FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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エルフマンvs.バッカス
前書き
最終日の構想ばっかり考えてたら小説書いていくのを忘れてました(笑)
最終日も何もストーリーが進まないと考えていても意味ですもんね!!
シナリオはこれからゆっくり考えていくことにしようっと
医務室にて・・・
「お・・・おおおおお・・・」
俺たちはナツさんをベットへと寝かせる。その隣のベットではセシリーとシャルルがさっきまで眠っていたのだが、今は2人とも起きてイスに座っている。
「ナツ大丈夫ですか?」
「何の心配もいらないよ。ただの乗り物酔いじゃないか」
「ですよねぇ・・・」
「一応トロイアをかけておいたのでしばらくすれば起きると思いますよ」
ルーシィさんがポーリュシカさんに質問するとポーリュシカさんは呆れながら答え俺はそれに納得し、ウェンディがトロイアをかけたことを伝える。
「シャルルとセシリーはもう大丈夫なの?」
「えぇ」
「うん!!元気元気!!」
ウェンディの質問にシャルルはそっけなく、セシリーは元気をアピールするためか両手を上げて答える。
「よかったぁ!!」
「でも無理はするなよ。もうしばらくは休んでた方がいいよ」
「そうさせてもらうわ」
「今日はシリル出ないだろうから僕もゆっくりしてるよ~」
俺の言葉にシャルルとセシリーはうなずく。
「シリル、ルーシィさん。そろそろ戻らないと」
「そうだね」
そろそろバトルパートが始まる時間のはず。俺とルーシィさんは今日は選ばれないと思うけど一応闘技場の近くには行っておかないとな。
「あたしはいいや。もう少しナツの看病してからいくから」
ルーシィさんは乗り物酔いのナツさんに付いててあげるらしい。
「わかりました」
「もしナツさんがバトルパートに選ばれたら呼びに来ますね」
「うん。よろしくね」
俺とウェンディは医務室から出て闘技場の待機場所へと戻っていく。
「シャルルとセシリー、元気になってよかったね」
「うん!!」
俺とウェンディは駆け足で待機場所に戻りながらセシリーたちが元気になったことを喜びながら戻っていく。でもシャルルは少し元気がなかったな。 まだ完全には回復してないのかな?
『さぁ!!皆さんお待ちかねのバトルパートです!!第一試合は新規ギルドながら現在トップの大鴉の尻尾クロヘビ!!vs.蛇姫の鱗トビー・オルオルタ!!』
俺たちが待機場所につくよりも先にチャパティさんの実況が聞こえてくる。
『ヘビと犬のにらみ合い、果たして勝つのはどちらか!?』
『フェアな戦いをみたいね』
『トビー犬過ぎる!!COOL!!』
ゲストのジェイソンさんのコメントはあまり要らないような気がするが、どうやら試合が始まってしまうところのようだ。
「すみません!!」
「ただいま帰りました」
「おお、ちょうどこれからバトルが始まるところだぜ」
ウェンディと俺をグレイさんが出迎えてくれる。
「リオンとこの犬っぽい人が出るみたいだぜ」
「相手はレイヴンだがな」
「大鴉の尻尾ですか?」
「また反則行為しないといいですけど」
俺とウェンディは闘技場が見える一番前まで来る。
「ねぇシリル・・・あれ」
「?」
ウェンディが何かに気づいたらしく俺は指を指された方を見る。そこには大鴉の尻尾の待機場所があったのだが、なぜか昨日俺とルーシィさんと対戦したフレアが全身アザだらけになっていた。
「あれって・・・」
「もしかして昨日の試合で負けそうになってたから?」
ノーランはあざなどはなく昨日と変わりないようだが、フレアは相当ボロボロになっていた。仲間に手をあげるなんて・・・
ゴォーン
俺とウェンディが大鴉の尻尾の方を見ていたら試合開始の銅鑼が鳴る。フレアも気になるけど、今は試合を見ておこう。
「オオーン!!」
試合開始と同時にトビーさんが仕掛ける。
「超麻痺爪メガメガクラゲ!!」
トビーさんは両手の異様に伸びた指でクロヘビを引っ掻こうとするがクロヘビはそれをすべて避ける。
クロヘビが避けながら一度距離を取ると、突然姿が見えなくなる。
「消えたぁ!?」
トビーさんは敵が見えなくなったことに驚いているが実際は消えた訳じゃない。砂と同化して姿を隠しているんだ。
「砂の反乱」
「オオーン!!」
下から現れたクロヘビに攻撃されるトビーさん。
「今の魔法って・・・」
「ナツさんと戦った時にマックスさんが使った魔法だよね?」
俺とウェンディはクロヘビの使った魔法を見てそう言う。
「擬態か。珍しい魔法を使うな」
エルザさんがクロヘビを見ながらそう言う。
「オオーン!!おめぇ強ぇな」
「君もタフだね」
「クロヘビって名前かっこいいな」
「本名じゃないよ」
「本名じゃねぇのかよ!!」
「キレるとこ?」
トビーさんはクロヘビという名が本名じゃないことに怒る。むしろクロヘビなんてのが本名だったらそれはそれで可哀想な気がするけど・・・
「俺が勝ったら本名教えてもらうからな!!」
トビーさんは変なスイッチが入ったらしく、クロヘビに対して怒濤の攻撃を仕掛ける。クロヘビはそれを交わしながらトビーさんに話しかける。
「それはいいけど僕が勝ったら?」
「俺の取って置きの秘密を教えてやるよ!!」
「面白そうだね」
『何やら妙な賭けが成立したようです』
『どっちも興味ないけどな』
『COOL!!』
トビーさんとクロヘビの賭けに実況席はそう言う。俺的にはどっちも気になるぞ。
しばらくすると・・・
『ダウーン!!トビー立てない!!試合終了!!勝者、大鴉の尻尾クロヘビ!!』』
トビーさんはクロヘビの攻撃の前に力尽き大の字になって倒れてしまった。
「強いな」
「ああ。まだ本気を出してるとは思えねぇ」
「汚い手を使わなくても戦える奴は戦えるのか」
エルザさんとグレイさんと俺がそう言う。
『これで大鴉の尻尾は36ポイント!!蛇姫の鱗は』
『20ポイントだスな』
『COOL!!』
実況席がこの試合によっての点数の変動を観客に伝える。
「オオーン・・・」
負けたトビーさんは悔しかったのか倒れたまま涙を流していた。
「で?君の秘密って?」
「靴下・・・片方見つからないんだ・・・」
そう言うトビーさんの足には確かに右足にしか靴下が履かれていない。ただ気になるのは首からかけているあるものなんだが。
「3ヶ月前から探してるのに・・・なぜか見つからないんだ・・・俺・・・誰にも言えなくて・・・」
靴下が見つからないことに悲しくなりトビーさんはさらに大粒の涙を溢す。そんなトビーさんを見てクロヘビが胸のところをトントンと叩く。
「オオーン!!こんなとこにあったのかよ!!」
「「「「「「「「「「ええええぇ!?」」」」」」」」」」
実はトビーさんは首からネックレスのようなものをかけていたのだが、それに付いていたのが靴下だったのだ。ていうか逆に3ヶ月も首から靴下をぶら下げてることに気づかないなんて・・・
「お前、いい奴だな・・・やっと見つかったぁ・・・」
呆れる観客たちだがトビーさんはそんなの気にした様子もなく探し物が見つかったことに感激している。
『ヤジマさん、これは・・・』
『ノーコメント』
『COOL!!COOL!!1
さすがに実況のチャパティさんも扱いに困ったらしくヤジマさんにコメントを求めたがノーコメントと返されてしまった。ジェイソンさんはさっきからCOOLしか言ってないけど・・・
「よかったな。犬っぽい人・・・」
「何ちょっと感動してんだよ!!」
「トビーさん靴下見つかってよかったね!!シリル!!」
「俺に振らないで・・・」
エルザさんはトビーさんの靴下が見つかったことになぜか感涙し、ウェンディもいつも通り無邪気に微笑んでいた。今の話でどうやれば感動できるんですか・・・
俺たちがこのなんと反応すればいいのかわからない状態に困っていると、トビーさんに靴下の場所を教えたクロヘビが歩みより手を差し出す。
『おおっと!!健闘を称え合って2人が握手を―――』
トビーさんもその手を掴もうとしたが、クロヘビはそれをスルーしてトビーさんの首から下げられている靴下を奪い取る。
『しないーー!!』
そしてその靴下を引きちぎった。トビーさんは大切な靴下を破かれたことに動揺し、さっきまで感動していたエルザさんはクロヘビの所業に怒って暴れだしたのをグレイさんがそれを止める。
『これはひどい!!ひどすぎる!!』
「大切な物ほど壊したくなるんだよね、僕」
地面を叩いて泣き叫ぶトビーさんに背を向けて闘技場から去っていくクロヘビ。静まり返る会場、その中で大鴉の尻尾だけは大笑いしていた。
「ひどすぎる・・・」
「あんなのただの嫌がらせじゃん」
ウェンディと俺はそう言う。
悲しくて涙が止まらない様子のトビーさん。それをレオンとリオンさんが闘技場に降りてきて肩を貸して帰っていく。
『さぁ!!気を取り直して本日の第二試合!!』
チャパティさんがトビーさんたちが闘技場から出たのを確認してバトルパートの続きを行うためのアナウンスを行う。
『四つ首の猟犬バッカス!!』
「うぃー」
第二試合は競技パートで1位を獲得したバッカスさんが参戦するようだ。
『対するは妖精の尻尾・・・』
「私たちか」
「ミラさんたちかもしれませんけどね」
対戦相手がうちのギルドのようなので少し緊張感が漂う。
「ナツさんだったらどうしましょう?」
「たたき起こす」
ウェンディの心配にグレイさんがそう答える。
「でもあの人ってエルザさんと互角だったんですよね?だったら選ばれるとしたらエルザさんかBチームだとラクサスさん辺りなんじゃ・・・」
昨日バトルパートに選出された俺とルーシィさん、ミストガンさんとミラさんはたぶんないと思うし、妥当なのはその辺なんじゃないかな?
「キター!!誰でもいいよっ!!私の仇をとって!!」
応援席では昨日バッカスさんに酔い潰されたカナさんが大暴れしていた。
「B!!エルフマン!!」
「「「え?」」」
選ばれた選手の名前を聞いて驚く俺とウェンディとグレイさん。エルフマンさん?確かに強いけどエルザさんと比べたら数段力が落ちるような・・・
「ワシが見たかったのはバッカス対エルザじゃぞ!!こんなのは全く勝負にならんぞ!!バッカスの圧勝に決まっておる!!」
「聞こえた?」
「うん・・・」
どこからかかすかにそんな声が聞こえてくる。俺とウェンディは耳がいいからかすかに聞こえたがエルザさんとグレイさんは気づいていないらしい。エルフマンさんエルザさんと間違えられて選ばれたのか・・・なんか色んな意味で可哀想・・・
そんな話をしているとエルフマンさんが闘技場に降りてくる。対戦者のバッカスさんは横たわりエルフマンさんを見ている。
「頑張れよ!!妖精の尻尾!!」
「でもあのバッカス相手じゃ・・・」
戦車の時のナツさんの言葉でうちを応援してくれる人も増えたみたい。だけどバッカスさんという強敵相手だということで少々諦めの声も聞こえてくる。
「なぁ?さっきの奴らみてーに俺らも賭けをしねーか?おめぇの姉ちゃんと妹すげぇ美人だよな」
バッカスさんは待機場所にいるミラさんと応援席にあるリサーナさんに視線を動かしながらそう言う。
「何が言いたい?」
「昔からよくある話よ。俺が勝ったら2人は俺のもんよ。両方一緒に」
バッカスさんは笑みを浮かべてそう言う。それを聞いたエルフマンさんは怒りに震えていた。
「2人纏めて俺のものってどういうこと?」
「ウェンディはまだ知らなくていいことだよ」
「?」
純粋無垢なウェンディはバッカスさんの言葉の意味がわからなかったらしい。ようは俺たちにはまだ早いってことだよ。
「おめぇが勝ったら・・・そうだなぁ・・・」
「漢・・・」
「あ?」
体を起こしてエルフマンさんに賭けの条件を提示しようとしたバッカスさん。しかし、エルフマンさんにはそんな声は聞こえていないようだった。
「漢として許せんことがあるぞ、猟犬。砕け散れ」
「商談成立ってことでいいんだな?魂が震えてくらぁ」
怒りのエルフマンさんと余裕な表情のバッカスさん。果たして2人の女性を賭けた戦いはどっちが勝つのか!!
一方その頃、ナツさんとルーシィさんのいる医務室ではある問題が起こっていた。しかし、試合に集中していた俺たちはそれに気づくことはなかった。
『あぁーと!!これは一方的な試合!!エルフマン、バッカスに手も足も出ない!!』
片膝をつき荒い息をするエルフマンさん。対するバッカスさんは呼吸を乱すどころかキズ1つ負っておらず余裕綽々である。
「美人姉妹を1人締め、いいねぇ」
バッカスさんはミラさんとリサーナさんを手にできると確信しており頬を緩ませる。
「そんな・・・」
「強すぎ・・・」
「エルザと引き分けるだけのことはあるな」
「いや、むしろ厄介なのはこの先だ」
バッカスさんの強さを見て俺たちはそう言葉を漏らす。
「ぬおおおおおおおっ!!」
エルフマンさんは立ち上がって接収しながらバッカスさんに突っ込む。
「ビーストソウル・ワータイガー!!」
「スピード系の接収か」
「これで攻撃さえ当たれば・・・」
エルフマンさんは虎に変身してバッカスさんを攻撃する。しかしエルフマンさんの攻撃は当たるどころかバッカスさんの技が次々とエルフマンさんにヒットしてしまい、エルフマンさんは倒れる。
「ワイルド?」
「「「「「フォー!!」」」」」
イケイケムードの四つ首の猟犬。
「あの素早さでもエルフマンの攻撃が全く当たらねぇ」
「なんででしょうかね?」
「バッカスさんの妙な動きが原因かな?」
グレイさんとウェンディと俺は試合を見ながらそう言う。
「奴の魔法は掌に魔力を収束するタイプの割りとオーソドックスな魔法だ。だが、奴の強さの秘密はその魔法を最大限に生かす為の武術にある」
「武術ですか?」
バッカスさんの強さの理由を説明するエルザさんにウェンディが質問する。
「ああ。劈掛掌と言われるその拳法はあの独特な構えから“掌打”を得意とする武術だ」
「掌打?」
バッカスさんは両手を大きく広げ、左足を伸ばし右足を曲げた姿勢から突進してくるエルフマンさんの攻撃を避けて掌打を入れていく。
「さらに恐ろしいのは、奴はその拳法に改良を加え、酔・劈掛掌を編み出したこと」
「酔ってもしかして・・・」
「酔っぱらうってことか?」
「そうだ」
俺とグレイさんの質問にエルザさんはあっさりと答える。
「酔った鷹の攻撃予測は不可能。その上破壊力も増強され、奴の必勝の型となる。だが、
問題なのはそこではない」
「「「?」」」
エルザさんが何が言いたいのかわからずに俺たちは?マークを浮かべる。
「奴はまだ一滴も酒を飲んでない」
言われてみるとバッカスさんはこのバトルパートが始まってから持っている瓢箪を離れたところに置いたまま触れていない。
「つまり・・・」
「全然本気じゃねぇってことか」
「えぇ!?」
俺とグレイさんの言葉に驚くウェンディ。その間にもバッカスさんはエルフマンさんを攻撃しエルフマンさんら接収から元の姿に戻ってしまう。
「ワイルドォ?」
「「「「「フォー!!」」」」」
相変わらずハイテンションの四つ首の猟犬。エルフマンさんはバッカスさんの一撃が効いたのか動くことができない。
『あぁーと!!エルフマンの接収が解けてしまった!!』
『魔力の消耗も激しい上にあれだけの攻撃を受けたからね』
『劈掛掌COOL!!』
チャパティさんたちもバッカスさんの強さにやられっぱなしのエルフマンさんを見てそう言う。
「漢なんだろ?約束守れよな」
舌舐めずりをするバッカスさんと顔をあげるのでやっとのエルフマンさん。
『これはエルフマン、立ち上がれないか?』
心配そうに見つめる妖精の尻尾の皆さん。中でもきょうだいであるミラさんとリサーナさんの表情は険しい。
『あ、大事なことを忘れてました。本日は大魔闘演舞公式マスコット兼審判のマトー君が休暇のため私が審判を兼ねさせて頂きます』
『へぇ』
『兼ねやCOOL!!』
「「今それそんなに重要ですか!?」」
チャパティさんのとんでもなく間抜けな報告に思わず突っ込む俺とウェンディ。てか中身入れ替えればいいだけじゃね?
そんな実況の後、エルフマンさんがやっとの思いで立ち上がる。
「ほう。立つのかい?漢を連呼するだけあるじゃねぇか」
バッカスさんは立ったエルフマンさんにそう言う。
「そういやまだ決めてなかったな・・・猟犬」
「あ?」
「賭け・・・俺が勝った場合・・・」
エルフマンさんがそう言うとバッカスさんは鼻で笑う。
「絶対無理だから。いいよぉ、なんでも言ってみ」
「俺が勝ったらお前らのギルド名、大会中四つ首の仔犬な」
「「「「「なーっ!?」」」」」
エルフマンさんの提案に笑いを堪えるバッカスさんと唖然とする四つ首の猟犬のメンバーたち。
「パピーって仔犬のことですよね?」
「四つ首の仔犬?」
「プッ!!なんだそのギルド名!!ククッ」
ウェンディと俺がそう言うとグレイさんはお腹を抱えて笑い出す。
「OKOK、それで決まり」
バッカスさんは賭けを承諾すると手元から離れた場所に置いていた瓢箪へと手を伸ばす。
「じゃあ、そろそろ決着つけようかね」
バッカスさんは手に取った瓢箪に口を付ける。
「酒を飲んだ!!」
「ということは・・・」
「来るぞ、エルフマン」
「本気の酔・劈掛掌が!!」
俺たちはついに酒を飲んだバッカスさんを見てそう言う。
『おおっとバッカス!!ここでついに酒が入った!!』
『酔・劈掛掌ね』
『生で見るのは初めてだ!!COOL!!』
実況席もバッカスさんの本気に注目する。
「プハーッ!!」
酒を飲み干したバッカスさんはさっきの劈掛掌の構えに入る。
「来いよ、こんな酔っぱらいなら簡単に倒せんだろうがよ」
「ビーストソウル!!」
エルフマンさんは接収でバッカスさんに対抗する。
「無駄ぁ!!」
接収するエルフマンさんにバッカスさんは攻撃を加える。しかもその攻撃はわずか一瞬の内に7発もの掌打をエルフマンさんに加えていたのだった。
「エルフマンさん!!」
「今のが酔・劈掛掌・・・」
「なんて速度の攻撃だ・・・」
本気の酔・劈掛掌を見て感想を言うウェンディ、俺、グレイさん。今のは相当なダメージが入ったはず・・・大丈夫なのか?
「クハハッ、どうだ?・・・!!」
バッカスさんは得意気にエルフマンさんの方を見たが自分の手に何やら違和感を感じ見てみると衝撃を受ける。
「なんじゃこりゃあ!?俺の手が・・・」
攻撃したバッカスさんの手がボロボロになっている。着ている鎧の袖も何かのダメージを受けて壊れてしまう。
『これは一体?バッカスにダメージ!?』
実況のチャパティさんも何が起きたのかわからない。しかし、エルフマンさんを見るとなぜバッカスさんにダメージが与えられたのかすぐにわかった。
「リザードマン。当たらねぇなら当ててもらえばいい」
エルフマンさんの体は全身緑色の鱗になおかつ棘が生えており、バッカスさんの手はその棘によってキズついたのであった。
「あいつ・・・まさか・・・」
グレイさんはエルフマンさんが何をしようと考えたのかすぐにわかったらしい。
「オラ来いよ。てめぇの腕と俺の体、どっちが壊れるか勝負じゃい!!」
「フハハッ、オイオイ・・・」
来い来いと手を動かすエルフマンさん。バッカスさんもそれを見て驚きを隠せない。
「とんでもない作戦に出ましたね」
「しかし無茶すぎる。確かにリザードマンの鱗には無数の棘があって素手の相手には相性がいい。だが相手はその硬質な鱗さえも砕いてやがる」
グレイさんの言う通りエルフマンさんの体にはすでに血が出ている箇所が見受けられる。
「どうしたぁ!!」
「フハハッ!!おもしれぇ奴だ!!魂が震えてくらぁ!!」
バッカスさんはエルフマンさんの挑戦を受け棘のある硬い体に掌打を連打する。
攻撃し続けるバッカスさんとそれを受け続けるエルフマンさん。2人の戦いに会場中が息を飲む。
『これはなんとも壮絶!!戦いというより意地のぶつかり合い!!攻めるが果てるか?受けるが果てるか?この勝負・・・勝つのは・・・どっちだ!?」
「「ハァハァハァ・・・」」
力を使いきったバッカスさんと接収の解けたエルフマンさんが膝をついて座り込む。
空を仰ぎ見肩で息をするバッカスさん。対照に顔をうつ向かせているエルフマンさん。
「エルフマン・・・って言ったな?」
バッカスさんはそう言うと立ち上がり、両手を広げて空を仰ぐ。
「フハハハハハハハハッ!!ワイルドォ!!」
「「「「「フォー!!」」」」」
『立ち上がったのはバッカスだぁ!!』
さっきまで静かだった会場が盛り上がりを見せる。この死闘を見ていた俺たちはエルフマンさんの負けを見て唇を噛み締める。
「お前・・・さ・・・漢だぜ!!」
バッカスさんはそう言うと後ろに倒れ動かなくなる。エルフマンさんは膝をついたままではあるが体を起こしている。つまり・・・
『ダウーン!!バッカスダウーン!!勝者エルフマン!!』
それを聞いた会場はさっきまでよりも大きな歓声に包まれる。
エルフマンさんの勝利を聞いた俺たち妖精の尻尾はガッツポーズやハグを交わし大盛り上がり。
『妖精の尻尾B10ポイント獲得!!これで12ポイントとなりました!!』
「「「「「パピー・・・」」」」」
賭けに破れた四つ首の猟犬・・・いや、四つ首の仔犬は悲壮感たっぷりの表情。
対して勝利を納めたエルフマンさんは両手を掲げ雄叫びをあげる。
「ウオオオオオオオオオオッ!!」
『この雄叫びが妖精の尻尾復活への狼煙か!?エルフマン!!強敵相手に大金星!!』
「「やったやった!!」」
俺とウェンディは自分たちのチームではないのに手を取り合って踊っている。同じギルドの仲間としてこれは喜ぶしかないですよね!!
「あまり浮かれてばかりはいられんぞ。私たちもこれに続かねばならん」
エルザさんの言葉を聞いて俺たちは気持ちを引き締める。
「別チームとは言えエルフマンのあの根性は見習われねばなるまい」
「だな」
「そうですね」
「はい!!」
俺たちは返事をして歓声を送られているエルフマンさんを見る。
「ここからが私たちの逆転劇だ!!絶対に勝つぞ!!」
「「「オオッ!!」」」
掛け声に答える俺たち。残るは剣咬の虎と人魚の踵と青い天馬。
どこが来ても絶対に勝ってみせるぞ!!
その頃・・・第三者side
「作戦は失敗です」
「よい。計画をプランBに移行するだけのこと」
王宮の中では鎧を着た髭の生えた男と王国軍の男が何やら話をしていた。
「実行犯どもは?」
「我々が捕らえ牢へと送りました」
「バレてはいまいな」
「は!依頼主は大鴉の尻尾ということに」
実はこの男たち、エルフマンとバッカスが戦っている最中に眠っているナツとそれを看病していたルーシィたちのいる医務室へと忍び込みルーシィ、シャルル、セシリー、ポーリュシカを拐った犯人を裏で操っていた男たちだった。
しかしその計画は目覚めたナツの追撃によって阻止されてしまった。
「妖精の尻尾と大鴉の尻尾の確執はこのように使わねばな。そのスキに我々は星霊魔導士を手にいれる。エクリプス計画の為に」
男はそう言い、報告に来た王国軍の男と別々のところへといなくなってしまった。
後書き
いかがだったでしょうか。
まさかの原作のまま、チームだけ変えたエルフマン対バッカスにしました。
当初はエルザvs.バッカスにしようと思ってましたがトリプルバトルをやるに当たって各チーム6人にしたのでエルフマンをBチームに入れてこのようにさせていただきました。
それとまじめに考えたらダメだとは分かっているんですがトビーの靴下もっと早く気づけよと思ってしまう・・・
あと誘拐されたのは原作ではウェンディでしたがここでは間違うことなくルーシィだったことにしました。
次回は妖精の尻尾Aチームのバトルパートです。
次回もよろしくお願いします。
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