零から始める恋の方法
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
恒例行事
前書き
よくよく考えたら某無限さんとか某闇狼さんの方がチートでしたね。
最近はなんとかライトニングとか出てきてるみたいですし・・・。
もうついていけませんよ。
お泊り回・・・。
友達なんてそんなにいなかったからお泊りだなんてしたことはない。
だから、どうすればいいのか・・・。
とりあえず、まくら投げだっけ?
あれ?それは旅行系のイベントだったはず・・・。
「うー・・・なんかそう思うと緊張してきました・・・」
情けないけど・・・お手洗いに・・・。
・・・お手洗いってどこ?
「と・・・とりあえずだれか・・・」
確か近くに紗由利さんの部屋があったはず・・・。
「こ・・・これは・・・きつ・・・」
流石にこの年になって漏らすとか恥ずかしすぎる。
そればっかりは避けたい。
「確か一階に利英さんの部屋が・・・」
一瞬なんでこの家にはよくデパートにあるようなお手洗いを示す矢印がないんだろうと思ってしまった。
当然普通の家にそのような表示があるはずもない。
しかし、これだけ広いとそういうのがあってもいいように思えてくる。
で、広間の大階段に来たのだが・・・。
「こんなに・・・段差・・・きつかったっけ・・・」
さっき上った時はそんなに感じなかったけど・・・。
人の感じ方は環境によってこんなにも変わるのか・・・。
「うぅ・・・紗由利さーん・・・」
紗由利さんだ!
これで助かった・・・。
「紗由利さん・・・お手洗いは・・・」
「え?こちらですが・・・」
「ふぅ・・・スッキリ・・・」
「あの・・・申し訳ありません雪菜さま。お手洗いの場所を教えてませんでした・・・」
「いえいえ。それより、もう結構な時間ですよね」
「ええ。お食事の片づけと戸締りなどを」
大変だなあ・・・。
やっぱり、これだけ広い家だと掃除とか半端じゃない量になるんだろうなあ・・・。
「お忙しいんですね。あ・・・だったら私お仕事の邪魔を・・・」
「ああ、それならご心配なく。もう終わって後は寝るだけですから」
なんだ。
それならよかった・・・。
「あ、上本先輩!」
「ん?持上か。もう迷ってないのか?」
「うぅ・・・流石にもう覚えましたよ」
朝、利英さんたちに別れを告げ、自分の家から荷物をいくらか持ってくるため結構早めに出たので、割と早目な時間になってしまった。
しかし、利英さんの家が以外に近所だったのが助かった。
「そういえば、お前最近マネージャー頑張ってくれてるみたいだってな」
「いえ・・・私なんてまだまだです・・・」
確かに最初の頃よりはある程度動けるようになったものの、先輩マネージャーたちの指示がなければまだ十分な働きができていないのも事実。
よって、まだまだ習練が必要だ。
「そうか?俺たちやる側からすれば大分やりやすくなったぜ?」
「え・・・そ・・・そうですか・・・?」
こ・・・これは褒められたんだよね?
お世辞とかそういうのじゃないよね!?素直に喜んでいいんだよね!?
「あうぅ・・・うれしいです・・・」
「あ・・・ああ・・・俺たちみんな感謝してるからこれからもがんばれよな。じゃ」
「あ・・・」
できれば、ここは教室まで送ってくれるパターンじゃないのかな・・・。
それで、教室に帰ったらクラスの人とかに『あれ?お前らって付き合ってたの?』という誤解から始まるラブストーリーなはずじゃ・・・。
「おーい、上本!」
「ん?|央山じゃないか」
「おお、雪菜ちゃん。おっはよー!今日もかわいいねー?よかったら付き合う?」
「え・・・あの・・・」
挨拶まではよかったものの、さすがにいきなりそんなこと言われても困る。
私は混乱して、あうあう言いながらわたわたしていた。
「おい、こら」
「いて!?てめ、上本!何しやがるんだよ!!」
「持上が困ってる。せめて友人にしておけ」
「なんだよー・・・。いいか、上本。世の中には人の恋路をするやつは馬に喰われて死ねっていう言葉があってだな」
「それを言うなら馬に蹴られて、だ。食人馬とかB級ホラーもいいところだ」
な・・・なんかよくわからないけど助かった。
この央山という人は上本さんのクラスメイトで、同じサッカー部でもある。
上本先輩がスピードの乗った突破力重視なら央山先輩は防御力重視のディフェンダータイプだ。
何気に女子からの人気が熱いらしい。
「んじゃ、雪菜ちゃん。また部活終わりにマッサージよろしくねー」
「あ、はい!先輩も頑張って!」
「・・・下心丸見えだっての」
「え?肝試しですか?」
「そ。毎年恒例の肝試し。各部が好きな日にちに学校の七不思議巡りをするの」
なんか苦手そうな分野だ。
と・・・当然7~8人の大人数グループになるんだよね?
「えーと・・・それで私は誰と組めば・・・」
「今年はピアノ同好会と合同だからねー。ま、好きな人と適当に組めば?」
ピアノ同好会と言えば利英さんがいる!
多分利英さんなら七不思議だろうとなんだろうと軽く打ちのめせる気がする。
なんだかんだで料理以外は完璧魔人だし。
「ちなみに・・・お目当ての男子とかと組むのが恒例だよ」
「!?」
「お?その反応は・・・期待の新人マネージャー、雪菜ちゃんの恋人は誰かなー?意外と雪菜ちゃんって男子に人気あるから適当に声かけるだけでほいほいついてくるよ。あいつら馬鹿ばっかだし」
耳元でそう言われたからびっくりしただけで、別に内容にびっくりしたわけじゃないし・・・。
で・・・でも・・・上本先輩と肝試しかー・・・。
『キャッ!?上本先輩・・・・私・・・怖い・・・!!』
『HAHAHA。俺がついているさ、雪菜。さ、ゴールはもうすぐだ!』
『上本先輩!ステキ!』
うん、ありだな。
確かに定番中の定番、使い古されたネタではあるが、それゆえに十分に有効な手段だ。
暗い夜の校舎内というのもいささか雰囲気を盛り上げる要素となりえるだろう。
よし、決めた。
「わかりました。日時はいつですか?」
ページ上へ戻る