ドリトル先生と森の狼達
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第八幕その三
「けれどね」
「日本のマスコミって全体がパパラッチ?」
「もっと酷い?」
「そうかもね」
「日本はいい国だけれど」
「マスコミは最低なんだね」
「うん、世界のマスコミの中でもね」
それこそとです、先生は動物の皆にお話しました。
「最低最悪かもね」
「その最低最悪の人をどうするか」
「それが問題だね」
「ここに入るにしても」
「どうセーブしていくか」
「厄介な問題だね」
動物の皆も先生と一緒になって考えるのでした。
ですがここではです、結論は出なくて。
狼さんは皆を先導してです、遂に言いました。
「着いたよ」
「あっ、じゃあここにだね」
「狼さん達の群れがいるんだね」
王子とトミーは狼さんの言葉に笑顔で応えました。
「待ちに待ったっていうか」
「いよいよ会えるんだね」
「ううん、何か凄い特別扱いだけれど」
狼さんにとってはです、それで微妙なお顔にもなります。
「別にね」
「まあ僕達にとってはだから」
「このことはね」
「ニホンオオカミの群れと会うなんて」
「想像も出来なかったからね」
「絶滅したと思っていたらいたんだよ」
先生はその狼さんに笑顔でお話しました。
「それじゃあ想像出来る筈がないよ」
「そういうものなんだね」
「僕達からしみればね。それじゃあね」
「これから皆呼ぶね」
こうしてです、狼さんはです、まずはしゃがんで。
そして遠吠えの姿勢で小さく吠えるとです、周りの木陰から次々とです。
他の狼さん達が出て来てそしてでした。
「おや、人じゃないかい?」
「ううん、僕達に何か用かな」
「あまり人に会いたくないけれど」
狼さん達はまずはでした。
先生達を見てです、複雑なお顔になりました。ですが。
先生に気付いてです、そして言うのでした。
「あれっ、ひょっとして」
「あの太った人ってまさか」
「ドリトル先生?」
「あの噂の」
「日本に来ているって聞いたけれど」
「まさか」
「うん、僕がドリトルだよ」
先生もです、狼さん達に穏やかな笑顔で挨拶を返しました。
「何か有名みたいだけれど」
「ああ、やっぱりドリトル先生なんだ」
「太ってお肌が白い人って聞いたけれど」
「実際に白いね」
「そして太ってるね」
「噂通りだね」
「しかも僕達の言葉も喋られるし」
狼語をです、動物の言葉はそれぞれありますが狼さん達にも独自の言語があるのです。それが狼語なのです。
普通人は狼語を知りませんし使うことも理解することも出来ません、ですが。
「今こうして普通にお話が出来ている」
「このこと自体がね」
「ドリトル先生っていう証だね」
「動物の言葉を喋ることが出来る」
「僕達の友達であるドリトル先生」
「その何よりの証拠だね」
「それに」
しかもです、狼さん達はです。
ここで動物の皆も見てです、こうも言うのでした。
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