魔法少女なゼロ!
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外伝
外伝・少年の目指すモノ
前書き
久しぶり
前回のキンクリが不評過ぎて泣けてきていた。
まあそれでもあのような形にすることは初めから決めていたので、間の話はまた外伝かなんかでやります。
というわけで外伝、サイト魔改造への道をどうぞ
それを言葉にするならきっと運命とでも言えるだろう。
その出会いは偶然だった。なんの用事だったか、確か親戚の誰それさんの所に何か用事があった。それで、わざわざ電車で数駅離れた街に家族で出向いた時のことだった。
俺自信は特に用事があったわけでなく、あくまで両親の用事だったから、俺は暇を持て余していた。まだ幼かった頃なので何かをしようにも、精々がその辺りを適当に見て回るだけだった。生憎、その街に友達がいるわけでも無かったので独りで呑気にしていた。
夜になってもまだ帰れないようで、親戚の人が泊まっていくよう勧めたけど、俺というお荷物が迷惑を掛けてはいけないからと、近くのビジネスホテルに泊まったことを覚えてる。どこにでも有りそうな普通のホテルだったが、お泊まりということで無邪気にはしゃいでいた気がする。そのせいなのか、夜はなかなか寝付け無かった。両親もたまにはいいかと、俺が夜更かしをしても軽く注意するだけで、無理に寝かしつけようとはしなかった。
いつも寝る時間よりも遅くなって、寝付けはしないがすることもないので、窓の外に目を向け街を見下ろし、星を見上げていた。世の中にはもっと綺麗な光景は沢山あるのだろうけど、普段あまり高い場所で夜を過ごすことの無かった俺は、その時は地上の灯りも星の光のように感じて、上も下も見渡す限り星に囲まれて、まるで宇宙に立っているような気持ちになって無性に感動していた。
そんな時だった。下に見える街中で何かが一瞬煌めいた。そして数秒してドーンという音が聞こえた。その音を聞いていた両親はどこかで花火でもやっているのかと考えていたようだったけど、俺はその正体がさっきの煌めきだと気がついていた。その後も何度もその煌めきと破裂音は続いた。
普通ならば爆発が連続し、いかにも危険そうな現場には近寄るものはいないだろうし、いたとしても少し離れた所から眺める程度だろう。でも、その時俺は不安に震えこともなく、恐怖心を抱くこともなく、ただただ好奇心に突き動かされた。
ホテルの中を探検してくると、両親に嘘を付き、渋い顔をした両親が止める間もなく部屋を飛び出した。そしてそのままホテルからも出て、爆心地に向かって急いだ。そして、まだ聞こえていた爆発音を頼りに、迷うことなくそこにたどり着いた。
そこには、アニメや漫画でしか見ないような奇妙な生物が暴れていた。俺の体を軽く越える大きさの全身毛むくじゃらで、2つの目が赤く光っている化け物とでも呼べる生物がいた。そしてそれに対峙するように何かの棒を持った俺と同じくらいの年頃の女の子がいた。その子は手に持っていた棒、杖といったほうがいいかもしれないそれを化け物に向け、毅然と立ち向かっていた。まさかそんなちっぽけな棒切れ一本で立ち向かおうとしているのかと思い至り、無謀だと思った。とっさに誰か大人の人をと思いたったが足が竦んでしまい動けなった。
そうしているうちに、化け物がその体のけむくじゃらの数本を勢いよく伸ばし、その女の子にぶつけようしていた。危ない、と思った。思っただけで自分の体は何も動かなかった。車と同じくらいの速さで伸びてくる触手が、女の子の体を貫こうとした瞬間、彼女が何か口ずさんだと同時にその手に持つ杖が振られた。思わず、彼女が貫かれる想像をしてしまい目を瞑った。
工事現場とかでしか聞こえないような轟音が鳴り響いた。
数秒して、目の前に体を貫かれ血まみれの女の子の姿を予想しながら、そっと目を開けた。
予想は覆された、そこにいたのは触手の一本が千切れ跳び、痛みか或いは怒りで呻き声を上げる化け物と、傷一つなく悠然と佇む女の子だった。目を瞑っていた間に何が起きたのかは分からなかった。ただ、化け物が敗者であり、女の子が勝者であること、それだけは分かった。
化け物が体をうねらせながらながら再び、触手を伸ばしてきた。今度こそは何が起きたのかを見逃さないようにしっかりと目を開けておく。さっきの繰り返し、同じように女の子の体が貫かそうになる。女の子は杖を振る。
今度は確かに視界に捉えた。化け物の触手の真ん中あたりが吹き飛んだ。さっきの轟音はこの音だった。自らの触手が千切れ跳んだことに気が付いた化け物は再び呻く。
そこからは一方的だった。
女の子が杖を振る度に、化け物の体は削れていく。このままなら、圧倒的に女の子のほうが有利だった。
だけれど、女の子が杖を振る回数が十、二十と増えていく毎に段々と女の子の息が上がってきているのが分かった。一方、化け物の方は触手が何度も千切れようとも、体がいくら削り取られようとも、あっという間に再生していた。その子は息が上がるのを通り越して、フラフラと今にも倒れそうになっていた。
それでも彼女は、諦めない。
立っているのも辛そうな表情をしている、杖を振る腕がひどく重そうに見えた。今にも意識を失い、閉じてしまいそうな瞼を擦り、強引に自分を振るい立たせていた。時々、化け物の触手が掠り、上等そうな仕立ての洋服にも細かい傷が生まれ、よく見れば所々に黒い染みが出来ていた。血だ、ついに化け物の攻撃は彼女の身体に通り始めていた。
体中ボロボロになり、意識を保っているのが奇跡ではないかと思える程の状態であっても、彼女の目は化け物から決して逸れることはなかった。
俺はその時、彼女の目が輝いているとそう思った。水面に反射する太陽光のような煌びやかな輝きではない。もっと燃えるような、マグマのようにしつこく粘り強く、それでも美しいと呼べるような輝きを見た。
その輝きに見惚れた。
気が付けば、何か意味の無い雄たけびを上げながら彼女の前に飛び出ていた。固く凍り付かされていたように動くことのなかった足は、彼女の輝きに溶かされていた。
彼女を庇うように、もう彼女が、彼女だけが立ち向かう必要がないように、ただそれだけを思っていた。
ただそれは勇敢な行いなんかじゃなく、ただの無謀だった。
俺の登場に気を取られた彼女の腕が止まる、その隙を化け物は見逃さなかった。迫りくる触手の動きがやけにゆっくりと感じられた。何も出来ず、ただただ貫かれることを待つ。それでも少しでも彼女が怪我をしないように盾になるように立ち塞がる。
怖かった、死んでしまうんじゃないかと思ったことが。でもそれ以上に、チカラの無い自分が悔しかった。
目は瞑らない、少しでも後ろの女の子の気高さに追いつけるかもしれないと思って。
やがてその時は訪れる、俺の目の前に迫って来ていた触手がピンク色の閃光に掻き消された。そして立て続けに化け物の本体にも同じような光が突き刺さる。彼女がいくら吹き飛ばしても再生していた化け物はあっさりとうめき声を上げながら消失し、最後には小さな宝石のような石ころだけが残った。
この時が、彼女達と出会ったこの時こそがきっと運命であったと思う。
その後は大変だった、あの化け物がジュエルシードとかいうもんのせいだとか、魔法使いに魔導士だとか、次元世界だとか世界の危機だとか、クローンがどうとか。正直、あの事件の時、俺はあまり関わることが出来なかったから詳しいことは分からない。
でも、いやだからこそ、俺は悔しかった。始めに彼女に出会った時から何も出来なかったことが。もし俺にも魔法が使えたら、もし俺にもっとチカラがあったなら、あの事件はもっとハッピーエンドを迎えられたんじゃないのか。
そこから俺は我武者羅だった。魔法が使えないと分かると、武器を持とうと思った。幸いにもあの事件の時に友達になった子の父親が道場をやっていたから、そこで鍛えさせてもらうことになった。武器を持つと、質量兵器(つまりは物理的に戦うような道具)は次元世界ではしよう禁止と言われた。なら、質量兵器でも魔法と同じようなダメージを与えられるようにすればいいと思った。彼女達魔導士は平然と空を飛んだ(もっともこれは後になって全ての魔導士が飛べるわけじゃないことを聞いたけど)、ならば自分も空を跳ぶ必要があった。
空を跳ぶのは練習してたら出来るようになった。師匠達も俺と一緒にやって出来るようになってたからそこまで難しいことじゃないと思う。でも魔法と同じようなダメージを与えるのは難しかった。ようは肉体を傷つけることなく、魔力にだけダメージを与えればいいということだけどなかなか上手くいかなかった。
一度だけ、たった一度だけ成功したことがある。その時の事は無我夢中でよく覚えていない。でもそのおかげで大切な人達を守ることが出来た。
だから、意識して出来るようになるまで、俺は刀を振り続ける。
いつまでも彼女達に置いて行かれるのは悔しいから……
後書き
サイトのステータスはたぶんこんな感じ(適当
属性:秩序・善
▼パラメーター
筋力:C
耐久:B
敏捷:C
魔力:-
幸運:A
宝具:-
▼保有スキル
ガンダールブ(未覚醒):A
鈍感:A
空中跳躍:C
斬魔剣 弐の太刀:E
ガンダールブはその才能だけで未だ覚醒せず、鈍感はラノベ主人公レベル、空中跳躍は某海賊漫画のゲッポウとか某野菜先生漫画の虚空瞬動だとかそんな感じ、虚空瞬動みたいな高速移動じゃないとおもうけど。それと斬魔剣 弐の太刀も同じく野菜先生のアレ、アレでこう体を切らずに魔力だけを切る的な?もともと体に憑りついた悪霊とかを切り伏せる技らしいから、魔力も悪霊と同じ感じでこうズバッとね?
こんな感じで超生命体SAITOは出来上がります。
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