零から始める恋の方法
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昼食
「ふう・・・。これで完成か・・・」
「はい!とても上手です!」
本日の昼ごはんは少しのくじゃが、それと五本ほどの春巻きにチャアハン、あとはベーコンスープだ。
前三つは上元先輩一人で作ったもので、ベーコンスープは一緒に作った。
実際チャアハンとベーコンスープだけで十分昼ごはんとしては通用するレベルだ。
「これうまいな」
そう言って手を付けているのはベーコンスープ。
細かく長方形に切ったベーコンがいい感じに味を出してくれている。
あ、だしはベーコンからでも十分取れるけど市販のものと組み合わせてみるともっと味が出るから濃いめの味が好きな人はいろいろ試してみるといいかもしれない。
まあ、私は薄味派だからベーコンだけでいいんだけどね。
「チャアハンや春巻きもとてもおいしいですよ。にくじゃがもほっぺたが落ちそうです」
「その表現久しぶりに聞いたな・・・」
若干私の表現に苦笑いしつつも誉められて素直にうれしそうにしてくれる上元先輩。
これは教えたかいがありそうだ。
「今日教えた炒める、とか煮込む、とかだしを取る、とかは結構応用の幅が広いので作り方さえある程度知っていれば結構しっかりしたものができますよ」
「そうか・・・。それはいいことを教えてもらったな。今度実践してみることにするか。ありがとうな」
「いえいえ・・・。私は自分ができることしか教えていませんから・・・。本当はもっと楽な方法とかもあるらしいんですが、まだ私ではうまくできなくて・・・」
「持上でもできないとなると俺には到底ほど遠い領域なんだろうな・・・。できるようになったら教えてもらえると助かるよ」
「はい!あ、今日はガスコンロでやりましたが、一応電気のやつでもできるらしいです」
利英さんの家で見たのだが、紗由利さんは電子コンロっていうのかな?なんか電気のやつでやっていた。
触ってもあまりあつくなく、最初はあんなのでできるとは思わなかったが、実際やっていたときは結構驚いた。
「まあ、そうだろうな。うちはガスコンロじゃないから少し勝手が違うんだろうがな・・・。基本的には同じなんだろ?」
「まあ・・・きっと・・・」
使ったことがないのでわからないが、紗由利さんのを見ている限りだと似たような手順だったので、きっと同じような感じで作れるはずだ。
そうして、土曜日、日曜日と休日は楽しく充実した日々を迎えることができた。
で、翌朝。
通学時間は私の時間と上元先輩の時間とでは違うらしく、やはりみかけることはなかった。
かわりに利英さんとあった。
「おっはよー」
「おはようございます、利英さん。あ、それピアノ同好会で弾く曲ですか?」
「うん、そーだよー。今は頑張って練習中。昨日は紗由利にみっちり練習させられたよ・・・」
と、若干苦笑いしてそのつらさを物語ってくれる。
いったいなにを・・・。
「それは大変だったんですね・・・」
「そーなんだよー・・・。で、雪ちゃん」
「な、なんでしょうか・・・」
なんかいきなり近づいてきた。
その近さに少し困惑するものの、なんとなく察しはついた。
「上元先輩とは何かあった?」
「料理を教えてあげました。あ、これ今日の分のお弁当です」
「あ、ありがとー。ほおほお、それはそれは・・・。これで仲が深まったねー」
「そうだといいんですけど・・・」
あの部屋はちょっとひかれたかな・・・?
だとしたらまずかったかなー・・・。
やっぱり最初から居間とか台所にすべきだったか・・・。というか、いきなり自分の部屋とか相手のこと意識しすぎて逆にアレかもしれないし・・・。
うわあ、ミスった・・・。
「ま、なら今度は央山先輩からカラオケのお誘いがあったらから・・・今度は四人で放課後行ってみない?」
「え?今日のですか?」
「うん、ピアノ同好会は一日ぐらい休んでも別に大丈夫だし、サッカー部はまだ休みでしょ?」
「はい・・・そうですけど・・・。利英さん、ズル休みはよくないです」
私のために部の中での利英さんの評判が悪くなるのはいやだ。
お弁当だって私の勝手な善意で作っているんだし、別に利英さんがそこまで気にかけてくれる必要はないのに・・・。
「大丈夫大丈夫、先輩たちには断ってるし、割と自由なところだから。じゃ、お先ー!」
そう言って、先に行ってしまう利英さん。
今日・・・いきなり放課後か・・・。
男の人とカラオケ行くのって初めてだなー・・・。
で、放課後。
相変わらず授業は面白くない・・・というか拷問だった・
ひどかったよ、本当に。
しかし、カラオケなんて初めての気がする。
なんか前に言ったような気がしないでもないが、そこはどうでもいい。
問題は私が歌える曲がクラシックしかないわけだ。
それも童謡のようなものではなく、ピアノで弾けよ、って曲しかない。
簡単に言うと、合唱コンクールとかですっごいうまく歌うと結構点数とれる部類のものしか歌えない。
あと致命的なのは日本語の曲が全く分からないということだろうか。
英語とイタリア語の歌しかしらない。
中学の卒業式は日本国歌がわからなかったので、イタリア国歌でごまかしたぐらいだ。
いや、ちゃんとちいさい声にしたからね?
「美少女二人とカラオケとはね。俺にもツキが回ってきたようだよ」
「そうか、それはよかったな。さっさと行こうか」
一応千円持ってきたが、足りるだろうか?
というか、出費ばかりだけど今月の食糧問題は大丈夫なのだろうか・・・。
「結構うるさいんだねー・・・」
「そうですね。防音対策とかもっとしっかりしてるものだと思いました」
「そうでもないさ。俺はここ以外にも何度か言ってるけど、みんなこんなものだよ」
「お前・・・暇なやつなんだな」
「まあ、そこそこね」
央山先輩はどうやらカラオケに詳しいようです。
これは是非カラオケのシステムについて聞いてみなくては・・・!
「央山先輩!質問があります」
「何?雪菜ちゃん。答えれる限りでなら答えるよ」
「はい!カラオケ行ったことがないので、全然わかりません!教えてください!」
「じゃ、俺も頼む」
「あ、私も」
と、いうことで央山先輩は四苦八苦しつつも私たち全員に電モクとかの説明をしてくれた。
ありがたいことです。
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