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ドリトル先生と森の狼達

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第六幕その八

「毒があると言って食べなかったけれどこのことはね」
「迷信だったんだ」
「そうだったのね」
「そうだよ、まあ内蔵は傷みやすいから避けたかも知れないけれど」
 それでもというのです。
「これは迷信って言っていいと思うよ」
「これは迷信なんだね」
「日本で鳥の内蔵を食べなかったことは」
「それはなんだ」
「迷信なんだ」
「そう思うよ、迷信もあるけれど無闇に否定してはいけない」
 また言う先生でした。
「そのことはしっかりと頭に入れておかないとね」
「確かに」
「先生の言う通りね」
「科学的じゃない、キリスト教的zyないって否定していたら」
「何もならないね」
「全くね」
「そうよね」
 動物の皆も頷きました、まさにその通りとです。そうお話しつつです。
 先生はその森の奥にさらに入ったのでした、皆と一緒に。
 そしてでした、遂に。
 オシツオサレツが後ろの頭で見て気付きました。
「先生、若しかして」
「後ろに」
 前の頭も言ってきました。
「来たよ」
「その山犬さんが」
「僕達の後ろをね」
「ついてきているよ」
「遂にだね」
 先生はにこりと笑いました、オシツオサレツのその言葉を聞いて。
「会えるんだね」
「?そういえば」
 ジップもお鼻をくんくんとさせて言いました、その山犬の匂いを嗅いで。
「普通の山犬さんと匂いが違うね」
「そうだね、何かね」
 ガブガブもジップと同じくお鼻をくんくんとさせて言います。
「匂いが違うね」
「そうだよね」
「別の種類みたいに」
「そういえば」
 トートーは王子の左肩にいましたがそこからです。
 顔を梟の特技を生かして百八十度くるりと回してその後ろの方を見て山犬さんをチェックしてそれから言いました。
「何か違うね」
「普通の山犬さんと」
「何か違うよ」
 トートーはポリネシア、トミーの右肩にいる彼女にも答えました。
「何かがね」
「そういえば」
 ポリネシアもここで振り向いてチェックしましたが。彼女から見てもです。
「違うわね」
「先生、後ろから来てるのなら」
 ダブダブが先生に言いました。
「ここはね」
「立ち止まってだね」
「お話しましょう」
「いや、これも確かめるうちなんだ」
 先生は皆に答えました。
「こうして後ろからついてくるのを確かめることを」
「それもなんだ」
 今度はホワイティが尋ねました。
「その山犬さんを確かめることなんだ」
「そうなんだ」
「何か訳がわからなくなってきたけれど」
 首を傾げさせるホワイティでした、それはチーチーもです。
 後ろにいるその山犬の方を振り返って確かめてから先生に尋ねました。 
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