リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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Another62 懐かしい声
前書き
ヴァンデモンを一方的に叩き潰した大輔達だが、蓄積した疲労を回復するために少し休憩。
ヴァンデモンを倒しはしたものの、霧は晴れない。
太一「くそ、ヴァンデモンの奴。生きてるなら隠れてないで出て来いってんだ!!」
近くに落ちていたヴァンデモンの仮面を蹴り飛ばす太一にアインスが声をかける。
アインス「仕方あるまい。あれだけやられれば肉体の再生にだって時間がかかるだろうからな。早く戻ってご両親を安心させてやれ」
太一「ああ…」
こうして、太一達は家族が隠れている場所に向かった。
裕子「太一!!」
ジュン「大輔!!よく無事で帰ってきたわね!!」
それぞれの家族が太一達の元に駆け寄ってくる。
進「それにしても、一向に霧が晴れる気配がしない。それどころかどんどん濃くなってきている。」
アインス「それについては私が説明しましょう。」
霧が晴れない理由を知っているアインスが前に出て、人々に事情を説明する。
淑子「つまり、この霧を作り出した犯人がまだ生きていて、チャンスを窺っているのね」
アインス「そういうことです。我々としては復活する前に仕留めたいところですが、ブイモン達曰わく、生命反応が見つからないらしく、見つけるのが極めて困難な状態です」
サトエ「ちょっと待って、それじゃあ犯人を倒すまでずっとこのまま!!?」
ブイモン[YES☆]
サトエ「そんな~…」
ロップモン[(適応力の高い人達だなあ…)]
普通ならもっと怖がるものだが、もうデジモンを受け入れている。
多分、太一達の適応力の高さはこの両親達から受け継いだに違いない。
大輔「ふわあ…」
アインス「大輔、眠いのか?」
大輔「お前らが朝っぱらから大暴れしてくれたせいでな」
朝っぱらから馬鹿なことやら色々なことが立て続けに起こったことで疲労困憊だ。
大輔は壁に寄りかかって座り込む。
大輔「少し寝る。少ししたら起こしてくれ」
アインス「ああ、お休み」
大輔は目を閉じる。
少しすると穏やかな寝息が聞こえてきた。
太一「よっぽど疲れてたんだな。まあ仕方ないよなあ」
チラリとアインスを見遣るとアインスが呻き声を上げた。
アインス「ぐっ…テスタロッサ達が割り込まなければそんなことに…」
言い訳するアインスを怪しげに見遣る子供達であった。
大輔『ここは…』
ダイヤモンドリリーが咲き誇る花畑。
久しぶりに見る花に寂しそうに見遣る大輔だったが…。
『大輔!!』
大輔『ん?』
声に反応して前を見遣ると、そこには前の時間で短い時間を共に過ごした友達がいた。
大輔『なっちゃん。久しぶりだな』
なっちゃん『驚かないの?』
大輔『これでも一応驚いているよ。でも時々なっちゃんの存在を身近に感じていたから、あまりドッキリはしないかな…』
なっちゃん『むう…』
なっちゃんは自分の予想より大輔が驚かないから少し不満なようだ。
しかし少しして気持ちを切り替えたのか、笑顔を浮かべた。
なっちゃん『大輔、今楽しい?』
大輔『楽しいよ。最初は面倒だったけど、今は色々新鮮だし』
なっちゃん『そっかあ。今は大輔にはお嫁さんがいるんだもんね。大輔を暖かく包み込んでくれるような…』
大輔『いや、あいつらの場合、包み込むというかぎゅうぎゅうに押し込んでくるというか…』
苦笑して自分の妻達を思い出す大輔。
フェイト、アリサ、アリシア、アインスの場合、自分を包み込むというかぎゅうぎゅうに押し込んでくるというのが正しい気がする。
なっちゃん『幸せ?』
大輔『幸せだよ』
なっちゃん『本当に本当?』
大輔『本当に本当だ』
なっちゃん『よかったあ、心配してたんだよ大輔。でも幸せそうでよかった』
大輔『なっちゃんも傍にいてくれるからな。』
なっちゃん『うん♪』
段々と少しだけ風景がぼやけていく。
なっちゃん『時間だね』
大輔『ああ』
なっちゃん『大輔、私はこれからも大輔の傍にいるからね』
大輔『ありがとう』
ヤマト「起きろ大輔!!」
大輔「うーん…どうしましたあ?」
丈「どうしましたかじゃないよ。外見て!!外を!!」
大輔「外?」
外を見遣ると馬鹿でかいデジモンがいた。
大輔「ああ、ヴァンデモンね。そうか、もうヴァンデモンが復活する時間か」
あっさりとヴァンデモンから視線を外すと、全員を見遣る。
大輔「ぶっ潰しますよ」
全員【りょ、了解!!】
凄まじい気迫が込められた声に全員がビシッと背筋を伸ばした。
ヴァンデモンとの最終決戦だ。
後書き
一応、ヴェノムヴァンデモン降臨。
暗黒の力で再生する際に進化したってことで
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