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リリカルビィト~才牙と魔法が交わる物語~“改稿版”

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六十三話、デート(なのは編)

 
前書き
龍也「其ではどうぞ!」 

 
「すごい人だな……」

「あはは、ミッドチルダで一番と言ってもいいほど有名な遊園地だし休日だもん、仕方ないよ」

龍也となのはがやってきたのはミッドチルダにある遊園地、エデン・パレスのゲート前

今日は休日だからなのか、恐ろしい程人が多い

特に家族連れやカップルが

というより何故龍也となのはがいるのかというと、なのはが仕事で無理し続けた事に責任を感じたリンディさんとクロノの二人がお詫びとしてミッドで一番大きい遊園地"エデン・パレス"のチケットをなのはと庇った龍也に一枚ずつ渡したのである…

其を聞いたフェイト達(龍也に惚れている子達)が羨ましがっていたが…

余談だが、チケットを二枚取るために三日前から並んでいたらしい二人はある意味凄いと感じるのは気のせいではないと思う…

閑話休題

「でも、ゼンさ……じゃなくて龍也君…本当に大丈夫なの? 怪我は…」

「? 大丈夫だからいるんだろ? 心配するなよ」

「でも…私のせいで…」

「気にするな、其に折角のデート(・・・)なんだから暗くなるなよ」

「デ、デート!?…う、うん////」

そんな会話をしながらなのはと龍也はゲートに向かい、ゲートの係員にペアチケットを見せる

「ペアチケットですね。どうぞお楽しみ下さい」

係員の言葉に軽く会釈してパンフレットを貰い、ゲートを通り過ぎる

中に入り、二人の最初に目に入ったのは……"ようこそ !楽園の城へ!!"と書かれた文字が大きなお城の周りを回っているホログラムだった

「さて……どのアトラクションに行く?なのはの行きたいところでいいぞ」

「うーんと……これが気になるの」

なのはがパンフレットを指差す

「…うん、確かに気になるな」

そこには、"サンタクロース・ハンティング"と書かれていた

楽園でハンティング……しかもまだクリスマスではないのにサンタクロースをハンティングするのだ…気にならない訳が無い

「いいぞ…じゃ、行くか…」

龍也はなのはの手を握り、歩き出す

「ふ、ふぇ///?龍也君///?」

「? あ、ごめん…人が多いからつい…嫌だった?」

「うぅん///!そんな事無いの///!」

「そうか…じゃ、改めて行くか」

「はい、なの///」

龍也となのはは改めて手を繋ぎ、歩き出す…
その姿はカップルの様で微笑ましいのであった

●○●○

サンタクロース・ハンティングと書かれた看板を見つけ、その場所に向かう龍也となのは

その場所に辿り着くと、何やら人だかりが見えた

「「?」」

龍也となのはは人だかりを掻き分け、内側へと進む

やがて内側へ辿り着いた時、二人が見たのは………教会のような建物と、異常な数の白いハト が山のように積み重なっていた……生きたまま

『………………………』

あまりの光景に言葉を発せない人達(剣也となのは含む)

そして全員が思っていた…

ー…何故にハト?てかよく飛び立たないな…と

しばらくハトの山をジーッと見ていると、そこから声が聞こえた

「なぁ……人は死んだら……何処へいく?」

バサバサと一斉にハト達が飛び去っていく

ハトの山から現れたのは……瓦礫の上に座った、くすんだ銀髪を首の後ろで結んだ、屈強な 体つきの男性だった

『(怖いわ!?)』

そう思った全員はおかしくないと思う…

「……いらっしゃい。ここサンタクロース・ハンティング……あんた達は今より、とある動物を狩るハンターとなってもらう」

係員(だと思う…てかそう思いたい)の概要を聞いた後、全員が係員の案内の下、教会の扉をくぐる

くぐった先に広がるのは…雪の積もった町中だった

この場にいる全員に拳銃……もとい、拳銃型のデバイスが配られた

しかも良く見るとどうやらDLCモードを利用した特騎士隊特製のものらしい

「その昔、サンタクロースというのは子供達が一人前の狩人になるために神が与えた動物とされていた…仕留める事が出来ればそいつからおもちゃや菓子、はたまた金品等を奪う事が認められていたという…」

ーんな訳あるか!!!!!?? てか、んなもん与えんなよ、神!!!!!!!

其を聞いた全員の心の叫び

「お前らには其を体験してもらう、町中のサンタクロースを自分達で探しだし今配ったデバイスで仕留めてその得点に応じた報酬…具体的には此処、"エデン・パレス"の年間フリーパスやマスコットキャラ"プッキー・ウィーズル"の等身大ぬいぐるみ等だ…他にも色々なものがある…」

以外に体力を使うアトラクションらしい…

乗り物に乗るのでなく、自身が動くようだ…

「制限時間は10分…あと、このフィールド内の時間の流れは外の十倍…つまり外では一分しか経っていない(此方も特騎士の技術)…さぁ……狩人となる為の試練、サンタクロース・ハンティング……始まりだ」

「行くぞ、なのは!」

「うん!」

係員がハンドガンを上に向け、発砲する

ドォン!!という銃声を合図に全員は走り出した

決して、係員が怖かった訳ではない……

…怖いけど…

●○●○○

「……」(グッタリ)

無事に終わり、龍也達はベンチに座ってる…
結果としては龍也は過去最大スコアを叩き出したため"プッキー・ウィーズル"の等身大ぬいぐるみの他に特性スノードームを

なのはは"エデン・パレス"限定の置時計を手に入れたのだが、いかんせんなのははまだ本調子ではない+係員に対する恐怖心+体力の消耗でダウンしていた

「…大丈夫か?」

「…」(…コク)

どうやら落ち着いてきたらしい…

「…次は大人しいのにしような…?」

「…うん…」

そして暫くしてなのはが復活し…次に選んだのは

「あれがいいの!」

「…あれか」

よりにもよってメリーゴーランドだった…
龍也は一応体は子供だが精神は大人……
恥ずかしいようだ

「ダメ…かな?」

なのはが涙目になり上目遣いで見上げる…

龍也は覚悟を決めた

「分かった…乗ろう…」

「うん!」

スタッフにフリーパスを見せてから馬型の座席になのはが座り、龍也がその隣に座る。他の座席を見てみると、優衣と同年代ぐらいの子供達が親と一緒に座席に座っていた

やはり子供連れの親にとっては、ポピュラーなアトラクションなのかな?

龍也がそんな事を考えていると、床が回転し始めた。さらにそれに合わせて座席も上下し始める。緩やかに流れる光景を見る事ができるのでゆったりとした時間を過ごす事ができる

二人は楽しみながら癒されていたのだった

●○●○

「これからどうする?そろそろ昼飯時だが…」

メリーゴーランドに乗った後、暫くジェットコースターやマスコットキャラと写真を撮ったりしてるとお昼になっていた

「あ!それなら平気だよ!お昼なら用意して来たから!」

そう言い、なのははお弁当やら水筒やらが入っ てるらしいバッグを見せる…

「(なるほど、やけに大きな荷物だと思ったが…弁当だったのか)…じゃあ広場に行くか」

「うん♪」

その後は色々な話をして弁当を平らげ、食休みをして再び活動を再開…
なのはも終始楽しそうに回り、土産物屋で互いにデザインが少し違う同じストラップをプレゼントしあったりした

「時間的に後一つは乗れるな…なのは何に乗りたい?」

「最後は観覧車って決めてるの!」

なので、観覧車までやってきた

○●○●

~龍也視点~

観覧車へと乗り込み、暫く風景を楽しむ俺となのは……

そして、4分の1ほど進んだ時、なのはが口を開いた

「龍也君……今日……楽しかった?」

「楽しかったよ。今までこういう所来たこと無いからね」

薫や紫穂、葵に出会うまでは家や特騎士の仕事の手伝い、出会ってからは相手が高レベルのエスパーの為遊園地等は敬遠していた……

エスパー用に何か作ろう……

そう思っているとなのはが口を開く

「私も楽しかった。だから、また……龍也君とデートしたい。これからもたくさんデートしたい」

「……なのは?」

なのはの顔が、言葉が真剣味を帯びる

何か覚悟を持って、なのはは何かを伝えようとしている

「……私ね…小さい頃から負担の大きい収束砲を撃ったり、たくさん無茶したりした……そんな無理がたたって……龍也君が怪我をして……」

「……気にするなよ、誰にだって間違いはある。此れからはそこから反省していけば良いし、此れからは周りも頼れば良い」

「解ってた……でも……迷惑かけたりしたら、みんなが離れていくんじゃないか……また独りぼっちになるんじゃないかって思ったの」

思い出すのは、俺が初めてなのはを夢で見たこと

あの時、幼いなのはは独りぼっちで泣いていて……周りに誰もいなかった

そんな記憶があるからこそ、なのはは独りぼっちになることを恐れているのかもしれない……

「そうか……」

「でも、龍也君が……ううん、ゼンさんの言葉で解ったんだ……そんなことしなくても一人にならないって……」

そう言いながら俺の顔を見ながら笑顔で言う

「有り難う……ゼンさん……」

その笑顔は俺が今まで見てきた中でも美しいと感じる笑顔だった……

●○●○

遊園地を出て、なのはを家まで送り届ける

「改めまして今日はありがとうなの! すっごく楽しかったの!」

「あぁ、機会があったらまた行こうな」

互いに高町家の玄関前で言葉を交わす…

「良いの!?」

「あぁ、そんな事で嘘はつかないしな」

生まれてはじめてってのもあるがな

「うん、いつかまたいこうね♪」

「あぁ、それじゃそろそろ帰るな…」

「名残惜しいけど仕方ないね…またね?龍也君」

「あぁ、またな」

俺はなのはと挨拶を交わし帰路に付く…。なのはは俺の背中が見えなくなるまで見送ってくれていたのを気配で感じた

~龍也視点終わり~

●○●○

〜なのは視点~

私はお風呂から上がり、自室で龍也君と買い合った白、黒、茶色のプッキー・ウィーズルのストラップを眺めながら今日一日の出来事を振り返って居た

「えへへ///またデートしようね///」

私は益々龍也君に対する想いが深まるのを感じながら幸せな気持ちで眠りに就きました……

鎌鼬のヒー、フー、ミーと一緒に……ね? 
 

 
後書き
なのは「今度は皆で行こうね、龍也君♪其では感想待ってます♪」 
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