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FAIRY TAIL 天使の軌道

作者:南の星
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第6話――熾天使の実力

 
前書き
今回は説明会みたいなものです 

 
町長、ランデルの屋敷で依頼の詳細について話し合いを終え、コハクは日が暮れるのも近いということで、宿にチェックインしていた。

ランデルは屋敷に泊まっていってもいいと言っていたが、流石に依頼主の好意にそこまで甘えるのはどうかと思ったのと、コハク自身そこまで金に困ってないので、丁重にお断りした。

第一、ダイオウヒリュウバチの巣の駆除は1000万J(ジュエル)の成功報酬と巣から取れたものと、大金である。

これはルーシィの家賃約142ヶ月、11年10ヶ月分の値段だ。

そして巣で取れたもの、蜂の子は滅多に出回らない珍味として有名であるし、蜂蜜は最高級品として貴族でも滅多に食べれる物ではなく、ダイオウヒリュウバチ自体も柔らかくて非常に美味な肉であるため、成功報酬と同等かそれ以上に売れる可能性がある。

まぁ、規模が大きいので値下がりはするだろうが。

そしてコハク自身働いても金は使わない族に属してるので使う機会があれば使いたいのだ。

何とも羨ましい奴である。

閑話休題。

夕食を済ませコハクは宿のベッドに横になっていた。

思案するのは明日からのダイオウヒリュウバチの巣の駆除。

期間は約1週間。

5日を巣の観察にあてて、1日で攻略、もう1日は予備日。

コハクが何故観察に5日も使うのか。

フェアリーテイルらしく行き当たりばったりだと、もしもの時に対応ができないからだ。

コハクの使う天使の力、コハク曰く、【精霊魔法】は弱点がいくつかある。

1つ目は膨大な魔力消費。

コハク自身かなりの、それこそフェアリーテイルでもトップスリーに入るくらいの魔力量を持ってるが、戦闘持続力はかなり短い。

そのせいか、フェアリーテイル最強のオヤジ、ギルダーツには4戦4敗。

全てが魔力切れでの決着だ。

他のS級魔導士は、というと、エルザには今のところ全勝。

男の意地というやつである。

ちなみにラクサスとミストガンとは戦ったことはない。

どちらもコハクが避けてるからだ。

ラクサスとは力試しの闘いではなく、本気の闘いになってしまいそうだからで、ミストガンとはどうしても闘いたくはなかった。

2つ目は強力なデメリット。

天使の力を全力で使用するには霊装を纏わなければいけないのだが、それを纏えば力の使用具合によって身体に負荷がかかり、悪ければ3日ほど寝たきりになる。

他にも天使ごとにデメリットがあり、そのデメリットでコハクが肉体的にも、精神的にも苦しめられていることも多々ある。

3つ目は1日に1つの天使しか使えないこと。

1度、1日に2種類の天使を使えるか試してみたことがあったが、尋常じゃない激痛が走り、気を失った。

異なる天使の力に体が耐えれず、拒絶をしたようだった。

実験から2年ほど経つが1度も2種類の天使を使用したことはない。

等々、強大な天使の力にはマイナスな面もあり、使い勝手がいいわけではない。

それらを考慮したうえで、今回のクエストを成功させなければ成らなかった。

できれば、エルザを連れてきて手伝ってもらいたかったのだが、今回は運の悪いことに別の依頼と被ってしまって連れてくることは出来なかった。

他のS級魔導士に頼もうにも、ラクサスには断られ、ミストガンには会えず、ギルダーツは何処にいるかすら分からない。

S級魔導士以外には危険すぎる、ということで頼もうとはしなかった。

なので、一人な訳なのだが……

「最近静かすぎて落ち着かない」

クエストのことではなく、ギルドがある、マグノリアから出て数日は静かなことを満喫していたのだが、煩くないことに違和感を感じで馴れないことが問題であった。

要するにホームシックというやつである。

コハクもフェアリーテイルのハチャメチャさに大概に染まっていたのだった。

そんなこんなで、夜は過ぎ、明けていく。

 
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