかけて、魔王の顔に泥を塗るような真似はしない!」
拮抗状態の両者だが俺は例外、利害が一致すればコカビエルと手を組んでも可笑しくないが、俺は戦争狂とは仲良くしたくない。ゼノヴィアはフッと笑った。
「それが聞けただけでも良いさ。一応、この町にコカビエルがエクスカリバーを三本持って潜んでいる事をそちらに伝えておかねば何か起こった時に、私が教会本部に様々な者らに恨まれるからね。協力は仰がないし、そちらも神側と一時的にでも手を組んだら三すくみの様子に影響を与えるだろう。特に魔王の妹なら尚更だよ。だが兵藤には何も影響は無いが、何しろ三大勢力トップと知り合いだと聞いた。それに先週、四大熾天使の一人であるミカエル様にも会わせてもらったからな」
ゼノヴィアの言葉を聞き、多少表情を緩和させたリアスは息を吐く。俺は影響無いから一安心だ。
「正教会からの派遣は?」
リアスの問いにゼノヴィアは答える。
「奴らは今回この話を保有した。仮に私とイリナが奪還に失敗した場合を想定して、最後に残った一本を死守するつもりなのだろうさ」
「では二人で?二人だけで堕天使の幹部からエクスカリバーを奪還するの?無謀ね。死ぬつもり?」
呆れ声のリアスだが、イリナとゼノヴィアは決意の眼差しで言う。
「そうよ。でも今回は強力な助っ人がいるもの」
「私もイリナと同意見だが、出来るだけ死にたくはないな。助っ人がいるから安心している」
「助っ人とは誰なの?死ぬ覚悟で来たというの?相変わらず貴女達の信仰は、常識を逸しているのね」
「我々の信仰をバカにしないで頂戴、リアス・グレモリー。それと助っ人はそこにいる一誠君よ。ね、ゼノヴィア」
「まあね。それに教会は堕天使に利用されるぐらいなら、エクスカリバーが全て消滅しても構わないと決定した。私達の役目は、最低でもエクスカリバーを堕天使の手から無くす事だ。その為なら、私達は死んでもいいのさ。エクスカリバーに対抗出来るのはエクスカリバーだけであるが、兵藤は逸材した力を持っていて対抗力を持っているからな」
「俺は現赤龍帝でもあるし、俺の剣は聖剣でも魔剣でも対抗可能。それにしてもコカビエルか・・・・あの戦争以来会っていないな」
俺が赤龍帝だと言ったら、イリナ達は驚愕しながら嬉しそうにしていた。エクスカリバーにも対抗出来る力があるから、更に嬉しそうにこちらを見た。
「二人、いえ三人。それは可能なのかしら?それと一誠は、こちら側の味方よ」
「リアス・・・・一つ言っておくが、俺は三大勢力に属していないから味方でもなければ敵でもない。それだけは覚えて置く事だが、俺はサーゼクスの頼みでお前達に協力しているだけだ」
俺の一言で両者は見つめ合ったまま、会話も途絶してから五分後イリナとゼノヴィアにアイコンタクトしてから合図を送る。
「それではそろそろお暇しようか。イリナにゼノヴィア、帰るぞ。この会合は終了とする」
「待って一誠。お茶くらい飲んでいかないの?お菓子ぐらい振舞わせてもらうわ」
「それはいらんだろう。俺も情報を集めないといけないからな。イリナ、ゼノヴィア行くぞ」
リアスの誘いを俺が断って俺達は、その場をあとにしようとするが不意に二人の視線が部屋の隅にいた人物に目を合わせた。
「まさかここにいるとは思わなかったが『魔女』アーシア・アルジェントか?まさかこの地で会うとはな」
『魔女』と呼ばれ、ビクッとアーシアは体を震わせた。その言葉は、アーシアにとって辛いものだ。イリナもそれに気づいたのか、まじまじと見ていた。
「貴女が、一時期内部で噂になっていた『魔女』になった元『聖女』さん?悪魔や堕天使をも癒す能力を持っていたらしいわね?追放されどこかに流された、と聞いていたけど悪魔になっているとは思わなかったわ」
「・・・・あ、あの・・・・私は・・・・」
二人に言い寄られて対応に困るアーシア。俺?俺は静観している。
「大丈夫よ。ここで見た事は上に伝えないから安心して。『聖女』アーシアの周囲にいた方々に今の貴女の状況を話したら、ショックを受けるでしょうからね」
「・・・・・」
イリナの言葉に、アーシアは複雑極まりない表情を浮かべていた。
「しかし悪魔か。『聖女』と呼ばれていた者。堕ちる所まで堕ちるものだが、まだ我らの神を信じているのか?」
「ゼノヴィア。悪魔になった彼女が、主を信仰しているはず無いでしょ?」
呆れた様子でイリナが言った。
「いや、その子から信仰の匂い・・・・香りがする。抽象的な言い方かもしれないが、私はそういうのに敏感でね。背信行為をする輩でも、罪の意識を感じながら信仰心を忘れない者がいる。それと同じものがその子から伝わってくるのだよ」
ゼノヴィアが目を細めながら言うと、イリナが興味深そうにまじまじとアーシアを見る。
「そうなの?アーシアさんは、悪魔になったその身でも主を信じているのかしら?」
その問いかけにアーシアは悲しそうな表情で言う。
「・・・・捨て切れないだけです。ずっと信じてきたのですから・・・・」
それを聞き、ゼノヴィアは布に包まれたものを突き出す。
「そうか。それならば今すぐ私達に斬られるといい、今なら神の名の下に断罪しよう。罪深くとも我らの神ならば、救いの手を差し伸べて下さるはずだ」
ゼノヴィアが、アーシアに近づこうとしたので俺が止めた。
「止めておけ。今はアーシアより、もっと大事な使命があるだろう?ここは俺の顔で許してやってくれないか・・・・そうじゃないと俺がお前達を斬らないといけなくなる」
ゼノヴィアにそう言ったら、大人しくなってくれた。聖剣を布に包みこみ、今度こそ去ろうとしたら木場が文句を言ってきた。
「その前に僕と戦ってくれないかな?聖剣使いさん」
「何だ。こっちは大人しく帰ろうとしたのだぞ」
「僕らの仲間であるアーシアさんを斬ろうとしたんだ、それに怒ってるのは僕だけじゃないよ」
リアスを含めて俺以外の者は臨戦態勢に入ろうとしていたので、イリナとゼノヴィアは聖剣をリアス達に突きつけた。
「こらこら喧嘩するんじゃない!もしここで戦うんだったら、俺が相手になってやってもいいぞ?」
俺は殺気と覇気を解放後、全員が汗だらだらにして臨戦態勢を解いた。全く何をやってるんだか。
「だったら外で戦えばいい。木場対ゼノヴィアで、木場は聖剣計画の生き残りだからな。自然と殺気が出てるぞ木場」
「それは丁度良いね。僕が相手になろう」
部屋中に殺気を飛ばした木場だったが、今は外にいる。俺達は今、球技大会で練習場所に立っている。俺ら周囲一帯に金色の魔力の結界を張っているので、俺は結界内の真ん中の端にいて木場は左側、対峙するようにイリナとゼノヴィアは右側にいる。他の部員は結界外で見守っている。
「では始めようか。先輩の力も気になるしな。兵藤、審判を頼む」
ゼノヴィアは白いローブを脱ぎ、黒い戦闘服姿になった。俺と被るような気がするが、木場は刀身をゼノヴィアに向けている。対してゼノヴィアは、得物の布を取ってエクスカリバーを解き放つ。一方木場は、魔剣創造したが今まで見た事ない魔剣だったので小さな声で聞いてみた。
「木場、その魔剣の名は?」
「そうだね。聖喰剣(セイント・イレイザー)と呼ぼうか。文字通り聖なるオーラを吸収する事が出来る魔剣さ」
「なるほど。だが気を付ける事だ、相手は破壊の聖剣だからな。ぶつかった瞬間折れる可能性大となるから、充分気を付けよ弟子よ」
「はい一誠君。違った師範!」
俺は元の位置に戻って、ルールを確認した。相手から参ったと言うか、相手が戦闘不能になる事だ。殺す事は、俺が許さないから殺るなら峰打ちでやれと強く発言した。俺が合図を出して、戦いは始まったが最初は口論から始まった。
「笑っているのか?」
「うん。倒したくて、壊したくて仕方がなかったモノが目の前に現れた。これは好機だと思ってもいい程に、とても嬉しいのさ。悪魔やドラゴンの傍に居れば、力が集まるとは聞いていたけどね」
「・・・・『魔剣創造』か。神器所有者は、頭の中で思い描いた魔剣を創り出す事が可能だと聞いている。魔剣系神器の中で特異なもの。・・・・『聖剣計画』の被験者で、処分を免れた者がいるかもしれないと聞いていたがそれは君の事か?」
ゼノヴィアの問いに答えなかった木場。ただ殺気は向けているだけ、殺し合いは禁止。もしそうなったら、意地でも俺が止めてやる。口論から戦いが始まったが、火花が散り木場に斬りかかる。木場は、速さで勝負を賭けるようだ。
一方ゼノヴィアは、パワー型なのか押しているだけだ。木場は受け流して、一太刀入れようとしているが、既に木場の魔剣はヒビが入っていた。流石は破壊の聖剣。パワーだけでなく、硬さも一番のような感じだ。聖喰剣が折れてしまったので、新たな聖剣を二本創りだした。
「行くぞ!燃え尽きろ!そして凍りつけ!『炎燃剣(フレア・ブランド)』!『氷空剣(フリーズ・ミスト)』!」
片方の魔剣からは業火が渦巻き、もう片方の魔剣は冷気とともに霧氷が発生した。結界内にいる俺だが暑いような寒いような中間となっていた。イリナは防御魔法陣で身を守っていたが、神速の速さでゼノヴィアに四方八方から斬りかかった。
「『騎士』の軽やかな動き、そして炎と氷の魔剣か。だが甘い!」
ゼノヴィアの一振りで、二本の魔剣は砕け散った。木場は一撃で破壊されたので絶句していたが、やはり破壊に特化した聖剣の威力だな。
「我が剣は破壊の権化。砕けぬものはない」
ゼノヴィアは長剣を器用の回したと思えば地面に振り下ろした。
『ドォォォォオオオオオオオンッッ!』
突然足場が激しく揺れたが、結界外は何ともなかったが結界内は激しく揺れる。地面に振り下ろした場所を見ると、クレーターが出来ていた。あれで力を出していないが、俺のエクスカリバーだってあんな芸当は可能だが、俺的にはやりたくない。
「これが私のエクスカリバーだ。有象無象の全てを破壊する『破壊の聖剣』の名は伊達じゃない」
俺の剣だったら、受け止められるがあんなのは御免だ。一々クレーターが出来る位だから、木場はその光景を見てから苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべていた。
「・・・・真のエクスカリバーでなくてもこの破壊力。七本全部消滅させるのは修羅の道か」
木場はそう言っているが、俺は持っているんだよね・・・・真のエクスカリバーを。教会関係者であるイリナとゼノヴィアに見せる時期ではないが、いつか見せるさ。
「もう!あの子もゼノヴィアもだけどこっちも考えてほしいわね。暑いし寒いと思ったら、突然地面が壊れたのだから。周りは土だらけだわ」
イリナは毒づきながら、服についた土を払っていた。戦いは終盤になっていた木場は、新たな魔剣を創ってゼノヴィアに挑んでいた。新たな魔剣は、幅が太い魔剣だったが木場が気合いを入れ直して新たな魔剣と共にゼノヴィアのエクスカリバーに向かったが先に折れたのは木場の魔剣だった。
折れた後また創ろうした瞬間、ゼノヴィアのエクスカリバーが木場を斬り倒そうとしていたので俺は判定を止めて、空間から刀を取り出して木場を守った。驚愕だったのは両者だが、何しろ破壊の聖剣を刀一本で受け止めたのだから。
「勝負はそこまでだ。この勝負はゼノヴィア、お前の勝ちとする。だから矛を収めろ、木場もだ。お前も矛を収めろ・・・・この勝負はもう終わったんだ!」
木場を抱えて後退後、ゼノヴィアはまだ驚いていたが冷静になってローブを掛け直してエクスカリバーを布で包んだ。結界解除後、俺は指パッチンをするとまるで戦う前の状態になっていた。ゼノヴィアはこちらに近づいて言った。
「君の武器は多彩な魔剣とその俊足だ。巨大な剣を持つには筋力不足であり、自慢の動きを封じる事にもなる。破壊力より神速を活かしたら私の負けだったかもしれぬ。聖剣計画の先輩よ、次はもう少し冷静になって立ち向かうがいい。リアス・グレモリー、先程の話はよろしく頼むよ。それと下僕をもう少し鍛えた方がいい。センスだけ磨いても限界はあるが、会合は終了だから送り迎えを頼む」
俺は了解と言いながら、木場から離れて彼女達へ向かった。既に知っているが、白い龍は目覚めているけど俺の相手ではないような気がした。イリナとゼノヴィアを車の中に座らせて送って行き、木場についてはリアスに任せる事にした。
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