ドリトル先生と森の狼達
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第十幕その五
「お願いします」
「では」
「ニホンオオカミの生存を発表し保護も進めましょう」
「野生動物のままですね」
「そうです、それでは」
日笠さんはその目をきらきらさせていました、そうしてです。
「動きましょう」
「法整備ですね、やはり」
「人の社会は法律で動いていますので」
日笠さんはとてもしっかりとした口調で先生に言いました。
「この動物園にしましても」
「博物館法ですね」
「そうです、日本ではです」
「動物園は博物館になりますね」
「そのうちの一つです」
「だから僕も博物館の学芸員でもあるので」
先生はこの資格も持っています。
「動物園で勤務も出来ますね」
「はい、それに」
「僕の場合はですね」
「図書館の勤務も出来ます」
「そちらの資格も持っているので」
「先生はです」
まさにというのです。
「あらゆる資格を持っておられるのので」
「博物館関係も図書館も」
「そして学校の先生も出来てお医者様もです」
「どれも出来るのですね」
「そうです、先生なら」
「ううん、イギリスから来ましても」
「それでもです」
先生がそうした資格を持っておられるからなのです。
「先生なら」
「左様ですか、そうしたことも法律で」
「野生動物を守るものです」
「法律ですね」
「あらゆるものはです」
「法律が守りますね」
「そうです、この場合はいい法律なので」
だからだというのです。
「法律を頼りにしましょう」
「そうなりますね、確かに法律はです」
「いいものですね」
「なくては今回もです」
「ニホンオオカミを守れないですし」
「他のことも」
「若しこの世の中に法律がないと」
どうなってしまうのか、日笠さんは先生に真剣なお顔でお話しました。
「無法状態になってします」
「まさに」
「そしてです」
そのうえでというのです。
「弱い人は強い人に何をされるかわかりません」
「法律が弱い人を守ってくれないので」
「法律は弱い人を守ってくれて」
「強い人の横暴を防いでくれます」
「それが法律ですね」
「悪用する人もいますが」
それでもというのです。
「そして悪法もありますが」
「法律は人と社会を守るものですね」
「自然も」
今回のこともというのです。
「守ってくれます」
「まさにあらゆるものを守ってくれる」
「それが法律です、ニホンオオカミも守ってくれます」
「それでは」
「ここは園長先生とお話しましょう」
「そして学園長にもお話をして」
そのうえでニホンオオカミを守ろうということになりました、先生は日笠さんとそこまでお話しました。そして。
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