ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
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第25話 =謎が増えた気が…=
前書き
…タイトルってあとから考えるものじゃないって気づいたよ…
タイトルちょい適当です、すいません
=???=
「…ここ…は?」
SAOというもう1つの現実として作られた世界にこんな真っ白で何もない世界はなかったはずだ。
重力はあるはずなのに足元が地面いついておらず覚束ない。
「ここはお前のいわゆる心の中だ」
そういったのは目の前にいる人間。背中と腰にそれぞれ2本の大剣を装着し服装は俺も何度も見たことのある白い服、【称号 抜刀騎士】のものだった。
よくよく見てみると、SAO一番最初の時、茅場からプレゼントされた鏡に移ってた自分とまったく同じ顔をしていた。
「だ、誰だ!!…それに心の中って」
「まぁ待て。武器に手をかけるな。ちゃんと説明するから…そんなに1度に答えられるか」
俺のような相手はため息をつきながら俺を制す。
「俺は、『二重人格』としてのお前だ」
「…は?…二重人格って…あの?」
「それ以外に何がある」
また、俺の顔に呆れられた。正直信じられない…だが俺?はそのまま話を進める
「お前、このゲームで起こったことを「自分に対し起こったことではない」とか一瞬でも考えていなかったか?」
俺のようなその人物は険しい顔で俺に問い詰める。
言われてみれば何度かそう思ったことはある、というかない人はいないと思う。本当にここを現実、と考えている人以外に限るけど。
少しくらい顔をしていたらしく俺?は「詳しい説明は省くが」といって話を進めた。
「感情がバグを起こす、とはなかなか考えられないが万が一のためカーディナルはこのようなシステムをずいぶん最初からすでに始動していた。
本来、心を癒すAIの行動を制限して…」
その心を癒すAI、というのが何か知らないので聞き流そう。
「聞き流すな」
「何で判った!?」
「システム上とはいえ、俺はお前だ。大体何を考えているかは分かる」
本格的にゲームに精神までコントロールされるという恐ろしい現象が開始したのか、と思ったのだがそうではないらしい。
「これはあくまで治療だ。精神が安定するまでの、な」
「ってことは…お前の言い分だと…俺は精神グラグラで危ないからお前が生まれたってことか?」
俺のとてつもなく省いた説明にも頷く俺?。
「ならなんで俺…なんだ?キリトとかアスナ、サチも一時期ひどいときがあったのに…」
キリトは月夜の黒猫団が全滅という最悪の結果で解散した後、いつ自分は死んでも構わないというくらいにダンジョンに出続けていた。アスナもアスナでバーサーカーな時があったのだ。
というか全員そういった傷は負ってるんじゃないか?ユカは彼氏に裏切られたとかだし、シリカも一回ピナ、死んじまったし。リズは心のそこで現実に対し怯えていた。
いまじゃ全然、それどころかいい方向に向かっているが。
「あいつら以上にお前の傷がでかいんだよ。
それに、お前はその他人の傷を負う場面を幾度となく見てきただろ。それで、だよ」
「……そう、か…」
「正直、俺はお前の悩みを聞くただのAIだと思ってもらってもいい。ただし、戦闘で症状が発生したときには無理矢理にでもお前の体のコントロールを乗っ取るがな」
それが行われたのが、先ほどのバルバトス戦…
確かにソードスキル全然使ったことのない俺が双・大剣士専用ソードスキル2つほど発動してたからな…意識はあるけど体は別の人のもの、見たいに感じたもん。
「可愛く言っても気持ち悪いだけだ…まぁいい。これからはお前の中で見させてもらうさ」
「お、おう…よろしく…!?」
突然、コツコツと近づいてきて握手を求めてきた俺?。それに対し握手で答えると突然辺りが輝きだし何も見えなくなってしまった。
=第68層=
「……ヤ!…クヤ!!」
「…きてください、リクヤさん!」
俺が意識を取り戻すとサチやシリカなどの凛々の自由のメンバー+アスナ、キリトが俺を心配そうに見ていた。
「ここは…心の中ってわけじゃない…か…」
目の前には先ほど俺が戦っていた場所が広がっている。その言葉を発した瞬間、仲間4人が俺に抱きついてきた!
普通に恥ずかしくひっぺ剥がそうとしたけれど皆、瞳に涙を浮かべていてそんな思いは一気に消え去った。
「…ごめん」
「遅いわよ!!…こんなに心配させて!!」
「私たちだけならともかく、アスナやキリトに心配かけさせないでよ!!」
ユカ、リズに軽く殴られながら、でも2人も涙を浮かべているので俺は謝るしかなかった。記憶がはっきりとしてきた中、キリトがオレンジカーソルになったことを思い出す。
「なぁ…キリト…カーソルが…」
「あぁ、これか?信用回復クエでもやるさ。1日ありゃ終わるだろ」
まるで心配するな、といっているようだった。いや実際そういってるのかもしれない。
「それよりも…さっきのは?」
「っ…」
ついに聞かれてしまったか…こんなときにその二重人格の俺が出てきてくれればいいのに、と思ったが頭に直接響く感じで『自分で解決しろ』と怒られた。説明なら向こうのほうが絶対上手いのに…嘆いていてもしょうがないので一旦深呼吸してから口を開く。
「エクストラスキル…『特殊二刀流』。でも俺は『双・大剣士』って呼んでる」
「なんで…隠してたの?」
キリトからの質問だったのにサチにとても強い口調でそういわれてしまう。
「…怖かったんだ…皆がこれのせいで離れるかもって思うと…」
俺は嘘偽りなく恐怖として感じてたものを語り始めた。俺は1人が嫌な人間だ。序盤はデスゲームということが信じられなかったためそんな風には思わなかったがあの全滅の事件により1人でいるのに恐怖を感じた。
2,3時間ならまだいい、よくそれはしてたから。でも俺が今言っているのはそんなものではない。簡単に言えば離れて欲しくないのだ。
そのことを吐露すると予想していた言葉とは違うのが帰ってきた。
「馬鹿じゃないですか!!」
「…そうよ、シリカちゃんの言う通りよ!!何年幼馴染やってると思ってるの?」
「そんなんでアンタを嫌いになるわけないでしょ…たく」
「…ありがとう……」
俺はもう、感謝の言葉しか口から出せず、目にも涙を浮かべていた。
「…これはまだ秘密にするの?リクヤ君」
「俺達が言わなければそれは可能だけど…どうするんだ?」
アスナ、キリトからの両名に言われ、一旦涙を止めて少し悩んだ。確かにここで隠してもらえば恐らくしばらくはばれないけど時間の問題、かといって今すぐばらすことのできる代物でもない。なにか出来事があればいいのだが…
「…今はゆっくり考えよ?急いでもいい結果は出ないよ」
サチに促され、一旦この場では秘密にすることとなった。いつまで持つか分からないけどその前にいい案を考え出さなければ…
「俺達が今から近道の様子見にいくからリクヤたちは先帰ってるか?」
「…頼む」
いまは動きまわる体力がないためキリトに確認を任せ、俺たちは素直に下山することにした。
幸い、覗き見してたなんてプレイヤーもおらず今はばれなさそうだ。
歩く力も入らないのか、俺は肩を支えられて少しづつ下山していった。
そして十分程度歩いてやっとの事で下山することが出来た。
モンスターはサチやシリカが倒してくれて俺の前にモンスターなど存在させなかった。
「…ついた…か…」
「ここでキリトたち待とうか…」
サチがそういうとユカたちも頷き、近くのベンチで座ることにした。すると、みんなさっきの戦闘の疲れなのか時々首
をコテンとさせ寝かけていた。
「キリトたち来たら起こすし、それまで寝ときなよ」
「…いいんですか?」
「遠慮すんなって。ちゃんとここにいるから」
「…なら、遠慮なく…寝るわ…ね…」
早速ユカが寝てしまい、俺の肩に頭を乗せた。ちなみに今の座り順はベンチ前にサチとリズ、俺を真ん中に左右にシリ
カ、ユカという感じだ。
続けて隣のシリカも肩を乗せ、さらにリズ、サチも俺の脚にもたれて静かに寝息を立てていた。
「…ありがとな…」
みんな、今まで頑張ってきているというのは重々承知だ。なにせシリカは中層プレイヤーからの攻略組、リズは本来
前線で戦うプレイヤーではない。それなのにも一生懸命レベルを上げ俺たちについてきている。
そんな皆のおかげで多分俺も今まで戦えてたんだ…な…
『思いふけっているところ悪いが…』
「うわぁ!?…なんだよ…」
『例の黒の剣士、それに閃光が来たぞ』
俺の頭の中で響く声を頼りに周りを探す。どうやら頭のなかのヤツと会話できるらしい…変じゃね?
すると門のところらへんで2人一緒に歩いてきているが見えた。
気づくのが遅れてしまい、急いで4人を起こそうと軽く叩く。圏内とはいえ軽くノックバックは来るためその衝撃で起
きてくれればうれしいんだけど…なんて思っていたら皆同じように目を擦り起きてきた。
「お帰り。どうだった?」
「そ…それが…」
次のキリトの発する言葉は俺はもちろん、直前まで眠っていた全員の目を覚まさせるほどの威力を持っていた。
「「「「「ボスがいなかったぁ!?」」」」」
「うん…」
浮かない顔をしたアスナが続く。2人の話によると、どうやら近道からとても短い距離でボス部屋までたどり着くこと
が可能だったらしい。それでボスの情報も確認したほうがいい、という2人の結論により部屋に入るとそこではボス部屋に入ると先頭を始める合図のような炎が立ち上るエフェクトは発動せず、モンスターもいなかった。
そして試しに次の層へ続く扉に触れるとその扉は開き、次の層に進めたというのだ。進めたからには転移門をアクティベートして帰ってきたらしいのだが。
「もしかしたら…あのバルバトスってやつがボスだったのか?」
「かもな…あの強さはフィールドボス以上だったぞ」
「でもそれだと矛盾しないかしら?ボス部屋からは出てこれないはずでしょ」
俺たちは全員頭を抱えだしそうな勢いで悩みはじめる。するとサチが何か思いついたように話し始めた。
「もし…もしかしたらだけど…私たちがあの近道を開いたことであのバル…バルバトスってのがボス部屋を守る存在になったっていうのは…?」
俺達がその近道を開いたことで本来いたボスモンスターは消滅し、その代わりその穴を埋めるべくバルバトスがボスモ
ンスターになったということらしい。ありえない話ではないけど、そうなったらゲームバランスが崩壊しないか?
「あ、あくまで推測…だよ?」
「…細かいこと気にしたって仕方がない。今回はたまたまってことで…これより上に近道がないって可能性もないけど考え続けても答えなんか分かりやしないさ…」
キリトの言うとおり俺たちただのプレイヤーにはこの上のことは推測すら出来ない。すべてを知っているのは恐らく茅
場のみだろう。その茅場はいまどこで何をしているか分からないが。
「だな…そういえばお前、カーソル元に戻ってるな」
「ん?…これか…アクティベートしたらなぜか戻った」
今回いろいろありすぎてどんどん謎が増えてきた。近道開放したらボスいなくなるし、オレンジがアクティベートした
らカーソルも元に戻る。この方法は攻略組にしか出来ない荒業だけど…
今日は一旦休んで明日から60層代最後の層をキリトたちは攻略を始めるという。アスナたち血盟騎士団は今日のこと―
俺のあのことは除いてくれるらしいが―を一旦報告してから攻略予定を立てるという。
俺たちは明日は明日の風が吹く、みたいな気軽な感じで攻略に参加しているのでどうなるか分からないが…こんどのボス攻略までに俺のスキルを公開するっていう覚悟は決めなきゃならないな…
後書き
リ「二重人格増えましたけどォ!?」
涙「…俺は悪くねぇ、俺は悪くねぇ…」
リ「なんで設定増やした?」
涙「だって…リクヤもいろいろなプレッシャーで心壊れてきてるんじゃって思ってさ」
リ「プレッシャーて」
涙「他の人の悲しい現実、さらに突き放されるかもしれないという恐怖によりシステムに以上が出たら…ねぇ?」
リ「ねぇ?…言われても…理解できねぇよ…」
涙「ま、今回スポットを当てたのはラタトスクの騎士のエミルみたいな感じだから
…あそういえば、と、毎回作品を読んでくださってありがとうございます」
リ「珍しくお前が言った!?」
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