イナズマイレブン~クロスライジング~
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準決勝木戸川戦!前編
前書き
お待たせしました!
《さあフットボールフロンティアもいよいよ佳境!本日はBブロック準決勝!名門木戸川清修と、今大会台風の目となっている雷門中との対戦です!》
そしていよいよ迎えた木戸川試合。
今回のスタメンは
FW 雷藤 染岡 豪炎寺
MF 少林寺 鬼道 一之瀬
DF 土門 風丸 壁山 栗松
GK 円堂
一之瀬が加わり、さらに強力になった今の最高スタメンだ。
《さあキックオフだぁー!》
「見せてやる、俺たちの本当の力を!」
「なっ…」
「少林!一之瀬!中央をふさげ!」
そして試合開始のホイッスルが響いた途端に、なんといきなり強引な中央突破を仕掛けてきた武方3兄弟。強引なドリブルに俺たちは簡単に近づけず、ついにゴール前までボールを運ばれてしまった。
「これで決める!みたいな?」
そう言うと、長男か次男か三男かわからない奴が青い渦を巻ながら、空へ上昇していく。
「バックトルネェェェドッ!!」
ドッゴオオオオオ!!
「そいつは通用しないぜ!爆裂パンチィィッ!!」
バックトルネードは爆裂パンチで返せることが証明済み、バックトルネードは円堂には無意味だ。
そう思い円堂を見ていると、なんと円堂の爆裂パンチがバックトルネードに押されているのだ。
ギュュュュグググッ!!
「う…!?こ、この前とパワーが!」
ギュォォォ!!
「ぐあああああーっ!!」
な、なんだと!?この間の対決より遥かに威力が増してる…、爆裂パンチでも威力がまるで衰えず、早くも先制のゴールに突き刺さってしまった。
「ど…どうなってるんだ…!この前のバックトルネードとはケタが違う!」
「あーん、何驚いちゃってるの?」
「前回の対決はデモンストレーションに過ぎませんよ」
「試合前に本気出すわけないだろ~?」
「「「ハハハハハハ!ハーッハッハッハッハ!!」」」
この間の対決ではまったく本気を出していなかったという3兄弟…。爆裂パンチは鬼道と佐久間の合体技・ツインブーストすらも跳ね返す強力な技なのに、それをたった一人でたやすくブチ破るなんて…こいつらのシュート力は計り知れない…。
《さあ先取点を取った勢いに乗って木戸川清修の攻撃が続いている!いきなりの劣勢に動揺したか、まだ調子の上がらない雷門中!果たしてこの時間帯をしのげるのか!?》
試合開始早々炸裂した3兄弟のバックトルネードにより、すっかり立ち上がりのリズムを崩してしまった俺たち。
その後も木戸川の猛攻にさらされてしまい、またしても3兄弟にバックトルネードを撃つチャンスを与えてしまった。
「バックトルネエエエエドッ!!」
ドッゴオオオオオッ!!
「絶対に止めるッ!爆裂パンチ改ィィッ!!」
ドドドドドドドッゴオオオオ!!
「でええやあっ!!」
円堂の進化した爆裂パンチがバックトルネードの勢いを殺していき、ついに弾き返した。
「おっしゃあ!!」
そんな円堂を見ながら、夏未はベンチで呟いた。
「ふうっ…ハラハラさせるわね」
「これ以上追加点は許さないぜ!」
円堂のその言葉で俺たちはどんどんリズムを取り戻してきたが、まだまだ木戸川のペースに呑まれていた。
「バックトルネードォォォ!!」
「やらせないっスゥゥ!ザ・ウォールゥゥ!」
壁山もゴールに簡単に行かせないと、壁山の必殺技ザ・ウォールを発動させる。
ガガガガガガッッッッ!!!
「ぐ、ぐわぁぁ!」
壁山のザ・ウォールも3兄弟が持つ、バックトルネードに粉砕され壁山が吹き飛ぶ。
しかし、壁山のディフェンスのお陰で、威力がDOWNしているのは確かだ。
円堂は右手に力を込め、思い切りパンチを放つ。
「おおおっっ!!真熱血パンチィィ!!」
バシィィィィィ!!
円堂の真熱血パンチで弾き返したボールは大きく空に上がった。
だが、ここで木戸川の攻撃は終わらない。3兄弟のもう一人が、青い渦を巻ながら上昇し、弾き返したボールにそのままダイレクトでシュートを撃つ。
「バックトルネードォォォ!!」
円堂がまだ体勢が整っていない、どうにかして時間を稼ぐんだ!
俺は全速力でゴールに走っていき、ゴール前で止まった。
「おおっ!やらせるかぁぁ!!」
俺は正面でバックトルネードを止めに行った。バックトルネードは俺の腹に食い込んでいく。
「ぐっ!ががっ!うおおっ!」
俺は体勢を変え、流すようにバックトルネードをゴール外へクリアする事ができた。
「うっ…、ははっ、やってやったぜ…」
俺が腹を押さえながら、うずくまると円堂が走ってきた。
「雷藤ぉ!なんて無茶を!」
「円堂のじいさんのノートに書いてあったんだよ…、仲間がピンチなら助けろ…、助けない奴は屑ってな…」
「雷藤…お前…、じいちゃんの字が読めたのか!?」
「ははっ…何言ってんだよ、お前と円堂のじいさんのそっくりじゃないか…、お前の字が読めるなら、読めるようになるさ」
俺がそう円堂に言っていると、みんなが集まってきた。
「雷藤立てるか?」
「雷藤先輩大丈夫でヤンスか!?」
そんななか円堂から、手が差しのばされた。
「ここから俺たちのターンだぜ?雷藤、やろうぜ!」
円堂の言葉と共に俺は立ち上がる。
「円堂…、ああっ!!」
その後もガンガン一方的に攻めてくる木戸川だったが、俺たちも円堂のゴッドハンド、壁山のザ・ウォールといった大技を惜しみなく発動して、その甲斐あって、なんとか失点には繋げずに踏ん張っていた。
「ずっと攻撃されてばかりじゃない…!」
ベンチではそんな雷門の状態を見て、夏未が叫んでいた。
「いいや…突破口はある」
そう口を開いたのは監督だ。
「え、突破口…?」
心美も監督に突破口?と首を傾げながら聞く。
「追加点の欲しい3兄弟が、攻撃にはやって突出ぎみになっている。中盤との連携に隙が出来始めた」
「そ、それじゃあそこを突けば」
「鬼道はもう気がついてるはずだ」
なかなか2点目が取れないことに焦り始めた3兄弟は、どんどん強引に点を取ろうとするようになり
味方にラフプレーをしてボールを奪い取ったりとメチャクチャなサッカーをしていた。
だんだんと足並みが狂い始めた3兄弟と木戸川イレブン…それをいち早く見抜いた鬼道は、今が反撃に転じるチャンスだと仲間達に指示を飛ばした。
「3兄弟が焦り始めたぞ。ディフェンスは機能している、後は攻撃だ!」
「だけどあいつら、豪炎寺を特に警戒してるはずだぞ」
「じゃあどうすりゃいいんだ…?」
「あ…その警戒を逆に利用するってのは?」
「ああ、それがベストだろうな。頼んだぞ雷藤、豪炎寺、染岡!」
いつにも増して相手から厳しいマークを受けている豪炎寺。木戸川イレブンは豪炎寺の強さを誰より知っているので当然だ…、しかし今回はそれがこちらの好機に変わる。
その警戒を利用し、豪炎寺と染岡を囮にすれば絶好の得点チャンスが生まれるはず…。
そこでトライペガサスの出番というわけだ。
「マジそれ?わざわざチャンスをくれるとは!」
そして円堂からのゴールキックで試合再開となったが、わざとゴール前のパス回しでもたついていると3兄弟が一気にボールを奪おうと突撃をしてきた。
「かかったなアホ兄弟め…」
俺はそう呟くと、まんまと誘い出された3兄弟の背後へ向けて、俺はパスを通す。
「鬼道ーっ!!」
《おおっと!?豪炎寺と染岡がサイドから駆け上がっていく!》
そして鬼道へパスが通ったと同時に、木戸川の両サイドを一気にえぐっていく豪炎寺と染岡。
豪炎寺を使ったカウンターと思ったのか、すかさず豪炎寺達へマークを集中させる木戸川、しかしそれこそ俺たちが思い描く最高の状態だ!
「今だ!!」
「行くぞぉっ!!」
手薄になった中央を一気に駆け上がっていく一之瀬・土門・円堂の3人!そして絶好のタイミングでトライペガサスの体勢に入る!
一之瀬、円堂、土門は見事な交差線を描き、青い渦が巻き起こる。強風がペガサスへと変わり、空へと羽ばたく。
そこに3人が上空へ飛び上がり、蹴り落とした。
「「「うおおおおおおおおお!!トライペガサス!!」」」
グゥォォァォォォォ!!!
トライペガサスが相手のゴールへと襲いかかりにいくと、敵キーパーも思わずビビッてよけてしまうほどの威力だった。
トライペガサスは完璧にゴールへと突き刺さって同点のゴールを奪った。
これで試合は振り出しになったな…
そしてその時、ちょうど前半終了のホイッスルが鳴りハーフタイムに入った。
「ま、まさかあんな必殺技を隠していたとは、思っていませんでしたね…」
「…トライペガサスだ」
「「「え…?」」」
「あの技のことなら俺が一番良く知っている。俺と一之瀬と土門が一緒に編み出したんだからな」
「な、なんだと!?」
「だから俺が封じてみせる!」
トライペガサスの凄まじい威力に冷や汗をかきまくりの3兄弟だったが、しかしトライペガサスを使ってくるとなれば、やはりこの男が黙っていなかった。西垣が一之瀬たちを見ながら、見えない闘志を燃やしていた。
後書き
心美「お兄ちゃん、大丈夫?」
雷藤「ああ、大丈夫だ」
心美「あんまり無茶しないでね?」
雷藤「ああ気をつけるよ」
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