ドリトル先生と森の狼達
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第十二幕その二
「密猟者や悪質な学者、それに」
「マスコミですね」
「僕の見たところですが」
「日本はマスコミが一番問題ですね」
「かなり悪質ですよね」
「残念ですが」
学園長さんもこのことは否定出来ませんでした。
「我が国のマスコミはかなり」
「酷いですね」
「まさに特権を持った、です」
学園長さんはあえてそこから先は言いませんでした、言うことが憚れたからです。
「ですから」
「法律もですね」
「報道の自由、言論の自由を盾に時には無視します」
「そのうえで環境を荒らしたりしますね」
「口では環境保護を言いますが」
そうしながらなのです。
「自分達はです」
「そうした人達ですね」
「はい、ですから先生の危惧は妥当です」
このことは当然だというのです。
「放置出来ません」
「では」
「先生もお考えですね」
「はい、お話して宜しいでしょうか」
「お願いします」
学園長さんは真剣なお顔で先生に答えました。
「先生のお考えを」
「あの辺りには民間伝承もありまして」
「民間伝承ですか」
「民俗学の分野の」
民俗学者でもある先生ならではお言葉です。
「そちらのことですが」
「ではそのことは」
「はい、あの辺りには山の神様や妖怪のお話もありまして」
「そのお話も広めてもですね」
「ですから」
それでというのです。
「迷信や都市伝説めいていますが」
「その噂も広めて」
「人が来ない様にしましょう」
「いいお考えですね、ただ」
「それでもですか」
「無神論者、迷信と言って捨てる人もいます」
マスコミや知識人の中にはです。
「それこそ自分こそが正しいと盲信していて」
「法律もそうした伝説も無視して」
「環境を荒らす人もいます」
「日本のマスコミや知識人は厄介な人がいるのですね」
「それだけ腐敗している世界なのです」
学園長さんは困ったお顔でまた言うのでした。
「我が国の知識人の世界は」
「法律も無視して」
「宗教やそうしたものも通じません」
「では何をモラルとしているかというと」
「自分自身です」
もっと言えば自分だけをです。
「自分しかない人達なのです」
「そうした人だから何でもですね」
「します、こうした人は非常に問題です」
「そうした人はどうすればいいでしょうか」
「ここはこうしましょうか」
ここで、でした。日笠さんが言ってきました。
「そうした人はどなたかすぐにわかりますね」
「はい」
そうだとです、学園長さんが日笠さんに答えました。
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