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炎の中の笑み

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第二章

「犯人を突き止めてな」
「事件を解決することがです」
「一番の問題だしな」
「その為にです」
「俺達を呼んだんだな」
「そうです」
 その通りだとだ、高篠は本郷にも答えた。
「様々な怪事件を解決してこられているお二人ならと思いまして」
「まあな、こうしたおかしな事件が俺達の専門だしな」
 本郷もこう高篠に答えた。
「だから受けたしな」
「そうですね、では」
「早速捜査をはじめさせてもらうな」
 本郷は高篠に砕けた口調で答えた。
「これから」
「早速ですね、ではホテルも予約していますので」
「悪いな、そこまで手配してもらって」
「お気遣いなく、まずはです」
「事件の解決だな」
「これ以上犠牲者を出す訳にはいきません」
 強い口調でだ、高篠は二人に言った。
「ですからすぐにでもです」
「わかってるさ、捜査はじめるな」
「事件のことはお任せ下さい」
 役も高篠に言った。
「我々がすぐに解決します」
「犯人を突き止めてな」
 二人でこう言ってだ、そしてだった。
 二人は一旦高篠と別れ警視庁を後にしてだった。そうして東京の街を歩きつつそうしてであった。二人で話した。
 本郷は東京のビル街を見回しつつだ、自身の隣にいる役に言った。
「東京に来るのも何度にもなりますけれど」
「違うな」
「ええ、京都とは」
 二人が住むその街と、というのだ。
「やけに高いビルばかりあって山も見えなくて」
「違う国にいる気分になる」
「ですよね、どうも」
「この街には慣れないな」
 役はこうも言った。
「どうにも」
「ええ、好きじゃないですね」 
 何度来てもというのだ。
「どうにも」
「そうだな、しかしだ」
「仕事ですからね」
「終わらせてだ」
「早く帰りましょうか」
 京都にだ、こう話しつつだった。
 二人はそれぞれ手に数枚の札、白いものを出した。そうしてその札を前に投げるとだ。その札達がだった。
 忽ちのうちに白い鳥達になった、鳥達はビルや木々をすり抜けてそうして飛んで行った。その鳥達を見つつだ。
 本郷はその目を鋭くさせてだ、役に言った。
「とりあえず何枚か出しましたけれど」
「今のではな」
「東京は広いですからね」
「人も多い」
「これ位じゃ、ですよ」
「犯人が誰か突き止めるには時間がかかるな」
「式神に任せっきりじゃなくて俺達も働きますか」
 こう言うのだった。
「事件現場を見て回りますか」
「そうすべきだな。手掛かりの宝庫だ」
 その事件現場こそがとだ、役は本郷に答えた。
「だからな」
「そこを見て回りますか」
「これからな」 
 こう話してだ、二人は式神を出しただけでなく事件現場も見て回ることにした。最初に来たのは歌舞伎町であった。
 歌舞伎町を入って少し歩いた裏通りだった、そこでだ。
 一人の風俗嬢がまさにミンチになっていた、内蔵は取り出されそれも切り刻まれていて壁に投げ付けられていてだ。
 首は切断されかけていて顔にも手足にも幾つも深い傷がありだ。犠牲者が誰かすぐにわからない程であった。
 今は血もなく何があったのかわからなくなっている、だが。
 その現場に来てだ、本郷はすぐに顔を顰めさせて言った。
「きついですね」
「血の匂いがな」
「予想はしていましたがね」
「そうだな、凄惨だったそうだからな」
「それで見えますか?」
 本郷は血の匂いを彼の鼻では匂いつつだ。 
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