詩集「棘」
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切なく君を想っても
どこまでもざわめく夏の終わり
ゆらめく陽炎に溜め息一つ
透る蒼は嫌味な程に
愛しい君を想い出させる…
風に揺れる尾花
甘く香る宵待草
夕に染まる大地に
胸が締めつけられる…
切なく君を想っても
僕は一人オレンジの世界見つめ
寄り添うこともない影
今日も…探し続けているだけ…
名残惜しそうな落ちゆく太陽
星影誘う藍色の空
想い焦がれ紡ぎ出すのは
ただ“会いたい"の一言だった…
また夜が訪れ
心 痛みに耐えかねる
優しい虫の音すら
寂しい涙…誘い…
切なく君を想っても
君のいない此所で月影見上げて
あるはずもない幻
今日も…願い続けているだけ…
切なく君を想っても
うつろう空 見上げることしか出来ず
許されるはずもない恋
それでも君を愛し続けて…
切なく君 想っても
時は去って いつしか夢の彼方へ…
それでも君を求めて
今日も…探し続けているよ…
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