ドリトル先生と森の狼達
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第十一幕その五
「そうだね、ゲームも文化だしね」
「いや、文化は文化でも」
「それでもね」
「そこでそう言うのが」
「ちょっと」
「学者としては立派だけれど」
「先生ずっと一人のままだよ」
動物の皆は今回も呆れるのでした。
「確かに僕達はいつもずっと先生と一緒だけれど」
「王子とトミーもね」
「けれどね、先生はお一人じゃないけれど」
お友達は沢山いてもです。
「先生は一人のままだよ」
「このままね」
「ずっとそうなるよ」
「ううん、一人じゃないのに一人なんてね」
先生はライチを手に取りました、下段の。
「矛盾している言葉だね」
「矛盾している様でしていないよ」
「それも全くね」
「先生がわかっていないだけで」
「私達の言葉は全く矛盾していないわよ」
「何一つね」
「そうなのかな、そういえば」
ここでこんなことを言った先生でした。
「シューベルトは沢山の友人に恵まれていても孤独だった」
「ああ、音楽家の」
「あの人だよね」
「先生も時々聴いてるけれど」
「若くして亡くなった人だよね」
「あの人みたいじゃないよね、僕は」
こう動物の皆に尋ねるのでした。
「別に」
「どうかな」
「僕達シューベルトさんのことはよく知らないけれど」
「近い?」
「そうかもね」
「実際ね」
「あの人とも」
動物の皆は先生に対して考えつつお話しました。
「あの人とは細かいところが違うにしても」
「それでもね」
「先生もね」
「シューベルトさんとも近いかもね」
「実際のところね」
「そうかも知れないね」
「ううん、そうなのかな」
先生は杏仁豆腐はスプーンで食べつつ応えました。
「僕は一人のまま」
「うん、一人のままね」
「そこがね」
「僕達も悩んでるんだよ」
「先生、この言葉の意味よく考えてね」
「先生はお一人じゃないけれど一人のまま」
「この言葉の意味をね」
こう強く言うのでした。
「先生もね」
「春が遠いよ」
「周りは春でも先生の春は遠い」
「傍にあってもね」
「そうなるのかな」
先生は中華風のティーセットを楽しみつつも首を傾げさせるのでした、そして数日後。今度は休日の三時にです。
先生は今度はアメリカ風のティーセット、上段はアイスクリーム、中段はドーナツ、そして下段はシロップをたっぷりかけたパンケーキのティーセットをトミー、それに動物の皆と楽しんでいました。王子はお家でお客さんとお話しています。
その時にです、先生は携帯から連絡を受けました、そのお相手は。
「これは園長先生、こんにちは」
「はい、先生こんにちは」
園長先生はまずは挨拶からでした。
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