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詩集「棘」

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君は蜃気楼のように



太陽が零れてく
暮れてゆく一日…
淋しさが満ちてゆく
夕刻の朱い日差し…

どうして止まらないの?
時は嘲るように
走ってく 振り向くことなく
いつか終わりを運んでく…

君は蜃気楼のように
戯れに現れては消えてく…
触れたと思えば影もなく
哀しみ映す 空見上げ…


もうすぐ夏が終わる
高くなる青空…
恋しさが募ってく
くすんでく緑の陰…

こんなに愛しいなんて
君を追いかけたいよ…
この想い果てることもなく
いつか届く日はくるの…?

君は蜃気楼のように
スルリ僕を擦り抜けていく…
想いが重なることもなく
恋に焦がれて陽も沈み…

君の世界では僕は脇役で
隣を歩くことさえ許されず…
ただ溜め息だけが夜に溶けてく…


君は蜃気楼のように
微笑んでは僕を迷わせる
儚き恋を諦められず
夕影を一人 歩いてく…

君は蜃気楼のように
戯れに現れては消えてく…
触れたと思えば影もなく
哀しみ映す 空見上げ…



 
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