ドリトル先生と森の狼達
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第十一幕その二
先生を送りました、先生はそのまま日笠さんと園長先生のいる動物園に向かいました。この時研究室うを出た時にです。
今度は動物の皆にです、こう言われました。
「じゃあね」
「今から勝負の時だね」
「とはいっても先生緊張してないけれど」
「いつも通りだね」
「僕は真実をありのままお話するだけだよ」
本当にそれだけだと答える先生でした、動物の皆にも。
「だからね」
「特に緊張しないで」
「リラックスしてだね」
「そのまま行くのね」
「いつも通りに」
「うん、そうしてくるから」
こういつものお顔で言うのでした。
「それじゃあね」
「じゃあ帰ったらだね」
「いつも通りお茶だね」
「お茶を飲むんだね」
「お話は長くなるかも知れないけれど」
お話することがすることだからです、先生もこのことは少し覚悟しています。
ですがそれでもです、先生は言うのでした。
「お茶はね」
「それはだね」
「用意していいね」
「いつも通り」
「お茶とお菓子だね」
「ティーセットを」
「今日は中華風でいこうかな」
先生は今回のティーセットはそれにしようと言うのでした。
「中国茶とね」
「中国のお菓子で三段だね」
「そうするんだね」
「そうしようかな、今回は」
皆にこうも言うのでした。
「桃饅頭や杏仁豆腐、ごま団子でね」
「中国のお菓子もいいよね」
「そちらも」
「うん、それじゃあね」
こうしたお話をしてでした、そのうえで。
先生はまずは日笠さんのところに行ってでした、それから動物園の園長室に向かいました。それからなのでした。
園長室に入りました、そこは学校の校長室を思わせる感じでした。そして席に一人の落ち着いた感じの髪の白い初老の人が座っていました。
その人に日笠さんと二人で挨拶してからです、先生はニホンオオカミのことをお話しました。
そのお話を聞いてです、その初老の人園長先生は驚いて言いました。
「それは本当ですか」
「はい」
そうだとです、先生は園長先生に答えました。
「これが証拠です」
「これが」
「そうです」
毛と写真を差し出したのです。
「調べて頂けますか」
「わかりました、しかし」
「しかし?」
「はい、私は秩父の方にいるのではと聞きましたが」
「あの辺りにも噂がありまして」
日笠さんも園長先生に答えました。
「それで」
「それでなのですね」
「はい、そうです」
まさにそれで、というのです。
「先生がそこの調査に行かれて」
「出会ったのですね」
「そうです」
「ドリトル先生のことは私も聞いています」
園長先生もというのです。
「どんな動物達とも仲良くなれるという」
「そう言われているのですね、僕は」
「動物の言葉を理解して喋れますね」
「はい」
その通りだとです、先生はこのことには答えました。
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