転生とらぶる
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マブラヴ
1083話
軍艦から出撃してきた戦術機、あれは海軍の使用しているF-18か。まぁ、軍艦なんだから海軍所属でもおかしくはないか。
ともあれ、そのF-18が真っ直ぐにこっちに向かって飛んでくる。
……って言うか、こっちじゃなくて俺か!?
そう。F-18は何を思ったのか、他の機体を無視してニーズヘッグへと向かってきたのだ。
『アクセル、どうする?』
「構わない。俺に向かってきてくれるのなら、寧ろ願ったり叶ったりだ。恐らくこれまでの経験が効き過ぎたってところだろうな」
よく考えれば、これまでニーズヘッグはBETA相手に無双状態だった。それこそ、虫けらを踏み潰す人間の如く蹂躙してきたのだ。
そんな映像を幾度となく見てきたアメリカ軍の軍人にしてみれば、ニーズヘッグを抑えるという考えに辿り着くのは当然かもしれない。特にフレイヤは問答無用で広範囲を消滅させるというMAP兵器だ。G弾だろうがなんだろうが、その空間諸共に消滅してしまえば意味はない。恐らくそんなところだろう。
だが……
「戦術機如きでこの機体をどうにか出来ると思っているのか? 随分とニーズヘッグを甘く見たものだ。これまで幾多もの敵を屠ってきたシャドウミラーの象徴。そう容易くどうにか出来ると思うな!」
敢えてオープンチャンネルで叫ぶ。
一瞬……そう。今の一瞬で間違いなくこちらに向かってくるF-18のうち数機の動きが鈍くなった。正確には途中で操縦をミスって機体バランスを崩したというのが正しいだろう。
甘い。この程度の揺さぶりで容易く動揺するとなると、俺だけじゃなくてシャドウミラーの誰に対しても通用しないぞ。
……まぁ、今回は幸いなるべく命を奪わないようにというビルからの要請もある。
現在保有しているG元素の全て、G弾やそれに関係するデータ等の全てを貰えるんだ。他の世界からの苦情という件を除いても、要望に応えざるを得ないだろう。
「ファントム!」
その言葉と共に、ヒュドラから放たれる合計32機のファントム。
前と中央の合計4基のヒュドラから放たれたファントムは、T-LINKシステムによって俺の意思のままに飛んでいく。
何故ファントムを使ったかと言えば、これが純粋に使いやすいからだ。
纏めて攻撃するのならともかく、ファントム1機程度ならそれ程攻撃力も高くはない。
更にT-LINKシステムを通じて俺の意思通りに動く為、うっかり撃破してしまうという事もない。
四肢と頭部を破壊して胴体だけにしてやれば、ベイルアウトして後は海で浮かんでいるだろう。
武装を全て破壊された軍艦に拾って貰えば、特に問題はない筈。
……運が悪ければ溺れ死んだりするかもしれないが、さすがにそこまでは面倒を見切れない。
ああ、それと重金属によって汚染された海水を飲んだりして体調に悪影響が出てきたりするかもしれないが、その辺も勘弁して貰おう。
少なくても、俺は殺さないように努力はしたのだから。
戦場に出てきて、命が助かっただけでもありがたいと思って貰わないとな。
映像モニタの方に視線を向けると、そこではスレイのシャドウがビームガトリング砲を使って軍艦の砲塔を破壊しているところだった。
……ただし、普通にビームガトリング砲を使っている訳ではなく、まるで拳銃で撃つように一発ずつビーム弾を射出している。
いやまぁ、ビームガトリング砲の威力を考えると、普通に撃ってしまえば砲塔だけではなく艦そのものを貫通して破壊してしまうからな。
出来るだけ殺さずに生かして捕らえる必要がある以上、そのくらいの苦労はしょうがないのだろう。
ムウやイザークは、射撃武器ではダメージが大きすぎる、あるいはスレイのように攻撃するのは面倒臭いと判断したのだろう。射撃武器ではなくレーザーブレードやロシュセイバーを使って近接攻撃を行っていた。
メギロートはその口で、シャドウはプラズマ・バックラーやプラズマ・ステークを使っての攻撃を行っている。
無論攻撃されている軍艦の方でも黙ってやられるだけではなく、艦体に取り付いている機体に向かって攻撃をしようとするが……その辺のBETAであれば、それでも何とかなっただろう。だが、今回の場合は敵対している相手が俺達シャドウミラーなのだ。
近接防御火器のバルカン砲塔とかはメギロート以外には効果はなく、メギロートにしても長時間同じ場所に連続して攻撃を当てられ続けなければ損傷を受ける事はない。
そしてメギロートに搭載されているAIは長年戦いを行ってきただけの経験があり、同じ場所にじっとするような真似はせずにすぐその羽で飛び上がる。
そのまま軍艦から離れれば、大砲のような武器で攻撃も出来るのだろうが、メギロートは動き回っていても決して軍艦からは離れない。
それどころか、艦体の近くに纏わり付きながら攻撃を行っていき、バルカン砲を通り抜け様に足や口で破壊していく。
かといって、一撃である程度のダメージを期待出来る主砲をメギロートに向けて撃てば、回避された場合は味方の同士討ちとなる。
「軍艦が間合いを詰められた時点で終わりだった……な!」
こっちに向かってきたF-18に向かい、ツイン・ドライブをフル稼働させて一気に間合いを詰める……どころか、F-18の群れの中を突っ切っていく。
ただし、エナジーウィングを展開したままだ。
エナジーウィングの外側は、ビームサーベルのような近接武装になっている。それで通り抜け様に攻撃されれば、元々回避を重視して防御力を考えていない戦術機にはどうしようもない。
腰の辺りで上半身と下半身を切断されたF-18は、そのまま海へと向かって落ちていく。
コックピットのある胸部ではなく腰を攻撃したのは、パイロットを殺さない為のせめてもの情けだ。
そんな風に俺が戦いとも呼べない戦いを続けている間も、軍艦の方は次々と武器を失い、損傷を増やしていく。
正直、このままここを何とか潜り抜けたとしても、ソ連との戦いには参加出来ないだろう。
そういう意味では、この時点でビルとの約束は果たした事になる。
もっとも、G弾があるとすれば何を考えるか分からない。それに、結局はこの一連の騒動を誰が起こしたのかという情報を得る為にも、今は出来るだけ多くの捕虜を取りたいという思いもある。
「スレイ、ムウ、イザーク。そっちの方はどうだ?」
ニーズヘッグの周囲を囲みつつ放ってくる36mmの突撃砲を回避しつつ、スレイ達へと通信を送る。
確かに強敵を包囲して逃がさないようにしながら攻撃するというのは正しい選択肢だが……それには大前提となる部分が間違っていた。
そもそも、包囲しつつ攻撃してもその攻撃の全てがニーズヘッグの一番外側にあるバリアのEフィールドですら突破出来ないのでは意味がないし、それ以前に攻撃自体がニーズヘッグの機動力によって殆ど回避されている状況だ。
マシンガンのように無数の弾丸を放つ攻撃を回避し続けるというのは、普通なら出来る事ではない。
だが……機体のほぼ全てがT-LINKフレームによって作られているこのニーズヘッグは、文字通り俺の意思通りに動く。
そして俺自身のパイロットとしての操縦技術は、長年の戦場経験とPPによるステータスアップにより、とてもその辺の一般パイロットとは言えないものになっている。
そんな俺が動かすニーズヘッグだ。当然向こうの放つ攻撃を全て回避する程度はそう難しい話ではない。
同時に、包囲してはいても結局はF-18だ。そうである以上、包囲網を食い破るのは俺とニーズヘッグにとってそう難しい話ではない。
その結果……
「1機、2機、3機、4機、5機、6機……ええい、面倒臭い。10機、15機、18機!」
ヒュドラのビーム砲で手足を破壊されて海上へと落ちていくF-18。そこから抜け出そうとする俺に、それをさせじと攻撃を仕掛けてくる戦術機部隊だが、ファントムが機先を制するかのように攻撃し、相手を撃墜していく。
こっちに攻めて来た戦術機の数が加速度的に減っていき……
「これで、ラスト!」
最後の1機を、ヒュドラのビームサーベルで腰から上下2つの分断して撃破する。
艦隊から出撃してきた敵戦術機はパイロットを殺さずに全て破壊した。
軍艦の方は……と視線を向ければ、そちらもまた既に武器の殆どを破壊されて戦闘能力は皆無となっている。
「全機、相手に死者は?」
『俺がそんなドジを踏むように思うか!? アクセルの言う通りきちんと敵に戦死者は出していない!』
『とは言っても、武器を破壊した時にもしかしたら……って可能性はあるけどね』
イザークの言葉にムウが突っ込みを入れ、それを聞いたイザークが視線を鋭くする。
この2人の関係は相変わらずだな。シャドウミラーに入って来てからずっと変わらない。
元々今のムウの役目はディアッカの役目だったんだが……
『2人とも、その辺にしておけ。こちらも敵の戦闘力を奪う事には成功した。だが……』
「ああ。この状況に陥っても沈黙を保っているってのは不気味以外の何ものでもない。どういうつもりだ?」
そう。スレイに言葉を返したように、この状況になっても軍艦の方からの連絡は一切ない。
それこそ、普通であれば降伏の申し出があってもおかしくないだけの被害を受けているのにだ。
まぁ、ビルの……アメリカ大統領を無視して起こされた軍事行動だ。そのビルからの要請を受けて出張ってきた俺達に対して降伏をしようとは思えないのかもしれないが……それだって、上の者達だけだろう。
良くも悪くも、上から命令されて従っているだけの兵士達は自分の命が最も大切な筈だ。
その辺の事情を考えれば、どうなんだろうな?
『アクセル、もう一度最後通牒として降伏を勧めてみたらどうだ? これだけ被害があったんだから、向こうにしてももしかしたら引っ込みが付かなくなってるだけかもしれないぞ?』
「……可能性は低いが、やるだけやってみるか」
そういうポーズ的なものもこの際は大事だろうという目論見もあって、ムウの言葉に頷く。
「こちらシャドウミラー代表のアクセル・アルマーだ。見ての通り、お前達の戦力は既に存在しない。このまま戦い続けていても戦死という道しか残っていないだろう。大人しく降伏しろ。今なら、上からの命令に従っていただけの者であれば、温情があるかもしれないぞ」
いっそお前達の母親は泣いているぞとでも付け加えるか? そんな風に思った瞬間、予想外の事が起こった。
海上に浮かんでいた軍艦。その数は5隻だったのだが、そのうちの3つの艦から降伏信号が送られてきたのだ。
「へぇ、予想外だ。けど……」
そう、けど。残りの2隻は未だに何の反応もないままに沈黙を保っている。
その2隻が関係しているのか、降伏の信号を送ってきた艦からの通信もない。
この辺はどうしたものか。
チラリとムウに視線を送るが、戻ってくるのは肩を竦めるといった行為のみ。
「繰り返す。降伏しろ。お前達にもう出来る事は何もない。大人しくこちらに従い、上からの指示を待て。そもそも、現状で何故ソ連を攻撃する必要がある? お前達がやっているのは、この世界に無意味な騒動を引き起こしているという事でしかない。今は人間同士で戦っている場合じゃないのは明らかだろう。今BETAに対して人類が有利なのは、あくまでも俺達シャドウミラーがいるからだ。なのに……」
『断る! 誰が貴様等のような者共に降伏するか!』
ようやく通信が返ってきたか。
映像に映し出されたのは、中将の階級章を付けた60代程の老人。
それも目に浮かんでいるのは憎悪で、見るからにこっちを憎んでいる。それも尋常ではない程に。
少なくても、降伏勧告をあっさりと受け入れたりしないのは間違いない。
まぁ、当然そんなにあっさりとこっちの言葉に従うとは思ってなかったけどな。
「ならどうするつもりだ? 既にお前達の企みは失敗に終わっている。この艦隊の戦闘力は完全に失っているし、緩衝地帯付近に集まっている部隊に関してもシャドウミラーの別働隊が鎮圧に向かっている。更に宇宙空間にも俺達の旗艦が戦力を展開している以上、お前達にもう打つ手はないと思うが?」
『黙れっ!』
言下に言葉を返すその様子は、目が血走ってさえいなければ立派な存在に思えるんだろうが……
「言葉だけでどう言っても、実力が伴ってなければ意味がないと思うが? お前が……いや、今回の件を考えるとお前達がと言うべきか。お前達が何故そこまで俺達を憎んでいるのかは分からない。だが、今のお前達に何が出来る? このままだと、お前達の行動に同調した者達は反逆者として子々孫々まで汚名を被って生きていくだろう。それでいいのか? こんな世の中だ。幾らBETAに対してどうにか出来るようになったとしても、肩身が狭い思いはさせたくないだろう?」
『ええいっ、黙らんか! 確かに一時は汚名を被る事になるかもしれん。じゃが、この力があればそんな汚名などどうとでもなる!』
何かを確信しているかのように叫び、目の前の中将……いや、既に反乱を起こしたのだから階級ではなく元中将と呼ぶべきか。その元中将は得意げに叫ぶのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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