転生とらぶる
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マブラヴ
1092話
ASRSを展開したまま、シロガネはオルタネイティヴ5派が占拠した宇宙船へと近づいて行く。
既に特機の3機……エキドナのヴァイサーガ、ムラタのトリニティゲイン、ギルフォードのヴァルシオン改もASRSを使用して宇宙へと出ている。後は特機の3機がいきなり姿を現して、宇宙船の動きを止めた瞬間にシロガネから向こうに突入して一気に内部から制圧する事になる。
突入するメンバーは、俺、スレイ、ムウ、イザークの4人と、スティング、アウル、レイの3人、そして円、美砂の2人で合計9人だ。
後者の2人は、今回の戦いが生身での戦いとなっている為に選んだ。生身での戦闘に限って言えば、シャドウミラーの中でも上位に位置するしな。アーティファクトを使えば更に戦力は上がるし。
俺以外のメンバーに関しても、きちんとエヴァと戦闘訓練をしており戦闘力は十分過ぎる程のものを持っている面子だ。
で、スティング達若手の3人は生身での戦闘の経験を積ませる為、と。
本来ならコーネリアもこの中に入っても良かったんだが、外から指揮する人物も必要だって事でこうなった。
ああ、勿論人数としては今名前を上げた以外の者を連れて行かないって訳じゃない。量産型Wを30人程連れて行く。
残りのメンバーは何かあった時の為にシロガネの格納庫で待機。
トラブった時にはそれぞれの機体で出て貰う予定になっている。
例えば、宇宙船が暴走したとか、そういう時。
後は、まずないと思うが向こうに宇宙で使える戦闘兵器があった場合だな。
宇宙船から発射するミサイルとかそういうのじゃなくて、戦闘機とか宇宙対応の戦術機とか。……まぁ、可能性としては考えなくてもいいだろうけど。
『アクセル、こっちの準備は出来たぞ。そろそろアクセルの方も準備してくれ』
「了解」
パイロットスーツの通信から聞こえてきたムウの言葉に頷き、俺は影のゲートでシロガネの外に出る。
ちなみに、当然の事ながら俺はパイロットスーツの類を着ていない状態であり、生身のままだ。
混沌精霊だからこそ出来る芸当だな。
この状況で俺が何をやるのかといえば、答えは簡単だ。シロガネから発進するシャトルが宇宙船に接近する時に宇宙船に迎撃されないようにする為だ。
ちなみにこの場合の武器というのは、宇宙船がデブリとかを破壊するときに使う為についている機銃であり、ある程度の威力は……それこそ命中すればシャトルを破壊する程度の威力は有している。
だからこそ、いざという時の為に俺が機銃を破壊して、無事に船内の格納庫にシャトルを誘導する必要がある訳だ。
本来なら戦闘機にもASRSを付けられるんだから、シャトルにASRSを付けてもおかしくないんだが……元々このシャトルで敵船に侵入するというのは想定していなかった為、ASRSの類は装備されていない。
実際シャトルで敵船に向かうのなら、PTとかで敵艦に突っ込むのが手っ取り早いしな。
今回の場合は宇宙船を出来るだけ破壊しないで奪い返して欲しいという依頼の為、やむなくこんな手段を取っているが、技術班辺りにその辺を相談してASRSを搭載して貰った方がいいのか?
けど、この辺は殆ど使わないしな。折角その辺を改造して貰っても使われる事がないとちょっと申し訳ないしな。
そんな事を考えつつ、宇宙をプカプカと浮かびながら目的の宇宙船へと取り付く。
……ああ、やっぱり。
装甲自体はそれ程厚いって訳でもないし、下手をすれば俺が生身でも貫通出来そうだ。
いやまぁ、このマブラヴ世界の技術力を考えればしょうがないのかもしれないな。
それにリソースを集中したと言っても、悪く言えばそれは突貫工事で作ったって訳だし。
これが、普通の他の宇宙船と一緒に作っていれば、作業途中の技術的なブレイクでより高性能になったりもしたんだろうけど、こうやって一気に作ってしまえばそういう事は出来ない。
そんな風に考えつつ、宇宙船の格納庫の方へと視線を向けながら……そろそろ時間になると判断し、準備を整える。
それから数分。宇宙船の周囲に突然特機が3機姿を現す。
ヴァイサーガが宇宙船の正面に、ヴァルシオン改が右に、トリニティゲインが左に。
背後以外を特機3機に囲まれた宇宙船は、外からでは分からないが間違いなく混乱はしているだろう。その証拠という訳でもないが、先程俺が見つけた機銃は全く動く様子がない。
そして姿を現すシャトル。
ASRSを展開しているシロガネから出てきたので、何もない空間から出てきた様に見えたが、実際宇宙船側からも同じように見えただだろう。
まだ機銃の方は動いていないが、早速とばかりに俺は炎獣を生み出して機銃へと向かわせる。
炎の鳥……フェニックスの如き炎獣が宇宙を走り、機銃へと向かって攻撃を仕掛ける。
同時に獅子や虎、狼といった炎獣も機銃へと攻撃していく。
鳥の場合は宇宙空間を移動していても違和感ないけど、獅子や虎、狼といったものが宇宙空間を移動しているのを見ると微妙に違和感があるな。
シャトルの方でも俺が炎獣を放っているのに気が付いたのだろう。進行方向をこっちの方へと向けて近づいてくる。
それを見て、ようやく宇宙船の方でも慌ただしく動きを見せ始める。
……機銃が何ヶ所か動いているんだが、そこからだとシャトルに攻撃出来ないぞ。
この辺がまだ慣れていないのも、恐らく宇宙船を専門に動かす訓練をしている者達じゃないからというのが大きいんだろう。
あ、機銃がシャトルに届かないの分かったのか、特機の方……トリニティゲインの方に向いた。
おい、ムラタ。妙な真似はするなよ。お前がするのはあくまでも威嚇であって、宇宙船の破壊とかじゃないんだからな。
そういう意味では俺も炎獣で機銃を破壊しているんだが、俺の場合は機銃だけだし。
ムラタの場合は特機だけあって機銃以外の場所も破壊してしまいそうな感じがする。
他の機銃もそれぞれが動いている中で、シャトルは宇宙船の装甲に沿うようにして格納庫へと向かっていく。
俺の案内もあるんだろうが、特に危うげなく操縦しているのは……スレイか?
元々がプロジェクトTD出身なだけに、この手のシャトルを使いこなせてもおかしくはない。
まぁ、戦闘機とシャトルだと色々勝手が違うだろうが……その辺はスレイの腕だろう。
宇宙船の方での動きは……機銃以外は特にない、か?
オルタネイティヴ5派、つまりアメリカの中でもある程度以上の力を持っていた者達が乗っているんだし、何らかの奥の手があってもおかしくないんだが。
G弾信者もいる事を考えると、G弾? いや、そもそもG弾は作られた数自体が少ないし。
この辺はハイヴを占拠してはG元素を報酬として貰ってきたエザリアの功績か。
S-11辺りなら可能性もあるか? ……いや、どのみち何をやったにしても、さすがに宇宙船の中でそんな広範囲破壊兵器を使うような真似はしないだろう。
命の瀬戸際まで追い込まれれば話は別だが。
ともあれ、格納庫の外側までやって来た俺は、高密度の炎を出して装甲を焼き切っていく。
勿論外部からも開けられるようになっているのだろうが、その場合は向こうにも内部からハッチを閉めるという方法を取られる可能性もある。
そうして、ハッチの外側からシャトルが楽には入れるくらいの大きさに焼き切り……そこに、シャトルが突っ込んで行く。
本来なら正面衝突して多大な被害を受けるのはシャトルだが、焼き切られている今の状態では話が別だ。
真っ直ぐに宇宙船に突っ込んだシャトルは、焼き切った外壁を貫通して格納庫の中に入っていく。
よし、緊急の補修装置とかが働く前に俺も中に行くか。
シャトルが突っ込んだ穴から空気の流出している中を俺も突っ込み……うん? 空気が流出している割りには人の姿がないな。
大抵こういう時は人が宇宙に流れているんだが……
そう思って格納庫の中に入った時、全てを理解する。
「まぁ、最初から誰もいなければ、そりゃあ人が宇宙に放り出されたりはしないか」
背後で俺の開けた穴が緊急隔壁みたいな感じで閉じるのを感じつつ、呟く。
しくじったな。最初に俺が宇宙船の中に入り込んで確認しておけば、ここまで外壁を破壊する必要はなかったのに。
いや、でも普通格納庫の中に誰もいないとか思うか?
それにシステム的な面で操作した場合、さっきも考えたように向こう側に操作される可能性もある。そう思えば、やっぱり俺がやったのそれほど間違いではなかった……筈。
まぁ、完全に破壊した訳じゃないしいいよな。
格納庫の中で、早速シャトルから降りてきているスレイ達へと向かって俺も降りて行く。
「一応聞いて置くけど、そっちに被害は?」
「ある訳がないだろう。機銃はアクセルが潰してくれたし、それ以外の武装がこの宇宙船には存在しない。……まぁ、ここに引き籠もっている奴等が何かを擁している可能性は高いが」
「ちょっと、スレイ。それを言うなら引き籠もっているじゃなくて立て籠もっているでしょ」
呆れたように呟く円だったが、スレイは強気な笑みを浮かべて首を横に振る。
「いや、この中にいる者達の場合は引き籠もっているの方が似合っていると思うが?」
「まぁ、それは否定しないけど」
納得させられる円の様子に、その場にいる全員が思わず笑みを浮かべる。
「さて、リラックスするのもここまでだ。そろそろ俺達の役目を果たしに行くぞ。目的は分かっていると思うが、この宇宙船の奪取。つまりブリッジにいる相手を捕らえる必要がある。また、艦橋以外にも色々と散らばっている可能性があるが……そっちはムウ、円、スティング、アウル、レイに任せる」
「ちょっと待てよ、俺達が余り物なのか?」
不機嫌そうに言葉を返してくるアウルだったが、後ろから美砂に頭部を叩かれる。
グーではなくパーだったのは、せめてもの救いだろう。
「痛っ、何するんだよ!」
「あのねぇ。そもそもあんた達はPTを使っての戦闘ならともかく、生身での戦闘はそれ程経験がないでしょ。なら、今回の件でその辺に慣れなさいよ」
「……ちっ、分かったよ」
この2人、一時期は少しギクシャクしていたが、今ではそれなりに普通の関係になっている。
どっちかと言えば、美砂が気後れするアウルにどんどんと話し掛けていって、その結果アウルも普通に話せるようになったってのが正しいだろうな。
この辺の経験値の違いは、高校時代に多くの男に告白された経験を持つ美砂だからだろう。
……若干その辺にモヤっとしたものを感じるが。
「ま、美砂の言う通りだ。お前達はまだまだ経験が少ない。ムウ、円、頼むぞ」
それでも美砂ではなく円をアウルと同じグループに入れたのは、一応気遣いのつもりだ。
「ま、何とかなるだろ。若人達に怪我をさせる訳にもいかないしね。大体レイに怪我をさせたらナタルに怒られちまう」
「相変わらず尻に敷かれているようで何よりだ」
「ふふん、羨ましいか? ああ見えてナタルはかなり……じゃなくてだ。とにかくこっちの件は俺に任せておけ。そっちは主力を相手にするんだから気を抜くなよ」
「誰に言ってるんだよ」
「確かに」
小さく笑みを交わし、拳をぶつけ合うと早速とばかりにそれぞれの方へと散っていく。
俺達はブリッジの方へと、ムウ達は艦内を纏めて掃除する為に。
勿論量産型Wがいる以上兵力不足になるとは思わないが、その辺はお互いにどうにかするしかないだろう。
「アクセル、人数が思ったよりも少ないように感じないか?」
「……確かに。聞いた話だと、かなりの人数が乗っている筈なんだが……」
スレイの言葉を聞きながら周囲を見回すが、確かに人の姿が殆ど……いや、全く見当たらない。
「考えられるとすれば、やっぱりどこかに隠れているとかか? 元々この宇宙船は移民用に開発されたものだ。そうなれば当然人が住めるような作りになっている筈だ。……まぁ、マクロス世界程大袈裟なものではないとしてもな」
移民するための船と考えれば、現在俺達が行ける全ての世界の中で最も優れているのがマクロス世界だ。
純粋な技術力という意味ではシャドウミラーよりも劣っているマクロス世界だが、それでも移民船という一分野だけはシャドウミラーよりも上だろう。
ぶっちゃけ移民用という意味だとニヴルヘイムもマクロス級に負けはしないだろうが……どうしてもコスト的な問題がな。
ニヴルヘイムを1つ作るだけでどれだけのコストが掛かるのやら。
この辺は民間用に技術を解放したマクロス世界と、技術班だけが技術を独占している俺達との違いだろう。
いや、独占って言い方はちょっと人聞きが悪い。
そう、技術馬鹿とかか? その辺がピッタリくるような気がする。
ともあれ……
「何があるか分からない以上、それなりに警戒して進んだ方がいいだろうな」
俺の言葉に他の者達が頷き、一応念の為ということでスライムを空間倉庫から出すのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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