リリカルビィト~才牙と魔法が交わる物語~“改稿版”
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五十八話、結果と再会……
前書き
?「久しぶりです、ゼンさん♪」
龍也「な、何でお前が……」
ウィル「其ではどうぞ!」
なんとか龍也をミッドチルダの病院へと運びこんだ後になのはも精密検査を受ける事になった
結果は"慢性魔力制御障害"……慢性的に身体に負荷をかけてしまっていたことから発生した身体、そしてリンカーコ アの過労による制御能力の低下。それが原因で身体が上手く動かなかったり、魔法を上手く使えなくなる障害で、今から確りと休めば問題ないとのことである
また過労に関してはここ最近だけではなく、魔法の存在を知ってから今まで繰り返してきた無茶も要因だと説明を受けた
その内容は色々あるが、要するに頑張り過ぎということである
又、龍也に関しては……
「何とか一命は取り止め、傷跡がつく程度で済んだが……」
「リンカーコアに異常が見られる……分かりやすく言うなら、ひび割れた状態……」
「いつ目覚めるかも分からない……か」
治療班の言葉をクロノ、リンディ、エイミィが順に繰り返す
それが、龍也の現状を示す言葉だった
改めてリンカーコアについて説明しよう……
魔導師や騎士……そして魔導騎士と呼ばれる存在には魔力の核となるものが存在する
これがリンカーコアである
このリンカーコアが魔力を生み出し、その魔力を使って魔法を使うのだ
そのリンカーコアに傷を負ったとなれば、魔法の行使はおろか、魔力を作ることすら出来 なくなるかも知れない
幸いというべきか、リンカーコアの傷自体は小さなものだった為に、魔力の生成や魔法の行使が出来なくなるということはないらしい
「私の……私のせいだ……」
「なのは……」
なのはは、原因が自分を護るためであると分かっているため、泣き崩れていた
今もうわごとのように自分のせいと呟き、涙をこぼしている
そんななのはを辛そうに見つめるヴィータは 、何も出来ない自分を情けなく感じていた
丁度その時、ナースが慌てながらなのは達のところに来て一言いった
龍也が目覚めた……と
●○●○
~龍也視点~
「ゼンさん、起きて下さい」
「ん…?」
妙に聞き慣れた声を聞き、目を開く
そこは、木漏れ日が広がっていた
「おはようございます、ゼンさん」
「ああ、おはよう……っ!?」
上半身を起こし、空を見上げていると左隣から声を掛けられた
反射的に返事をしてしまったが、この世界に転生して来てから一度も聞くことのなかった声に驚き、左を向く
そこには、見慣れた笑みを浮かべる……
「リナ……?いや、違う……お前は、誰だ?」
「……流石はゼンさん……よくわかったね」
前世の世界で死んでしまった幼なじみのリナの姿をした誰か
だが、リナの髪は水色だった筈だ
こいつの髪色はこの木漏れ日にも栄えるような鮮やかな"深緑"
そいつは自分の懐に手を伸ばし、そこから何かを取り出した
深緑色に光る、ビー玉よりも大きなその球体は……俺の相棒、"ガーディアンウィル"だった
なぜ、こいつがウィルを手にしているのか
「……ゼンさんが転生に行くとき……セレナさんが私の記憶のみをウィルに組み込んだの。魂は今あなたの世界に転生しているけど、前世のリナとしての記憶はこの玉の中にいて……ずっと、この中から見ていました」
「そのことを……ウィルは?」
[知っていました……黙っていて、申し訳ありません]
「いや、いいさ」
つまり、記憶とは言えリナは俺が見たほとんどを見ていたことになる
……そういえば、洗濯機の中に間違えてぶち込んだことがあったなぁ……悪いことをした
「そう言えば此処は何処だ?」
「はい。ここは、ロードの精神世界……木漏れ日のような優しさと、温かさ、そして安らぎが溢れる世界……」
どうやらこの空間は俺の精神世界……確かによく見渡せば此処は俺が旅をするまでよく一人で鍛練する時に来た場所だ
「俺はどうなった?」
[ロードは防御越しに受けた一撃で重症を受け、何とか一命は取り止めました。今は医務室で眠っています]
ああ、やはりか……
「なのはは無事なんだな」
[はい、怪我もございません]
「………」
「今頃は皆に説教でも食らってるか、 心配されてるだろうな」
「……なんで……」
くっくっと笑いながら、その様子を想像して喋っていると、リナから疑問の声が上がった
リナの方を見てみると、そこに は悲痛そうな顔をしたリナがいた
「どうしてゼンさんは笑ってあの娘の名前を出せるの? ゼンさんはあの娘の…… あいつのせいで死にかけたのに……ううん、見ているしか出来ない私が言うことではないのもわかるよ……でも、なんで……」
あなたは笑って居られるの?
そう言ったリナは泣きそうな表情をしている
見ているしか出来ない、というのは前世ではなにかしらサポートができたのに今出来ないからだろう
「そうだな……まず、なのはだが、俺は別に怒ってはいないさ。無茶をし続けたせいであんなことがあり、其を俺が勝手に助けた……それだけだ」
「死にかけたんだよ!?だいたい、あいつのはただの自業自得じゃない!!」
「それは、俺がとやかく言えることじゃない……それに悪いのはなのはじゃない、"奴等"だ」
「? どういう事?」
「つまり、なのはを墜落させて俺に責任を押し付ける形にして管理局に入れる作戦だったんだ……上層部はな」
[「!!!?」]
そう、龍也は束に管理局の上層部のデータベースにハッキングする様頼み、この計画を知ったのだ……
つまり、なのはを落とそうとした器械を操ったのは……
だが、それはもう終わったことだ
「後、リナ……感謝する」
「……え?」
前世では孤児だった俺の事を心配してくれた……
リナがいて、リナが支えてくれたから今の自分がいる……
転生してから何度もそう思った
「お前は前世のときからいつだって俺を支えてくれた。なにもできなかった? 違う、お前は俺を支えてくれた。だから今の自分がいる……」
「で、でも……」
「ストップだ」
まだ何か言おうとするリナの口 を右手の人差し指で塞ぐ
なぜこいつはこうも自分を責めるのだろうか……俺も似たようなものだな
「俺が言いたいのは感謝の言葉だけだ。……ありがとう。お前がいてくれたから 、俺は前世でバスターとして生きると決めた……戦えた。お前は最高の親友だよ」
「……はい…ゼンさん……あなたも私の最高の親友です」
人差し指を離すと、リナはそう言ってきた
……なぜ、頬が赤く染まっていて、瞳が潤んでいるのだろうか
「ちょっと待てリナ……なぜ顔を寄せる?」
「…あのね…」
「?」
「言いたいことがあるんだ」
言いたいこと?
なんだろう?
「……何を言いたいんだ?」
「はい……私は……貴方が……」
ー好きです……ー
そう言って………リナは俺に口付けた
●○●○
「ってちょっと待て!!」
「!?」
「ウィル!!リナと話させろ!?」
[……無理です。意識を確認できません]
くっ……逃げ足が早いな
と思いながらも、俺は自分の周りに視界を巡らせる
見たことある部屋……医務室だな
俺は病人服を着ており、場所はベッドの上……
「こ……九重さん?」
「ん?」
声のした方……右側を向くと、看護師がいた
ついでに窓の外を見てみれば、すっかり夜になっている
「あの……」
俺が声を掛けた瞬間…
「せ、先生!!先生ーーーっっ!九重さんがーーーーっっっ!!!」
病院内にも関わらず大声を上げて走って行った
「……何か大事になりそうですね……」
ウィルの呟きに俺は心の中で同意していた
その後、なのは達がいきなり入り、先生が雷(本物+説教)を落とし、病院が停電になる事件が起きたのだった……
聴いたところ、よく電気ショックの代わりに雷を魔法で落としたりするので得意らしい……
後書き
リナ「あ、因みに私は転生しているからまた会えるよ? 別の作品の原作キャラでね♪其では感想待ってます♪」
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