ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
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第24話 =双・大剣士開放=
前書き
信じられないグダグダ感が予想されます
「ぶるぁぁぁぁ!!!!」
「ッ!?みんな、避けろっ!」
突然バルバトスは、構え突進を繰り出してきた。恐らくソードスキルではなくテイルズの技だったような気がする。
俺の声にアスナ、キリトは横に跳びその場を離れる。戦闘に手馴れており敏捷値の高いサチ、ユカはシリカ、リズをそれぞれ抱えながら同じように離れる。
その突進攻撃は俺に一直線だったので自分の大剣でその攻撃を受け止める。
「…くっ!」
防御だけで俺のHPは一気に3割近くに表示されてしまった。一応、俺はボス戦でダメージディーラーだがタンクもこなしているのだがそれでも普通ではありえないくらい削られてしまった。防御していなかったら恐らく俺はポリゴンとなっていただろう。
「リクヤ、大丈夫?」
ユカが近づいてきて俺の前で結晶を取り出し「ヒール!」と叫ぶ。
回復結晶は全回復、半分回復、3割回復の3つに分類されており当然のごとく回復量の高いほうが高価だ。ユカが使ったのは半分回復の安価でも、高価でもないいわゆる普通のものだが通常では十分に役に立つ。
あくまで相手がバルバトスではなかったらの話だけど…
「馬鹿、やめろ!!!」
「…え?」
俺が静止を促すがすでに効果は発動してしまい、俺のHPは全快する。
だがしかし、それは間違った選択だった。
人から聞いたのだが、俺が秘奥義と分類されている技を発動させる時に体が一瞬、光っているらしい。その現象が相手にも起こり標的をユカへと向けた。
「アイテムなぞぉ…」
「しまっ…ぐぅ!?」
その掛け声と共に先ほどの突進とは比較にならない威力の突進で距離を詰めてきた。右手をユカに向けつかもうとしたので反射的にかばった俺を剣ごとつかみ地面に叩きつける。
その叩きつけのせいで俺の体はバウンドしてしまう。チラッと自分のHPゲージを見るとすでに赤の危険域に達していた。
ゲーム通りならここで斧を振り上げ攻撃しゲームオーバーか…まだ、死にたくないな…
「使ってんじゃ…ねぇ!!!!!」
その振り上げにより空気が震え、さらにその影響で今立っている地面も揺れた。…立っている?…
俺、助かった…のか?
「リクヤ、無事か!?」
声が聞こえ、横を見るとオレンジカーソルとなったキリトが剣を構えて立っていた。どうやらあの直前、弱めのソード
スキルで俺を攻撃しその反動で自分自身とと俺をバルバトスの攻撃範囲から吹き飛ばしたらしい。
「…キリ…ト…?」
俺は自分の発したか細い声に俺自身が驚いていたけどその驚きすらも目の前の剣士のせいで吹き飛んだ。
オレンジになってまで、人を助けることもないだろうに…
「ピナ、お願い!」
「きゅー!」
甲高い声で鳴く小さな竜、ピナが俺の前にやってきてキラキラした風を起こし、それが俺を包む。
どうやら我らがリーダー様の指示らしい。ピナの回復ブレス、それともともとスキルとして持っていた戦闘時回復スキルのおかげでなんとかHPは黄色まで回復。
ピナの回復ブレスは主人がそばにいると効果が高まるらしく、シリカは俺のそばで座っている。
だが俺が回復している時もバルバトスは攻撃の手を休めず、キリト等に攻撃をし続ける。でもあいつ等も負けておらず時折スイッチでアスナと入れ替わり攻撃を仕掛け、またスイッチしキリトに変わる。
サチ、リズも互いにスイッチで交代しながらバルバトスを攻めていた。ユカは自分の回復能力のある投げナイフで戦っているキリと立ちのHPを回復などのサポートをしていた。
回復脳旅行のある投げナイフはそれ自体は何かに当たった瞬間ポリゴンとなるほど耐久性がなく攻撃力もそがれている。
だが、刃に塗られている回復能力のある薬品は何かに当たるとその何かのHPを回復させる。なのでプレイヤーにあたってもHPは減ることなくナイフもその場から消えるのだ。
投げナイフなどの使いきり武器はアイテムに入らないのが幸いしたが、それでも回復が追いつかない。
「ぶるぁぁぁあ!!!!」
「きゃぁッ!」
「キリト、アスナ!それにサチ、リズ!!」
少し不利でも十分に戦えていると思ったのだがバルバトスの一振りで前で戦っていた4人は吹き飛ばされ一気にHPを減らす。
それでも0になることはなかったがあと一撃で絶対に死ぬ。
バルバトスのHPを見るとまだ半分もいっておらず、4本中1本分しか減らせてなかった。
「痛っ…ふっ!!」
いち早く起き上がったキリトに斧の振り下ろしが決まろうとしていたが、なかなか高い素早さでその攻撃を避ける。
だがそれでは終わらず、そこから横に振り払ってくる。キリトも自分の黒い剣で受けるがパワー負けし、さらに吹き飛ばされる。
一気にして状況が圧倒的不利になり攻撃をする暇もなく避けるしかない戦いだった。
このままだと、全員死ぬのも時間の問題。
こいつから逃げるのは不可能、さっきの突進攻撃を後ろからやられ死ぬだろう。
昔、俺は1人しか救えず、ほかの4人を殺してしまった。ここで逃げもし助かったとしてもより多くの罪を背負い耐え切れず自決してしまうに違いない。
俺も死ぬのは嫌だし、ほかの人が死ぬのを見るのも嫌だ。
あれを使えばステータスを隠していたあのときとは違い、もしかしたら助けられるかもしれない…
でも仲間にさえ隠していたものがあると知られたあとのサチやシリカ、ユカにリズ、キリト、アスナ…ここの全員の目が怖い…
「きゃぁぁあ!!」
「サチっ!!……!?」
俺がそんなことを考えていると目の前にサチが飛ばされてきた。俺はそれを受け止めるが、サチのHPが目に入ってしまった。そこには緑、黄色ではなくもう消えそうな赤色だった。
…ここで迷ってなんかいられない。乗り切れば、きっとどうにかなる…たとえ非難されてもみんなは生きてくれる、その可能性が生まれる。
そう信じて、今は凛々の自由を。サチを、ユカを、シリカ、リズを。それにこんなところまでついて来てくれたキリト、アスナを…守る!!!
みんなで生き残るため、俺はこの力を使う!!
「キリト、アスナ!時間稼げるか!!?」
「10秒なら!!」
「おっけ!…サチ、後ろでピナとユカに回復を」
「う、うん…」
サチが返事をする直前にはもうウィンドウを操作して先ほどキリトにもらった剣を探し出す。
…見つけた『キャリバーン』…オブジェクト化、1つだけ開いているスロットに入れ装備、スキル変更、『双・大剣士』と俺は呼んでいる特殊な二刀流に。
最後にYES/NOの選択肢が現れ迷わずYESを選択し画面すべてを消す。
「下がれ!!2人とも!!!」
「「やぁあぁぁ!!!」」
俺の言葉にアスナとキリト、完璧にシンクロした突きが繰り出され斧を持っているバルバトスの両腕を真上に打ち上げる。
「「スイッチ!!」」
2人の重なった声に俺は水平に跳ぶ。敏捷値の低い俺では最大限のスピードを出すにはこの方法しかない。
いつもの右手にはリズの鍛えてくれた『オータムリリィ』、そして左手には先ほどキリトの金緑地では持てずに俺にくれた『キャリバーン』
「うぉぉぉッ!!!」
スイッチで上げられた斧を無理やり戻し俺を真っ二つにでもする勢いで振り下ろすバルバトス。だが俺は右の剣でそれ
に対処し外側に打ち弾く。さらにその直後、左の剣でバルバトスを突き飛ばす。
二刀流ソードスキル「ダブルサーキュラー」だ。だが、これで決着がつくほど簡単なものではない。
バルバトスも倒れることはなく、踏みとどまりこちらに突進してくる。
「うぉぉぉ!!まだまだァ!!」
こんなんで怖がってなんかいられない、すべての感情を押さえて、目の前の敵をただ切り刻むんだ!
バルバトスとさらに距離を詰めながらそう思った瞬間、『俺』の意識はなくなった。だが、その代わりに『俺』とは違う、でも『俺』が体を支配した。
「ぬぅっ!?」
「邪魔だぁ!!!!」
突進、ということは特殊なソードスキルでもない限り防御姿勢ではない。タイミングをミスしたりしたらその分ダメージは大きいものになっていしまうが。
俺はその突進しているバルバトスの腹に飛び入り、技を放つ。
「獅吼滅龍閃!!」
回転する勢いで2本の剣で斬りつけながら獅子の闘気を飛ばし、通常なら相手を吹き飛ばす。
だが相手は吹き飛ぶことはなかった。それでも一瞬、その場で硬直したがその隙は俺にとっての大きなチャンスだった。
「うおおおおお!!!」
その場で中段に一閃、さらに空いている方で前方を突き、間を空けず右の剣で斬り上げる。
大剣使いとしては連続3発でも結構な威力になるのだがまだまだ止まらない。先ほど右で斬り上げた勢いで左方向に回
転しながら裏拳のように左の剣で斬り裂く。そして2つの剣を頭上で合わせ振り下ろす。その瞬間、地面が割れ岩が飛
び散るエフェクトが挿入される。
「ぬぅっ!」
「がぁぁあぁ!!」
バルバトスも俺の攻撃スピード反応しているのか時折金属と金属が打ち合う音がするけれどもそんなのは無視。
強引にソードスキルを操作、左でわざとバルバトスの斧を狙い突く。武器破壊の判定が下るか下らないかも判らないときにはすでに右で振り下ろしていた。
まずこの8連撃スキル、『アースマグニ』。だがこれでも相手の武器は破壊できていなかった。
「…死ねぇぇ!!」
「ま…まだまだぁ!!!」
俺のこのスキルの発動で生じた硬直を隙だと感じたのかいまだ、耐久力の残っている斧を片手で振り下ろしてくる。
それを左右の剣で交差させ受け止める。
しばらく鍔迫り合いが続いていたが、相手が一瞬力んだのでその瞬間を狙い、一気に弾きとばす!そして上がった斧ごと手首を切断、ポリゴン化させた。だが所詮現実ではなく、叫び声を上げるがまだ無事な左手で殴ってくる。
「こ…のぉ!!」
相手の左手をしゃがんで避け、ソードスキルを発動させる。
まず2本あわせて斬り上げ、コンマ1秒遅くその2本を別々に振り下ろす。そこから左、右、左と一閃ずつ、さらにクロスに斬り上げまた2本あわせて振り下ろす。
エフェクトも先ほどの『アースマグニ』と酷似しているがまだまだ続く。
『特殊二刀流』…いや『双・大剣士』としての最上級ソードスキル、大剣を持つものとしてはありえない攻撃速度と攻
撃回数の12連撃『グランバースト・クエイク』だ。
「…あぁぁぁ!!!」
オータムリリィを逆手に持ち直しそれででアッパーのように斬りつけ反対のキャリバーンで左から右へさらに一閃。
その場で回転しながらもう一度右を元に戻しその右でまた一閃。
最後に踏み込んでまだ動いていない左のキャリバーンで斜めに斬り裂く。
「ぶるぁぁぁあ!!!」
だが、バルバトスもやられておらずまだHPは残っていた。やつの特殊能力なのかボスの特権なのか知らないけど壊した
はずの斧が復活している。それでも関係ない…硬直はこれにつなげればほぼ無意味となる。
…俺がアレだけで終わりとでも思うのか?
「瞬け…明星の光…」
さきほど振り下ろし合わせていたのを離した2つの大剣から光が迸る。それと同時に俺はもう一度、剣を振り上げる。
それは大きな光となって剣を包み込む。その先端からそれぞれに1つの巨大な羽、計2つの羽が俺の頭上に存在していた。
「天翔…光翼剣!!!」
そしてその巨大な羽を剣ごと振り下ろし目の前の敵をを押しつぶす。
「ぐぅ…はぁぁぁぁ!!?」
その光に飲み込まれ、悲鳴を上げるバルバトス。そして光が消え去ったときその場には俺たちの姿しかなかった。それを確認した瞬間、先ほど戦っていた『俺』は消え、『俺』が戻ってきた。先ほどまでHPがぎりぎりだったサチもピナ、ユカに回復してもらったのか黄色と緑の境目くらいのところまで回復していた。
「…終わった…か…」
そのつぶやきは誰のかわからなかったがそれが聞こえた瞬間、俺は意識を手放していた。
後書き
リ「…ついにだしちゃったな…」
涙「そうじゃないとこの世界であいつにゃかてないでしょ」
リ「それは…そうだけど…。それよりも、なんで俺が上位ソードスキル使えてんだ?」
涙「次回をチェック!」
リ「…むかつくからいっぺん死んで来い!!!」
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