ドリトル先生と森の狼達
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第十幕その八
「そうした意味で僕はイギリス人ですね」
「紅茶を欠かさないという意味で」
「はい、あとレモンティーは飲みませんが」
それでもというのです。
「普通の紅茶でアメリカ風も楽しみますね」
「アメリカ風のティータイムですね」
「それと中国風も」
こちらもあるというのです。
「ロシアのものも知りました」
「色々な国の感じのティータイムですか」
「そうです、僕はコーヒーではなくお茶派ですが」
このことは外せません、先生は。
「それぞれのお国のお茶と一緒にです」
「それぞれのお国のお菓子をですね」
「三段のティーセットで楽しんでいます」
「そうなのですね」
「日本、この学園に来てから知りました」
「八条学園が世界中から人が集まる場所だからこそ」
「そうしたことを知りました」
各国の趣きのティーセットを楽しむことをというのです。
「面白いですね、それぞれのお国のティータイムも」
「イギリス風だけではなくなったのですね」
「そうなりました」
「先生はこちらに来られて変わられたのですね」
「そうした意味でもそうですね」
三段セットの真ん中のエクレアを手に取りつつのお言葉です、一番上にはレーズン入りのクッキー、下段にはバウンドケーキがあります。
「僕は変わりましたね、そして」
「そしてといいますと」
「いや、このエクレアも紅茶もそうですが」
そのエクレアの生地とチョコレート、中のクリームのお味まで楽しみつつです、先生は日笠さんにお話するのでした。
「とても美味しいです、他のどんなお菓子も」
「日本では、ですか」
「お茶も。まずお水がいいので」
紅茶に使うそれがというのです。
「日本のお水は軟水ですね」
「はい」
「そこにまず大きな違いがあります」
「軟水の方が美味しいというのですね」
「そうです、僕はそう思います」
「硬水は問題があるのですか」
「お風呂に入っても洗濯をしても食器を洗ってもです」
家事に使ってもというのです。
「違います」
「よく言われていますね」
「そして水が日本より少ないので」
このこともお話する先生でした。
「イギリスではシャワーの時泡は落とさずに」
「拭くのですね」
「食器もそうです」
洗剤の泡を落とさずにというのです、お湯やお水で。
「そうしています」
「そのお話は私も知っていますが」
「日本では考えられないですね」
「泡は絶対に落とします」
お風呂、シャワーの時も食器を洗った時もです。
「そうしています」
「そしてですね」
「はい、そして紅茶に使うお水も」
「軟水だからこそ」
「味が違います」
そうだというのです。
「尚且つカロリー控えめですね」
「日本人はカロリーに五月蝿いですから」
「お菓子のカロリーも低めですね」
「そこはかなり」
「はい、お陰で少しですが」
先生はバウンドケーキも楽しみつつお話しました。
「痩せました」
「そうなのですか」
「考えてみればイギリスにいた時は冒険の時以外はずっと病院の中にいました」
患者さんが全く来なかったその病院にです。
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