ドリトル先生と森の狼達
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第八幕その二
「けれどね」
「そうだよね、熊さんはね」
「まだだね」
「これからお会いすると思うけれど」
「数が少ないのね」
「そうだよ、元々大型の肉食動物は個体数が少ないんだ」
先生は皆にこのこともお話しました。
「熱帯とかでもライオンや虎はね」
「あっ、確かに」
「これまでアフリカとかにも行ったけれど」
「案外ライオンや虎は少なかったわね」
「草食動物よりも会わなかったね」
「ずっと会う機会少なかったわ」
所謂猛獣と言われている生きものはそうでした。
そしてです、そうしたことを皆でお話してです。狼さんも言うのでした。
「そういえば僕達もね」
「群れは一つだね」
「うん、そうだよ」
その通りだとです、狼さんは先生に答えました。
「僕達だけしかいないよ、少なくとも僕が知る限りはね」
「そうなんだね、まあ他にも群れはあると思うけれど」
「その数も少ないだろうね」
「百匹いるかな」
全体でというのです。
「この辺りにいるニホンオカミは」
「百、少ないですね」
トミーはその数を聞いて思わず言いました。
「本当にほんの少しですね」
「だから絶滅したと思われていたんだよ」
「そうなんですね」
「だからこそさっきお話したけれど」
「はい、狼さん達のことを公表して」
「それが厄介なことにならないことを考えているんだ」
そうだというのです。
「僕としてもね」
「そういうことですね」
「そうなんだ、本当にね」
かなり切実に言う先生でした。
「個体数が少ないから余計にね」
「本当にその通りですね」
「うん、どうしたものかな」
先生はまたこのことについてお話するのでした。
「このことについては」
「じっくり考えるべきことですね」
「そう、さもないと取り返しのつかないことになるからね」
「密猟者に質の悪い学者さんに」
「マスコミもね、特にね」
「日本のマスコミはそうですね」
「そう、日本のマスコミは酷いよ」
先生が見てもうんざりする位にです。
「あちこちでやりたい放題して批判すれば嘘も書いたり言って」
「ならず者みたいですね」
「そう、ならず者だから」
「ここに入って欲しくないですね」
「それでなんだ、いや本当に」
ここまで考えているからなのです。
「あの人達が一番問題だよ」
「そこを何とかするかもですね」
「問題だよ、ニホンオオカミ君達はいたんだ」
絶滅していなくてです。
「もう二度といなくなるなんてことはあってはならないから」
「そこは注意しないといけないんですね」
「日本のマスコミは自分のしたことに絶対に責任を取らない」
先生が苦いお顔で指摘したことです。
「そのうえでやりたい放題をするから」
「何でそんに酷いのかな」
「日本のマスコミの人達って」
「イギリスのパパラッチも酷いけれど」
動物の皆はかつて先生と一緒に住んでいた国の事情を思い出しました。
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