moon light fantasy
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Asmodeus rhapsody 前章
前書き
VSアスモディウス
アスモディウスは優雅に、突撃する俺を見て丁寧に決闘のお辞儀をした。
「そうですね…。まずは貴方が私のコレクションにふさわしいかテストいたしましょう。」
「…?」
そう言ってアスモディウスが取り出したのは紅く輝く剣。そして…。
「「な⁉︎」」
俺とニナが同時に叫んだ。アスモディウスの背中から巨大な…紅い翼が生えたのだ。
「さて。準備完了です。では…
死なない様に注意して下さいね?」
「⁉︎」
そう言って紅く輝く剣を横に払う。すると炎の剣撃…衝撃波が発生する。その衝撃波はパーティー用のテーブルを燃やし尽くしながら俺の方に向かってくる。
「フレイム・ブラスト。
…さあ?どうしますか?」
「月華流『下弦の月』‼︎」
俺は月華流の剣術を使い、しゃがみ込みながら高速で炎の衝撃波を下から切り上げる事によって相手に弾き返す。
「ほう、やりますね。
…本当に私のコレクションに入れたいです。」
アスモディウスは炎の衝撃波をまるでキャッチボールをするかの様に片手で止め、衝撃波を不敵な笑みで潰す。
「ですが言いましたよね?私はゼツ様の力を手にしている。炎は効きません。
それにしても…これから貴方の主人になる私に向かって施しを打ち払うとは…。」
「誰が貴様の下に就くか。」
「なら、力づくで。」
そう言ってアスモディウスは俺に翼を翻して接近してきた。それはまるで獲物を捕らえる鷹の様に。
「はあ‼︎」
「⁉︎」
いつの間にかアスモディウスの剣に炎が纏っており、そのまま高速でクロスに切り払われた。
…これはゼツの剣技の一つ。『クロス・フレイム』じゃないか…!
俺はそう思いながらも咄嗟に夢幻剣でクロスの切り払いを止める。
…いや!これは囮か!
俺がチラッと見たのは右斜め下からの切り上げ。
それを体を回転させ、その勢いのまま鍔迫り合いで止める。
「やめて…。フォルツ君…。」
「な⁉︎」
俺の前にいたのはアスモディウスではなくアスモディウスの格好をしたリナだった。
一瞬力が抜ける。
だがアスモディウスはその瞬間を逃さない。
「しまっ…!」
「ふふふ。やはりあの方の言う通り、女性には甘いんですね。」
そのままアスモディウスはリナの格好のまま俺の夢幻剣を払い飛ばす。
「さあ♪止めだよ?フォルツ君?」
「ガハッ…‼︎」
ズドンッ!
アスモディウスは自分の声をリナの声に変えて俺を剣の腹で部屋に入った方の扉がある壁端まで吹き飛ばした。
「ゲホッ…ゲホッ…。」
壁にめり込みはしなかったものの、おそらく内臓をやられたのか吐血する。
俺はコートの裾で口元を拭いて。立ち上がる。コートの裾はボロボロで血が紅く染まっていた。
「本当に…。ゲスだな…。」
「まったく…ゼツ様と同じ事を言いますね。
…これが私の力だと言うのに…。」
そう言ってアスモディウスは俺に向かって切りかかる。もちろん剣に炎を纏わせながら。
…これもゼツの剣技『スライス・フレイム』か。
左右交互に炎を纏った剣を振る事によって剣撃だけではなく炎の熱によるダメージを狙う剣技。
4発目までは耐えたが5発目で熱さにより夢幻剣とともに再び飛ばされた。
「はあ…はあ…。」
「まったく…。『炎帝』である私の力を舐めてますね…。」
「違う。これはお前の力じゃない。」
アスモディウスが哀れな目を俺に向ける。
だが俺は血反吐を床に吐き捨てて再び夢幻剣を虚空から取り出し、構える。そして叫ぶ。
「それは…あの2人の力と奴の力だ…!なんにもしていないお前が自分の力の様に使うなよ…!」
「…ほざけよ。」
アスモディウスは俺の言葉が痛いところをついたのかそう口調を崩しフラフラの俺を蹴り飛ばした。
そして倒れた俺を踏みつける。
「ガハッ…!グフッ…。」
「黙れ!私は『炎帝』!『紅蓮の帝』をも圧倒する皇帝だ!全てを奪い、全てを我が物として扱う。
貴様の様なねずみとは違う!圧倒的な力の持ち主だ!」
俺は血反吐を再び吐きながら意識が飛びそうになる。いや、飛んだ。
何故ならアスモディウスの顔が遠くになり、目の前が真っ暗になったからだ。
まだだ…。まだやれる。
そんな思いと裏腹に俺は意識を失った。
後書き
なんかゲスを書いてみたかった。
こーゆー敵を倒すのは書いてて楽しいです。
感想待ってます。ヒョウカボタンもよろしくお願いします。
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